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問題解決の思考法をめぐって

私は ここで “問題解決のための思考法”について語るつもりはありません。問題解決へのアプローチの姿勢について、少し考えさせられたので そのことにつき 話してみようと思ったのです。

問題解決のためには いかにあるべきか。それは、どうしてもこの問題を解決したい!という意志が まず必要ということです。これは、意外に大切な意志ではないかと痛感しています。それも期限を切って 解決しなければならない、という強い意志が 必要なようです。
この解決への意志が希薄であったり、或いは 解決のため他人の知恵に頼ろうとすると、問題の本質とは関わりの無い 様々な条件を持ち込んだり、不足する情報が満たされるまで思考を停止させたいという気持ちが 出てきて、問題先送りへと傾いてしまい、期限までの解決が遠のき、次第にパニックに陥って行くのではないかと思われるのです。

“問題の本質とは関わりの無い 様々な条件”、とは 例えば 目の前の案件が片付いたとしても 同様のことが1年後には起こるに違いないから その1年後にも対処できるような 解決方法を見つけたい。などという 身に余る課題を想定し、背負い込んで悩んでしまうようなことです。
現在の問題をまず、解決してから 悩むべきことを 先々まで考えようとする不遜さに当人は気付いていないのではないでしょうか。あたかも問題解決を拒否しているかのように見えます。
1年後のことなどは とりあえず 誰にも分からない問題とするべきでしょう。1年後は世の中も変化するものでしょうし、現在 不足している情報も1年後には かなり補強できているはずと思うべきです。

それに、1年後に 知りえた情報で持って 現在しようとしている判断を不当に評価することがあれば、それは間違った態度でしょう。そのことに怯えて、現在の判断を停止させることは問題です。このような態度では いつまでたっても 情報不足下の思考停止となってしまいます。普通、情報不足で判断する場合が ほとんどです。
また逆に 妙に過去に拘泥しないこと。あの時 こうしていれば今頃は こうなっていない、などとは考えないこと。これでは、今から どう考えても 問題は解決しない。全て 現在の問題の状態から思考をスタートする。たらればのシミュレーションはまったく無意味。
解を得た後に 検証のために過去の事例と比較検討するのは意味が有るかも知れません。ですが、多くの場合 条件が変化していて そのまま適用できる事例は 非常に少ないのが通例でしょう。

とにかく 現時点での “問題の本質は何か”を十分に考察すること。つまり 何が問題で自分の思い通りにならないのか、勝利条件は何なのかを よく見極めること。また 一応得られた解では 費用対効果が 他の方法に比べてどうなのか 等 合理的に検証することが、大切ではないかと思われます。合理的な 解の場合 意外にコストも 低く 費用対効果がベストであることが多いのではないでしょうか?
多くの場合 初期条件と境界条件を 整理し、ゴールの勝利条件を 並べるだけで 多元連立多次元方程式のように思えていた問題が、1元1次方程式で 簡単に解が見つかってしまう場合が 多いのではないかと思われます。ところが、酷い場合それが解であるにも拘わらず その解に不満を抱く、そういう人も多いような気がするのです。簡単に 解が得られるとは思っていないのでしょうか。

多くの世の中にある問題解決手法は 問題の整理に関するものだと思うのです。複雑な 問題は整理手法が大切なのでしょう。そのためのロジカル・シンキングなのでしょう。しかし、重要な問題を 複雑にしない、或いは 複雑に考えない姿勢は もっと大切な気がします。

自己の思考能力に対して 不当に過大な問題設定をしたり、余計な条件を引き込んで問題を複雑化して 苦しんでみる。マゾヒストは そこで楽しんでいませんか?妄想を膨らませて 楽しむ人も多いような気がします。これは、時間とエネルギーの無駄です。
妄想を排除し、問題解決への強い意志を持ち、勝利条件を明確にし、問題を整理して本質を見極める、この姿勢が 大切なように思うのです。そうすれば、自ずと 解は これしかない、となるはずです。
そして、合理的に判断して得た解には どのような結果になろうとも不満を持たないことが 精神安定には必要なことだと思うのです。

全ての 問題がこのような姿勢で解決するとは 思えませんが、大抵の“重大問題”は こんなレベルではないでしょうか?命のやり取り 以外の問題には 大抵 通用するような気がします。
 

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