goo

米朝戦争の予測と懸念

とうとう風邪をひいてしまった。先月末、家内が娘とともに東京に遊びに行って、帰ってきて風邪で寝込んだ。この時一日中咳込んでいた。特に夜中などは部屋中に菌が蔓延したのではないかと思われるが、これでうつらない方が異常ではないかと思っていたら、案の定だった。
それでも初日は審査があったのが、朝は病勢は衰えたように感じて快調で予定通り出かけた。審査の間も全く問題なかった。しかし、夕刻には不調へ戻ってしまった。その翌日も朝は大丈夫だったので、豊中で開催されたとあるセミナーに出かけた。で、夕刻には不調の繰り返し。しかし、ほぼ平熱で食欲はある。
そこで、ついに週末は近くのかかりつけの医院に赴いた。インフルエンザの診断があるものと思い込んでいたが、一切なく抗生物質は必須と処方された。これで最近ようやく安定してきた排便が、腸内フローラの壊滅でまた軟便になってしまうと訴えたら、それでは強力乳酸菌の錠剤をつけましょうとなった。しかし、翌日はやはり腸内フローラの壊滅が見られたような結果になっていた。強力乳酸菌の錠剤といってもその程度のもののようだ。

というような病状で、病勢は一進一退。熱は相変わらずない。これも風邪またはフルーのビールス側の高等戦略なのかもしれない。熱が出れば、それだけでも彼らの生存には不利になるからだ。罹患させられた人にとっては、これで体内の雑菌を一切合財壊滅させて、リセットできる利点はある。だから実は年に一度風邪をひくのも悪くはないことなのではないかという、説を聞いたことがある。本当だろうか。
話が脇に逸れがちだ。というような次第で、この原稿作成中もかなりしんどい。最早やめたいくらいだ。今回は短めで許されたい。

さて、ピョンチャン五輪が始まった。文政権によって、前例のない政治色の強いオリンピックになったようだ。平和の祭典とはいえ、平和の価値は永続性にある。目前の戦争のための核兵器開発のための一時的和平では意味がないのではないか。そのためか現地韓国では政権の思いとは異なり、“五輪休戦”との冷めた言葉が出てきたようだ。
五輪が終わって、予定された米韓合同軍事演習は計画通り実施されるのであろうか。

北のこれまでの振る舞いは、昨年の時点で米国の考えるレッドラインを超えている。どうやら中国も同じように考えているようだ。そのため米中共に有事に備えて着々と準備を進めている。
中国は北との国境地帯に50万人規模の避難民収容施設を完成させたという。日本はそんな準備ができているのだろうか。大勢の漁船による難民に対処できるのだろうか。
米軍は世界最強のスティルス戦闘機F22を早々と横田基地に2年前に既に派遣。これはどうやら米国本土以外に配備した最初のことのようだ。その後、同じくスティルス戦闘機F35を16機岩国に配備。これを搭載可能で攻撃目標に接近する強襲揚陸艦をボノム・リシャールからワスプに交替させた。
正規空母ロナルド・レーガンは何故か補修工事を横須賀で着手。これも北攻撃の準備だろうか。その工事中の空母をバックアップするためか、韓国との合同軍事演習を経験したカール・ヴィンソンが米西海岸母港を離れてフィリピン近海に居る。さらにロサンゼルス級原潜の3隻が昨年末から佐世保や横須賀に寄港している。原潜は頻繁に浮上して寄港する艦種ではないことを考えると、背景には相当数の原潜が近海に遊弋していると考えるべきだろう。
そして、F22やF35Aを昨年末韓国にも配備したようだ。
この配備状態で米韓合同軍事演習と称して、3空母打撃群を結集すれば北へのブラッディ・ノーズ作戦は実行可能だろう。

