goo

淡路夢舞台の散策―壮大な安藤忠雄ワールドに親しむ

依然として残暑は続いている。もう ただでさえ働かない頭脳が 極度に機能低下している。そこで、今回はあまり深く考えずに済む内容としたい。先々週の盆休み後に 世間が仕事を始めた時期を狙って、淡路島日帰りドライブ旅行を行ったので その時の印象の紹介とする。実は、都会生活の息抜きとして淡路島南部を観光後、洲本で一旦休憩し、国道28号線を北上して帰途に就いた。その途中、ついでに淡路夢舞台を覗くことにしたのだったが、これが意外に圧巻で感動的だったのだ。

この淡路夢舞台のホーム・ページを見ると次のように書かれている。“1960年代。人間は、経済活動のために淡路島にある山を削ってしまいました。壊された自然を元に戻すプロジェクトが、建築家安藤忠雄さんを中心に始まり、2000年「淡路夢舞台」が完成!花やみどりいっぱいの「淡路夢舞台」には、鳥や小動物がたくさん棲んでいます。自然と海の風を感じながら、ゆったりとした時を過ごせるところ…。それが「淡路夢舞台」です。”
さて、このホーム・ページを見てもあまり良く分らなかったのだが、ここは概ね4つの要素から成っている。それは、まず “奇跡の星の植物園”、“ウェスティン・ホテル淡路と国際会議場”、その間にあるレストランや土産物店の入った建築物・施設群と“淡路島国営明石海峡公園”である。
車で、28号線の交差点を左折して、この施設群に進入すると自動的に地下駐車場に誘導されて行く。車を停めて、その駐車場から出るべく上がって行くと、直接ウェスティン・ホテルに入れるようになっているが、とにかく植物園を目指して別方向から地上に出ると、そこは安藤忠雄の世界。例のコンクリート壁に取り囲まれた空間に出る。夏休み中だが、盆休み明けのタイミングのせいか、人影はほとんどなかった。そこを夢中で、ホテルとは反対の方向へ突き進むと何とか植物園にたどり着けた。仰々しく“奇跡の星の植物園”と称しているが、ここで言う“奇跡の星”とは地球のことで生物が誕生した奇跡の星、という意味らしい。何だか持って回ってネェ~、と思いつつ中へ入って行くと 工場見学の通路のようなキャット・ウォークというより広いスカイ・ウォークから全貌を見下ろしつつスタートするようになっていた。それが実に壮大な規模なのである。そのまっすぐの通路を先へ行って、階段を下りるあたりから、何処を写真に撮っても絵になる風景で、実によく計算された植栽の配置となっている。とにかく、カメラを向けつつ眺めを楽しみつつ 突き進むばかりだ。何の説明も不要。ここでは、その雰囲気を示すべく単に写真を掲載するにとどめておきたい。



植物園なので、必ずしも冷房はない。しかし、中で蒸れないように、要所、要所の出入り口に大きな換気扇を置いて動かしていた。もちろん、低温で生息する植生の展示場所では空調はやっている。最後に小洒落た売店があって、出口となる。出口付近にも、傘付テーブルとディレクター・チェアが並べられていて、周回の疲れを癒せるように休憩できるようにしてあった。

この植物園を離れて炎天下のコンクリートの水辺に出ると、そこは再び安藤忠雄のコンクリートと水から成る世界。どうやら そこが“貝の浜”と呼ばれる所のようだ。深さ十数センチほどの水深のコンクリート池の底には帆立貝がびっしりと敷き詰められていた。向こうに見えるホテルの手前にある貝の浜の延長のコンクリート池では、間歇的な噴水が備わっている。ここから、“淡路島国営明石海峡公園”へ行ってみようと思ったが、既に午後5時近くのため、有料のコースは無理に採らないこととした。
山手の百段苑に向かうべく、コンクリート建築群を登り詰めることとした。百段苑とは、季節の花々を植えた7~8メートル四方のコンクリート製トレイを多数(百個?:写真下から2段目左)山の斜面に並べた一画のこと。そこに至るまでの建築群を“海回廊・山回廊”と称しているのだろうか。この建築群は実に壮大で、植物園やホテルを飲み込んでしまう迫力がある。



海と山を背景にした、水と植栽とコンクリートの壮大な安藤忠雄ワールドである。恐らくこのように壮大な安藤ワールドを楽しめる場所はここしかないのではないだろうか。特に、快晴の空のおかげで、青い空と海の背景は絶景であった。
ホーム・ページには“時空を超えて自然と共生する「安藤忠雄ワールド」”として次のように紹介している。“「淡路夢舞台」は、明石海峡大橋の開通する1998年に合わせて完成する予定で計画が進められていました。すでに実施計画をほとんど終え、いよいよ着工という時に、阪神・淡路大震災が起こりました。夢舞台は、震源地の近くに位置していたため、震災後、調査が行われました。敷地内にもいくつかの活断層が発見されたため、 設計変更をすることになりました。設計変更と建設に2年を要し、「淡路夢舞台」は、2000年 3月 「淡路花博 ジャパンフローラ2000」の開幕と同時にオープンしました。”

盆休み明けとは言え、未だ夏休みにもかかわらず、人影が少なく快適であったが、一方では これが兵庫県の壮大な不良債権となっていないか、非常に不安となる。初期投資ばかりではなく、維持運営費が心配となる。少し、損益状況をネットで見たが 上手く経営主体を分散させて、それぞれで何とかやっているような感じだ。
これら経営主体もあまりPRしていないので、今回のように行ってみるまで、どんなものか全く知らなかったが、その壮大さと計算され尽くした設計の妙に必見の価値はある。経営実態が明るみになって閉鎖の憂き目を見る前に、是非、薦めたい観光スポットであるのは間違いない。あまり大勢が 押し寄せるのも気に食わないことだが。潰れない程度の適度な訪問者数、これもこうした観光スポットの快適度指標の一つだと思う。


コメント ( 0 ) | Trackback ( )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2012年夏の雑感 領土・領海を... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。