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修学院離宮、曼殊院と芭蕉庵と東山北部の山麓の名所の観覧―その2.曼殊院と芭蕉庵

暑い、熱い!その一方で迷走台風が沖縄を傷みつけている。気象学者は“日本に四季がなくなり二季になる”と言っている。それにしても、温暖化がこれほど簡単に進展していまっているが、それは何故なのかの議論も大切なような気がする。

とうとう日大アメフト部員1名が警察に逮捕された。 
日大改革が進んでいないのか。日大のような巨大な組織ではなかなか簡単ではないだろう。改革に疑問の声が上がり始めた矢先である。 つまり、学長に選出された酒井健夫氏(79)は、田中英寿前理事長(所得税法違反で有罪が確定)の在任中も総長を務めており再度の就任だという。元の闇勢力の復活の可能性があるのではないのか?これで“「経営」と「教学」の連携”で改革ができるのかの疑問だ。
どうやら理事長への不祥事の実情把握が遅い疑惑も上がって来ている。取り敢えず理事長のガバナンス力が問われている。“ガバナンス力の無い経営者”は経営そのものに問題がある。

8月6日だ。“核も戦争もダメ!”という核廃絶論を支持できる人々がうらやましい。非核のウクライナの悲惨の現実を見た時、安易に核廃絶論に乗り切れないのだ!!核廃絶論を口にしつつ、核抑止論を支持していく立場は論理的にはあり得ないのだが・・・・・。隣国・中国やロシア、北朝鮮の現実を見る時、今のところホンネでは自衛隊の存在を肯定し、核抑止論を支持せざるを得ない。



さて前回、京都東山北部の山麓の名所を周遊し修学院離宮観覧したことを報告したが、今回はランチ後に拝観・観覧した、残る曼殊院と芭蕉庵を報告したい。
曼殊院(まんしゅいん)は修学院離宮の近くの飲食店から歩いて10分少々で行ける距離だった。前日の天気予報ではこの地域に降雨の可能性が高かったが、実際にはその懸念全くなく多少の雲が見られる程度で、その分暑さが強かった。ために、2年以上前に貰ったと記憶したまたまザックに入れていた予備校PRの小さなプラスチック団扇を片手に歩いた。既に少々汚くなっていたが、これが結果的に熱中症対策になったように思う。



地図と携帯マップを頼りに暑さに耐えて何とか、曼殊院の看板のある坂道に何とか到着した。
受付の人は何か別の事に専念していた。それほど来訪者がいないのか。確かに靴箱に靴がない!私、オンリー・ワン!

Wikipediaによれば、“京都市左京区にある天台宗の寺院。山号はなし。本尊は阿弥陀如来。開山は是算(ぜさん)。竹内門跡とも呼ばれる門跡寺院(皇族・貴族の子弟が代々住持となる別格寺院のこと)であり、青蓮院、三千院(梶井門跡)、妙法院、毘沙門堂門跡と並び、天台五門跡の1つに数えられる。国宝の黄不動、曼殊院本古今和歌集をはじめ、多くの文化財を有する。紅葉の名所である”とある。

また曼殊院ウェッブ・サイトには次のような説明が掲載されている。
“延暦年間(728~806)、宗祖伝教大師最澄により、鎮護国家の道場として比叡の地に創建されたのが曼殊院のはじまりである。
その後、天暦年間(947~957)是算国師のと き北野天満宮が造営されると、是算国師が菅原家の出生であったことから、初代別当職に補され、以後明治維新まで900年間曼殊院は北野別当職を歴任した。
天仁年間に北野天満宮管理のため北山に別院を建立。その後御所内公家町に移転し、明暦二年(1656)になり、桂離宮を創始された、八条宮智仁親王の第二皇子良尚法親王が入寺され、現在の地に堂宇を移し造営されたのが今日の曼殊院である。
良尚法親王は後陽成天皇の甥、後水尾天皇は従兄弟にあたる。曼殊院造営については、桂離宮を完成させたといわれる兄智忠親王のアドバイスを受けて建設され、桂離宮同様当時ヨーロッパで大流行した黄金分割が採用されている。曼殊院の瀟洒で、軽快な大書院・小書院は「桂離宮の新御殿」や「西本願寺の黒書院」と並んで数奇屋風書院の代表的な遺構とされている。
・・・・・
「わび」
質素なもの、貧相なもの、不足の中に心の充足を見出そうとする意識
「さび」
静かでさびしさの中に奥深いもの、豊かさを感じること
 醜い中にも美しさを 卑しい中にも尊さを
 貧しい中にも豊かさを まづい中にも美味しさを 苦しい中にも楽しさを
良尚法親王はここ曼殊院で、「侘びの美・さびの美」の世界に生きられた文化人でした。
また書院の釘隠しや引き手、欄間などが桂離宮と共通した意匠がみられ、同じ系列の工房で作られた物で、これらにより曼殊院は『小さな桂離宮』といわれています。
書院庭園は武家の庭とは違い、また寺院の庭とも違う、いわゆる公家好みの庭となっています。司馬遼太郎先生は「街道をゆく」のなかで、「公家文化は豊臣期・桃山期に育成され、江戸初期に開花した。桂離宮と曼殊院は桃山の美意識の成熟と終焉を示している」と書かれています。曼殊院には過去後水尾上皇や霊元天皇、近年では皇太子殿下、秋篠宮両殿下 、常陸宮両殿下、平成24年には天皇皇后両陛下に行幸啓いただいております。”

