The Rest Room of ISO Management
ISO休戦
びわ湖環境ビジネスメッセ2007
今年も 例年のように湖北に 長浜ドームの展示見学とセミナー受講に出かけました。さいわい、行き帰りJRの延着トラブル無く、スケジュールを順調に消化できました。
展示物は 私なりに興味のあるものだけを大雑把に事前チェックして 午前中 短時間で目当てのブースだけを覗くようにしました。
その後、午後は “CSR(環境)報告書作成支援セミナー”を聴講。開催場所は 長浜バイオ大学で、長浜ドームの近くで隣接しています。と言っても両者の距離は数百メートルは あります。また長浜バイオ大学の近くには JR田村駅があり、帰りはシャトル・バスに頼らず直接JR電車で大阪まで戻りました。
さて まずは、長浜ドームの展示では 富士ゼロックス、大阪ガス、松下電器、コクヨ、のブースを覗きました。これらの先進的企業の環境活動や 環境に関連する製品の開発状況を見ようと思ったのです。ところが、富士ゼロックスでは PDFまがいのソフト、省エネ製品開発などの紹介展示、大阪ガスでは燃料電池の開発状況の紹介は目に付かず、と言った状態で期待したほどではありませんでした。
わずかに注目したのは、コクヨが びわ湖のヨシの繊維を少し使った紙製品の紹介展示をしていたことでした。これは びわ湖の水質保全のためにヨシ群落保全条例を滋賀県で制定したのですが、ヨシの育成もさることながら、刈り取りを行なわなければならず、刈り取ったものをそのまま焼却していたのでは、無為に二酸化炭素ガスを発生させるだけだとして、刈り取ったヨシの有効利用に乗り出したのだ、ということでした。
残念ながら ヨシ・パルプの配合率は 強度を要求されるコピー用紙やノートには1%にしかできないとのこと。しかし、葉書・封筒には30%,名刺には100%使えるので大いに利用して欲しいとのことでした。
また 水の磁気処理器具、システムが興味を引いたので見に行きました。(マグローブ㈱,㈱ビー・シー・オーのブース)これは 水を磁気処理することで、水分子のクラスターを細分化して酸素を多く吸収し、腐敗しにくい水に改質し、浮遊物質の凝集沈殿を促進し、不純物(窒素、リン)の放出が見られるようになるというものです。器具や パンフレットの展示紹介がある程度で、私が訪れた時は 実際にどうなるのかを実験的に示してくれていないという訴求力の弱い印象で多少 ガッカリした内容でした。
うかつにも、洗浄用の水にどの程度使えるのか 質問しなかったのは残念です。
聴講参加したセミナーは 次のようなセッションで開催されました。
“CSR(環境)報告書作成支援セミナー” 主催:滋賀県 企画運営:社団法人滋賀県環境保全協会
講演1:“顔が見える報告書作成に必要なもの”
・・・・・・講師:NPO法人循環型社会研究会・代表・山口民雄
講演2:“コミュニケーションツールとしての報告書の作り方~大日本スクリーンの場合~”
・・・・・・講師:大日本スクリーン製造㈱総務カンパニー環境安全部の山本真紀
最初の講演はCSR(環境)報告書として公表されるべき文書に込められるべき内容についての解説でした。
驚いたことに、かつては環境報告書と呼ばれていたのが、最近はCSR報告書 あるいは サスティナビリティ報告書というタイトルに ほとんど変わってしまってきているということです。(環境報告書の呼称:2004年度43.3%,2007年度5.4%,CSR報告書の呼称:2004年度8.1%,2007年度49.3%) 現に 午前中にもらった富士ゼロックスの報告書は“サスティナビリティリポート2007”となっていました。
そして CSR報告書は “環境報告に組織の社会性報告を付け加えた”ような内容であり、この“社会性”を どう考えているのかが重要であるということです。(環境報告は 社会性の顕著な側面とも言える。)
ところが 特に 日本の会社では“自分の企業の短所に触れることが苦手”のようであり、報告書において 社会性の面で具体的に何を重要な問題と考え、どう対処しようとしているのか不明で、あらゆることに抽象的に言及していて、“企業の顔が見えない”との評価です。
