The Rest Room of ISO Management
ISO休戦
コンプライアンス
又々 他人(ヒト)から聞いたヘッポコな会社の お話です。
品質マネジメントについてはISO9001の認証を取得して6年以上。更新審査もようやく乗り越えるようになってきました。
ところが、顧客は 最近 環境マネジメントの認証取得の要求が多くなってきていました。サプライチェーンの一角にあって化学物質管理の必要性がでてきたからのようです。顧客は コンプライアンスや危機管理を含めたマネジメントもビルトインされた社内のガバナンスを求めてくる傾向にあるのです。それが環境マネジメント・システムには組み込まれていると顧客というか社会は見ているからのようです。
そこで経営者も環境マネジメント認証取得に向かってようやく重い腰を上げることになりました。まずは 環境コンプライアンスの実態調査です。見かけ上の公害関連のパフォーマンスは 行政指導が行き届いていて何とか 格好がついているようでした。ところが、特定施設の届け出が 不十分 なことが判明しました。これは その施設が設置された頃はなかった土壌汚染対策法が現在は施行されているので 非常に問題となる行為です。
或いは、出先の顧客工場内で外注業務を引き受けているところから排出される廃棄物を 顧客に遠慮したのか、多数の府県を越えて 本社に搬送したりしていました。もちろん、当の顧客は 常日頃からコンプライアンスを求めてきていたにもかかわらず、なのです。
環境担当者は 当該管理者の課長や工場長にしつこく不法状態を是正するように申し入れたのですが、言を左右に いつまでたっても是正しようとしません。何故か。
この会社の大株主にして経営者の会長は、今は経営の第一線を退いていますが、コンプライアンス嫌いで通っていました。“バレヘンかったら エエン チャウンカ!”といつも まじめな社員たちを叱責していたのです。“バレタからゆうて、それでどないなるねん!”
こういう “長年のOJT”の成果で、法違反が どのような結果を招くのかについての想像力が 社員の意識から大きく欠落してしまっているのです。“クソまじめに遵法することがアホなこと”、という意識が潜在意識化しているのです。いわば “悪意無き、天真爛漫な不法状況” です。
こんな企業カルチャーで 環境以外の分野では どんな不法状態があるのか 非常に心もとないと感じられます。
ところが この会社、グローバル・コンペティションの中、経営状況が将来的に厳しい状態になることは はっきりしていました。従って、資金調達については通常は借金でこれをカバーして、将来に備える投資が必要でしたが、最近の銀行は おいそれとは融資してくれません。しかたがないので 経営者は イヤイヤながら増資することにしたのです。そして、“めでたく”大会社となってしまいました。
今度は、大会社となったからには、内部統制を 厳格に実施しなければならなくなってきました。
すると 今度はコンプライアンスがキィ・ワードとなって来たのです。そこで とにかくコンプライアンス・カードを全社員に配付することに決まりました。カードには 不法状態を見たり知ったりした場合に連絡する先の電話番号が書かれています。その連絡先には 監査法人の電話番号が書かれています。
このように生え抜き社員の意識が変化しない中、ご他聞にもれず、この会社でもパートや派遣社員の比率が上がってきています。
こういう実態を 現経営陣は正確に認識しているのでしょうか。脇の甘い経営で、この会社はどうなるのでしょう。
その内いつか、一騒動の末に 現経営陣の退陣、経営の効率化、スリム化で大リストラとなるのでしょう。平和で良き時代は もはや過去のこととなりつつあるのです。旧いタイプの甘い汁は 現経営陣には残されていないようです。
品質マネジメントについてはISO9001の認証を取得して6年以上。更新審査もようやく乗り越えるようになってきました。
ところが、顧客は 最近 環境マネジメントの認証取得の要求が多くなってきていました。サプライチェーンの一角にあって化学物質管理の必要性がでてきたからのようです。顧客は コンプライアンスや危機管理を含めたマネジメントもビルトインされた社内のガバナンスを求めてくる傾向にあるのです。それが環境マネジメント・システムには組み込まれていると顧客というか社会は見ているからのようです。
そこで経営者も環境マネジメント認証取得に向かってようやく重い腰を上げることになりました。まずは 環境コンプライアンスの実態調査です。見かけ上の公害関連のパフォーマンスは 行政指導が行き届いていて何とか 格好がついているようでした。ところが、特定施設の届け出が 不十分 なことが判明しました。これは その施設が設置された頃はなかった土壌汚染対策法が現在は施行されているので 非常に問題となる行為です。
或いは、出先の顧客工場内で外注業務を引き受けているところから排出される廃棄物を 顧客に遠慮したのか、多数の府県を越えて 本社に搬送したりしていました。もちろん、当の顧客は 常日頃からコンプライアンスを求めてきていたにもかかわらず、なのです。
環境担当者は 当該管理者の課長や工場長にしつこく不法状態を是正するように申し入れたのですが、言を左右に いつまでたっても是正しようとしません。何故か。
この会社の大株主にして経営者の会長は、今は経営の第一線を退いていますが、コンプライアンス嫌いで通っていました。“バレヘンかったら エエン チャウンカ!”といつも まじめな社員たちを叱責していたのです。“バレタからゆうて、それでどないなるねん!”
こういう “長年のOJT”の成果で、法違反が どのような結果を招くのかについての想像力が 社員の意識から大きく欠落してしまっているのです。“クソまじめに遵法することがアホなこと”、という意識が潜在意識化しているのです。いわば “悪意無き、天真爛漫な不法状況” です。
こんな企業カルチャーで 環境以外の分野では どんな不法状態があるのか 非常に心もとないと感じられます。
ところが この会社、グローバル・コンペティションの中、経営状況が将来的に厳しい状態になることは はっきりしていました。従って、資金調達については通常は借金でこれをカバーして、将来に備える投資が必要でしたが、最近の銀行は おいそれとは融資してくれません。しかたがないので 経営者は イヤイヤながら増資することにしたのです。そして、“めでたく”大会社となってしまいました。
今度は、大会社となったからには、内部統制を 厳格に実施しなければならなくなってきました。
すると 今度はコンプライアンスがキィ・ワードとなって来たのです。そこで とにかくコンプライアンス・カードを全社員に配付することに決まりました。カードには 不法状態を見たり知ったりした場合に連絡する先の電話番号が書かれています。その連絡先には 監査法人の電話番号が書かれています。
このように生え抜き社員の意識が変化しない中、ご他聞にもれず、この会社でもパートや派遣社員の比率が上がってきています。
こういう実態を 現経営陣は正確に認識しているのでしょうか。脇の甘い経営で、この会社はどうなるのでしょう。
その内いつか、一騒動の末に 現経営陣の退陣、経営の効率化、スリム化で大リストラとなるのでしょう。平和で良き時代は もはや過去のこととなりつつあるのです。旧いタイプの甘い汁は 現経営陣には残されていないようです。
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