後水尾上皇が曼殊院を訪れたことがあるのは修学院離宮の建設と関連していると容易に想像できる。
だが、観覧前に“予習”をしていなかったので、“古今和歌集をはじめ、多くの文化財を有する”とは知らず、展示物をあまり熱心に鑑賞しなかったのが少々残念。写真撮影可能なお庭ばかりに関心が行った。鶴島の長い首のような松が異様に感じた。
このウェッブ・サイトでの「わび」「さび」の説明では、佐伯祐三の“無有好醜”を思い出す。また、ここでは“曼殊院は『小さな桂離宮』”とある。これで、いよいよ桂離宮を観覧しなければならぬ必要性が感じられる。



観覧を終えて、石垣の角を左に曲がればやがて勅使門の外側に至る。やはり本来はここが入口。皇室の方々はここから来訪されるのだろう。この前は若干広場になっていて駐車も容易だと思われる。

勅使門から下り道が直線状に延びている。それを下って行くと、左手・南側に武田薬品工業株式会社・京都薬用植物園が見えて来た。こちらも、見学には予約が必要で、予約可能日は限られている。



そこからさらに下って行くと、普通では分からない小さな川があって、次の目的地・今福寺芭蕉庵に行くには、そこを左に曲がって南下していく必要がある。
どんどん南下して行くと、やがて左手つまり山手の東側に詩仙堂用の駐車場が見えてくる。詩仙堂はかつて観覧したことがあるので、今回は素通りし、今福寺へまっしぐら。(このブログにも投稿したはずだが、大昔のせいか残念ながらみつからない。)

地図と携帯マップと道標を頼りに暑さに耐えて何とか、今福寺入口に到達。ここも受付に今度は人が居なかった。左上の拍子木を叩けとあったので、やってみて成功。“村山たか”の弁天堂も見て行ってくれとの案内もあった。ここも予習していないので“村山たか”とは一体何者?
ここも観覧者が居ない。だが、詩仙堂の近くということで、1人2人は来訪があった。

今福寺のことを案内するウェッブ・サイトには次のようにあり、ようやく“村山たか”のことが分かった。安政の大獄の時の佐幕派のスパイだったのだ。悲劇の人なのだ。
“俳詣の聖地
864年(貞観6)円仁(慈覚大師)の遺志を継ぎ、安恵僧都が創建。江戸中期に鉄舟和尚が再興し、現在は臨済宗南禅寺派。松尾芭蕉が鉄舟と親交を深めたという芭蕉庵は荒廃したが、のち与謝蕪村が再興。
紅葉が美しい。
背後の丘に与謝蕪村ら近世の俳人の墓や句碑がある。
また、舟橋聖一作歴史小説「花の生涯」や諸田玲子の「奸婦にあらず」のヒロイン村山たか女は文久2年、勤皇の志士によって三条河原でさらし者にされたが、3日後助けられて金福寺に入り尼として明治9年まで14年間すごし、当寺で生涯を終った。法名は清光素省禅尼と云う。
本堂では与謝蕪村と村山たか女の遺品が拝観できる。
庭園は皐月の築山と白砂の簡素な枯山水。3段の生垣ごしには素朴な趣の芭蕉庵の萱葺き屋根が見える。3月は紅梅とあせびの花、11月はさざんかと紅葉が美しい。芭蕉庵からは洛中が一望できる。”



確かに、芭蕉庵での京都市街は一望でき、西北の連山が見える。そして、修学院離宮と同じ方向での観月も可能である。そういう点では嵯峨野の落柿舎よりは、メリットがある。
嵯峨野の落柿舎との関係は不明。こちらは蕪村が再興したが、嵯峨野は去来が関与した。両方とも芭蕉の来京時に宿泊したのであろう。芭蕉自身にとってはどっちでも可、その時の気分で利用しやすい方を利用した、というものだったのではないだろうか。そういう意味では、一見簡素な作りではあるが、芭蕉は贅沢だったのではないか。

さて、暑さの中でかき氷でも食べたいが、我慢して“一乗寺下り松”の塚(宮本武蔵・吉岡一門決闘の地の碑)が近くにあるので、見に行ってからとした。八大神社の鳥居と“一乗寺下り松”の塚は曼殊院道の通り一つを隔ててある。どうやら八大神社本宮は詩仙堂の山手側にあるようだ。もう暑さの中、そこまで行く元気はない。この通りには名の通ったカフェがあるハズなので、早くそこへ行きたかった。



ところがである、そのカフェがお休み。そんな予想はできておらず仕方なく、力なくバス停・一乗寺下り松町に向かう。バスに乗って四条烏丸で大丸の喫茶店でもと思ったが、結局、適切な喫茶店は見つからず、そのまま阪急電車に乗って帰神。有終の美を飾れず残念な限りであった。帰ってネットで確認すると、たまたま臨時休業としたようだ。酷暑の中、観光客が当てにできないことを見込んでの休業であったのだろうか。
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