台風21号の爪痕を残したまま、新たに22号の発生で今後の進路も心配されています。
そして、今日の肌寒さから明日はまた気温の上昇ということで、まったく近頃の寒暖差には振り回されますね。
さて、今回は高齢者と循環調節についてお伝えいたします。
まず、安静時の血圧は、加齢と共に高くなる傾向があります。
WHO(世界保健機関)の基準では、最高血圧140mmHg以上あるいは
最低血圧90mmHg以上のいずれかに該当する場合を高血圧といいます。
高齢者では、最高血圧の上昇が著しいと言われていますが
それは、血管の伸展性が特に低下し、血管の弾力性も低下するので
血管抵抗が高くなるためです。
これは、血管を構成する血管壁の肥厚や、伸展性の少ないコラーゲンの増加や
内膜への脂肪の沈着が原因ということです。
血圧の変化で注意することは、
激しい運動やせき込み、大便時に一時的にいきむことなどは
血圧が急速に上昇します。
また、横になっている姿勢から急に立ち上がった時には
血液は身体の下半身に集まり、脳に行く動脈や、上腕の動脈の
拡張期血圧が、ごくわずかですが一過性に低下します。
成人では15~30秒以内に元の血圧に戻りますが、高齢者では
著しい血圧降下が起こりやすくなります。
これを起立性低血圧、立ちくらみといいます。
また、近頃では食後に起こる、食後性低血圧が注目され、高齢になるほど
その度合いが著しいと言われます。
更に、興奮しすぎは血圧が変化しますので、これは高齢者にかかわらず
注意したいものです。