こうした 報告書発行のメリットは “市場評価の獲得”(資本調達:エコファンド,金融機関の投資評価獲得,消費者イメージ向上,優良学生のリクルート)、“取引前提条件のクリア”(グリーン購入対応,欧州市場参入)、“地域住民,NGO等との良好な関係性維持” 等を通じてのブランド・イメージの向上であるということです。
従って、特に “報告書中の情報は、ステークホルダーの評価および意志決定に実質的な影響を及ぼすであろう指標を網羅して報告”するべきで、“組織(企業)の重要と考えていること”と“ステークホルダーの重要と考えていること” が 一致していないと意義が薄れ、“そのステークホルダーの妥当な期待事項および関心事項に対してどの様に対応したかという展を報告書内で説明すべきである”ということです。また 持続可能な社会の構築にどのように貢献してきたか、具体的にどのような方向を目指して、現状どの地点・進捗度に立っているのかを報告するべきであるとの指摘でした。
また 報告書作成の実務上 編集方針や取り上げる記事内容について決定するための組織的意志決定を 明確にしておくことが重要で 作成・編集活動は計画的に透明性を持って活動していかなければならないとのことです。
現状では日本企業の報告書の実際のベスト・プラクティスを見ても、過重労働については それに具体的に言及反省している事例は少ないとの指摘です。日本社会ではワーク・シェアリングが できておらず、“過重労働”で世界的に悪評高いので、もっと 勤労者のワーキング・ライフ・バランスを考慮した社会構造を 築くべきであろうとのことでした。
それ以外にも、“女性の活躍推進”、“メンタル・ヘルス”、“生物多様性” などへの言及が 乏しく 国際的にもあまり良い評価になっていないとのことでした。なかなか、厳しい 指摘との感想です。
後半の講演は 講演者が 前半の講師・山口氏のセミナーで学習し、作成・編集したという実例の紹介でした。この会社の報告書は“社会環境報告書2007~思考展開レポート~”というタイトルです。
現状では 社内コミュニケーションに重点を置いた活動から着手し始めており、経営者の理解と支援を得つつ、この情報開示の社内コミュニケーションを通じて、PDCAを回すなど 実現すべき目標は色々あり、ほぼ達成したとのこと。しかし、それでも 内部で反対がありボツに企画記事が あったとのことでした。
展示物は 私なりに興味のあるものだけを大雑把に事前チェックして 午前中 短時間で目当てのブースだけを覗くようにしました。
その後、午後は “CSR(環境)報告書作成支援セミナー”を聴講。開催場所は 長浜バイオ大学で、長浜ドームの近くで隣接しています。と言っても両者の距離は数百メートルは あります。また長浜バイオ大学の近くには JR田村駅があり、帰りはシャトル・バスに頼らず直接JR電車で大阪まで戻りました。
さて まずは、長浜ドームの展示では 富士ゼロックス、大阪ガス、松下電器、コクヨ、のブースを覗きました。これらの先進的企業の環境活動や 環境に関連する製品の開発状況を見ようと思ったのです。ところが、富士ゼロックスでは PDFまがいのソフト、省エネ製品開発などの紹介展示、大阪ガスでは燃料電池の開発状況の紹介は目に付かず、と言った状態で期待したほどではありませんでした。
わずかに注目したのは、コクヨが びわ湖のヨシの繊維を少し使った紙製品の紹介展示をしていたことでした。これは びわ湖の水質保全のためにヨシ群落保全条例を滋賀県で制定したのですが、ヨシの育成もさることながら、刈り取りを行なわなければならず、刈り取ったものをそのまま焼却していたのでは、無為に二酸化炭素ガスを発生させるだけだとして、刈り取ったヨシの有効利用に乗り出したのだ、ということでした。
残念ながら ヨシ・パルプの配合率は 強度を要求されるコピー用紙やノートには1%にしかできないとのこと。しかし、葉書・封筒には30%,名刺には100%使えるので大いに利用して欲しいとのことでした。
また 水の磁気処理器具、システムが興味を引いたので見に行きました。(マグローブ㈱,㈱ビー・シー・オーのブース)これは 水を磁気処理することで、水分子のクラスターを細分化して酸素を多く吸収し、腐敗しにくい水に改質し、浮遊物質の凝集沈殿を促進し、不純物(窒素、リン)の放出が見られるようになるというものです。器具や パンフレットの展示紹介がある程度で、私が訪れた時は 実際にどうなるのかを実験的に示してくれていないという訴求力の弱い印象で多少 ガッカリした内容でした。
