健康塾通信

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耳寄りなはなし

2008年03月04日 23時04分36秒 | Weblog
3月3日はひなまつり、そして耳の日。
この日は1956年(昭和29年)3月3日に日本耳鼻咽喉科学会が定めたものです。
なんと50年以上前からあったとは意外でした。

耳の日になった理由とは
・3月3日で「ミミ」という語呂合わせから
・サリバン先生がヘレンケラーの指導を始めたのが3月3日であった。
・電話の発明者グラハム・ベルの誕生日である。

というわけですが、本日はかわさきFMにゲスト出演いたしましてこの耳にまつわる話をしました。

ところで、耳の形は子宮の中で胎児がさかさまにおさまっている姿に似ています。ちょうど耳たぶあたりが頭部で、おなかなど内臓の部分が耳の中心にあたります。このように耳は「身体の縮図」ともいわれています。

そして人体の中でも、耳は特殊なエネルギーと関連すると考えられます。

また人相学では耳は聡明性を現すところでもあり、仏像のほとんどは、豊かな耳(福耳)をもっています。 

東洋医学では、耳は単に聴覚を司る器官というだけではなく、内臓や経絡と密接な関係を持つ大変重要な器官として捉えています。
経絡というのは、東洋医学独特のエネルギールートで、五臓六腑と深い関係を持ちこれらを調整する働きを持っています。

更に古い文献には、「耳は宗脈の集まる所」と記されていますが、それは
「耳は多くの経絡の集まる重要な所」という意味で、耳を刺激することは、全身に大きな影響を与え、耳に関する病のみではなく多くの病気に効果があるとされています。

ところで東洋医学では耳は「腎」と密接な関係があると考えられています。
(五臓では肝→目、心→舌、脾→唇、肺→鼻、腎→耳になります。)

東洋医学でいう「腎」とは、単なる尿を作る腎臓だけではなく、副腎や生殖機能、視床下部、内分泌系を含んだ広い意味を持っています。

そして「腎」は「先天の気」が宿るところとされ、両親から受け継いだ先天的なエネルギーや遺伝子情報が胎児の時に「腎」に蓄えられるということを意味しています。
まさに、生まれながらの生命力とも言えるでしょう。

*耳を用いた治療の歴史

中国では、古典にも「耳の好悪を見て腎臓を診察する」とあるように2千年以上前から耳を用いた様々な診断や治療が行われていました。

また西洋では紀元前400年頃、実証的医学を実践し医聖と呼ばれたヒポクラテスが、当時、耳をつかって病気を治療していたそうです。

その後7世紀以降には、ポルトガル、イタリア、スペイン、フランスといった地方で歯の痛みの治療とか腰痛等の治療が耳を使って行われていました。
その頃は特に耳の一部を焼きゴテみたいな物で焼灼するという治療がよく行われていたようです。

16世紀のボッシュという画家の描いた「悦楽の園」という絵には、耳にハリを刺している絵が描かれています。

1965年にフランスのDr.ノジェは耳と全身の部位が密接な関係にあるということから、耳介上の部位を鍼で刺激することにより、全身の病症を治療すると考え発表しました。

それでは、自分で出来る耳の刺激法をご紹介します。

①耳全体のあらゆる部位を親指と人差し指を用いてゆっくりともみほぐします。

②耳の一番上を親指と人差し指でつまみ、天井のほうにひっぱってポンと離します。同じように、耳の横、耳たぶというように、左右同時に上、横、下へと
ゆっくり引っ張っては離します。(1回ずつ)

③人差し指と中指の間で耳の前後を挟みこむようにして耳の前後の摩擦をします。(10回くらい) 

④中指で耳を折り曲げ、その上から人差し指でトントンと叩きます。(10~20回くらい)これは耳の奥にある三半規管という体の平衡感覚をつかさどる器官を強化します。

⑤最後に耳の後ろのほうから手のひらでゆっくり耳を折り曲げて耳をふさぐようにします。(3回くらい)

さあいかがでしょうか。湯船の中やくつろぎながら簡単にできる健康法です。
耳で全身の調整をしながら、生命力豊かに健康長寿をめざしましょう!

今日は元気になる「耳よりなおはなし」をお届けいたしました。