北を攻撃した場合、94年の米朝危機に米軍のシミュレーションでは数百万人規模の犠牲が韓国や日本で発生するとの結果が出たという。
日本では相当な軍事専門家ですら、その結果を援用して米軍が実力行使すれば、大規模な犠牲が発生することは明らかなので、脅すだけで実行はあり得ないとする見方をとっているが、20年以上前の結論を援用する愚を犯していると見るべきだろう。
何故ならば、現にマティス国防長官は被害を最小限に限定可能と言明している、からだ。どうやら在韓米人の避難も不要との見方も出ているほどだ。在韓米人避難を開始すれば騒ぎは広がり、北に身構える時間を与えてしまう。作戦は電撃的に実施される必要がある。
それは20年前の兵器体系から大きく変化している部分がある。それは精密誘導兵器トマホークの出現である。巡航ミサイルなので、防空レーダー網には把握され難い。これで電撃的に第一撃を加え、その後スティルス戦闘機群でさらに補強して行く。その後、4.5世代戦闘機とされる海軍の主力艦載機F/A18や空軍のF16を大量に発進して全土を制圧して、反撃の余裕を与えないという作戦と思われる。
しかし、その精密巡航ミサイルを使用するとしても標的がピンポイントで明確でなければ効果は半減してしまう。従来はその標的を偵察衛星で把握していた。しかし、これでは高々度からの監視であるのと地球を周回しているため、解像度の問題と監視が途切れる部分があった。あるいは天候・雲の存在によって監視不能の部分があった。
最近はこの弱点を補うために無人偵察機を活用しているものと思われる。米軍には佐世保を母港とするミサイル追跡艦があるとされるが、北のミサイル実験の数日前には必ず出港していて絶対に停泊はしていない、という。こうした徹底した監視活動の成果であろう。38ノースと呼ばれる北を監視している団体があるが、これは米軍系の外郭団体と思われるが、解像度の低い衛星写真を公開して、北の動向を事前に公表して世界及び北自身に警告しているが、米軍自身はもっと高度に精密な情報を持っていると見て良い。無人偵察機は小型のため、肉眼では勿論通常のレーダーではほとんど捕捉されていないものと思われる。
こうした監視に基づき米軍は北の動向を細大漏らさず把握できているのだろう。金正恩個人の動向すら捕捉している可能性はあると思われる。斬首作戦beheading operationもあながち誇大なネーミングではないものと考えて良いのではないか。こうした確実な情報に基づき、米軍は北の状況を余すことなく把握していると思われる。
北側が如何に森林や山岳部の洞穴にミサイルを隠蔽していたとしても、出入り口を把握していれば、事前にそこを破壊してしまえば、反撃のミサイル発射は不可能なのは明らかだからだ。したがって、かつてのシミュレーションによる数百万人規模の犠牲は回避できるとの結論を得ているのではないだろうか。しかも米海軍はイージス艦を多数保有している。間違って数発のミサイル発射を見逃しても、20隻弱のイージス艦でそれら全てを邀撃することは不可能ではあるまい。停戦ラインの北側の長距離砲陣地も破壊し難い洞穴の中にあるとされるが、出入り口を破壊すれば機能不全に陥るのは明らかだ。
私が3空母打撃群の結集と言っているのは、こうした北の軍事施設全てを叩くには千発のトマホークが必要で、それには3空母打撃群の規模の戦力が最低限必要で、これに隠密のトマホーク原潜が加われば十分な数のトマホークは揃うと思える。勿論、北側の潜水艦からのミサイル発射も警戒するべきで、そのための監視も必要だろう。北は原潜を持っていないので、対処撃沈は容易だろう。しかし自衛隊では今のところミサイル発射後の対処になってしまうが・・・。
そうした結論から、マティス国防長官は被害を最小限に限定することはできると言っているのだろう。先日2日に発表された米国防総省の核戦略報告書“核態勢の見直し(NPR)”は、こうした現在の兵器体系の延長上にあるものと容易に見て取れる。

キナ臭い動向は歓迎できるものではないが、現実はそこまで迫っているものと見て良い。恐らく米韓合同軍事演習が契機になる可能性が高い。それは今、北の動向を許してしまえば、将来はもっと大きな犠牲が生まれるものと米軍首脳は考えているからと言ってよいのではないか。これは好き嫌いの感情の問題ではない。
とは言え、北のミサイルの撃ち漏らしは必ず生じる可能性はあると見るべきで、日本に被害は全くないと見るべきではない。特に北の潜水艦発射ミサイルには、専守防衛の自衛隊は事前に対処できない。その割には日本政府、安倍政権は結構暢気な印象である。残念ながらそれが安倍氏の本質なのかも知れない。
 
コメント ( 0 ) | Trackback ( )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 映画“陸軍中野... 村田晃嗣教授... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。