うかつにも、洗浄用の水にどの程度使えるのか 質問しなかったのは残念です。
聴講参加したセミナーは 次のようなセッションで開催されました。
“CSR(環境)報告書作成支援セミナー” 主催:滋賀県 企画運営:社団法人滋賀県環境保全協会
講演1:“顔が見える報告書作成に必要なもの”
・・・・・・講師:NPO法人循環型社会研究会・代表・山口民雄
講演2:“コミュニケーションツールとしての報告書の作り方~大日本スクリーンの場合~”
・・・・・・講師:大日本スクリーン製造㈱総務カンパニー環境安全部の山本真紀
最初の講演はCSR(環境)報告書として公表されるべき文書に込められるべき内容についての解説でした。
驚いたことに、かつては環境報告書と呼ばれていたのが、最近はCSR報告書 あるいは サスティナビリティ報告書というタイトルに ほとんど変わってしまってきているということです。(環境報告書の呼称:2004年度43.3%,2007年度5.4%,CSR報告書の呼称:2004年度8.1%,2007年度49.3%) 現に 午前中にもらった富士ゼロックスの報告書は“サスティナビリティリポート2007”となっていました。
そして CSR報告書は “環境報告に組織の社会性報告を付け加えた”ような内容であり、この“社会性”を どう考えているのかが重要であるということです。(環境報告は 社会性の顕著な側面とも言える。)
ところが 特に 日本の会社では“自分の企業の短所に触れることが苦手”のようであり、報告書において 社会性の面で具体的に何を重要な問題と考え、どう対処しようとしているのか不明で、あらゆることに抽象的に言及していて、“企業の顔が見えない”との評価です。
こうした 報告書発行のメリットは “市場評価の獲得”(資本調達:エコファンド,金融機関の投資評価獲得,消費者イメージ向上,優良学生のリクルート)、“取引前提条件のクリア”(グリーン購入対応,欧州市場参入)、“地域住民,NGO等との良好な関係性維持” 等を通じてのブランド・イメージの向上であるということです。
従って、特に “報告書中の情報は、ステークホルダーの評価および意志決定に実質的な影響を及ぼすであろう指標を網羅して報告”するべきで、“組織(企業)の重要と考えていること”と“ステークホルダーの重要と考えていること” が 一致していないと意義が薄れ、“そのステークホルダーの妥当な期待事項および関心事項に対してどの様に対応したかという展を報告書内で説明すべきである”ということです。また 持続可能な社会の構築にどのように貢献してきたか、具体的にどのような方向を目指して、現状どの地点・進捗度に立っているのかを報告するべきであるとの指摘でした。
また 報告書作成の実務上 編集方針や取り上げる記事内容について決定するための組織的意志決定を 明確にしておくことが重要で 作成・編集活動は計画的に透明性を持って活動していかなければならないとのことです。
現状では日本企業の報告書の実際のベスト・プラクティスを見ても、過重労働については それに具体的に言及反省している事例は少ないとの指摘です。日本社会ではワーク・シェアリングが できておらず、“過重労働”で世界的に悪評高いので、もっと 勤労者のワーキング・ライフ・バランスを考慮した社会構造を 築くべきであろうとのことでした。
それ以外にも、“女性の活躍推進”、“メンタル・ヘルス”、“生物多様性” などへの言及が 乏しく 国際的にもあまり良い評価になっていないとのことでした。なかなか、厳しい 指摘との感想です。
後半の講演は 講演者が 前半の講師・山口氏のセミナーで学習し、作成・編集したという実例の紹介でした。この会社の報告書は“社会環境報告書2007~思考展開レポート~”というタイトルです。
現状では 社内コミュニケーションに重点を置いた活動から着手し始めており、経営者の理解と支援を得つつ、この情報開示の社内コミュニケーションを通じて、PDCAを回すなど 実現すべき目標は色々あり、ほぼ達成したとのこと。しかし、それでも 内部で反対がありボツに企画記事が あったとのことでした。
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