情報飛び交うインフルエンザ感染対策。
近年、うがいとマスクの効果は疑問視され、手洗いが強調される傾向があります。
要は、「鼻粘膜にウイルスをくっつけないこと」。
そのためには何が有効なのか?
・・・プロである医師は何をしているのか、という記事を紹介します。
■ 医師のインフルエンザ対策
(2018/01/20:時事メディカル)
★ 海原純子(うみはら・じゅんこ)
東京慈恵会医科大学卒業。医学博士、心療内科医、産業医。日本医科大学・特任教授。ハーバード大学・客員研究員(2008-2010年)。近著に「男はなぜこんなに苦しいのか」(朝日新書)、「今日一日がちいさな一生」(あさ出版)、「こんなふうに生きればいいにゃん」(海竜社)。20年間休止していた歌手活動を1999年より再開。
病院やクリニックで働く医師はどのようにインフルエンザを防いでいるのか、気になる方は多いと思います。もちろん医師もインフルエンザにかかることがあります。いくら予防に努めてもかかるときにはかかるものです。でも最大限の予防努力はしています。今回は、私の個人的インフルエンザ予防法をお話ししましょう。
◇手洗い20秒
まずは手洗い。これは基本中の基本です。感染した人の分泌物に含まれるインフルエンザウイルスに触れたり、吸い込んだりすることを防ぐことが感染防止の第一歩です。手洗いはまめにします。
大事なのは手洗いの時間です。少なくとも20秒間、手を洗うことが大事と言われています。手を水でぬらしただけで終わりという方がいますが、これでは予防になりません。問題は「20秒間をどのように計るか」ですが、「Happy Birthday To You」の歌を2回繰り返すとちょうどいいなどと言われています。
(つぶやき)
「石けんを使うべきかどうか?」という議論があります。ある本には「石けんを使う意義は、その洗浄力を期待したものではなく、石けんを洗い流すために流水で十分流す時間を稼ぐことが主目的である」と記されていました。なるほど。
◇喉の奥までうがい
私は水に少し塩を入れて生理食塩水のような感じにしてうがいをします。うがいをする際には、「あー」とか「えー」とか声に出すと、喉の水に触れる部分が変わります。なるべく喉の奥の広い範囲を洗います。
(つぶやき)
テレビの健康番組で「ウイルスが喉の粘膜について感染が成立するまでには20分かかる。つまり20分ごとに喉を洗い流せばよい、私は20分ごとにお茶を飲んでいます」とコメントされたドクターがいました。
◇鼻の奥を洗う
ウイルスは鼻の奥辺りで増殖しますからこの部分を防御したいものです。私は耳鼻科で鼻の奥を洗えるミサトールリノローションという鼻うがいの錠剤を処方してもらい、仕事が終わるとこれを使って鼻を洗います。乾燥を防ぐこともできて、これは気に入っています。
(つぶやき)
「鼻うがい」は鼻粘膜の繊毛を痛めるので推奨しない、という意見もあります。
◇乾燥対策
この時期、職場の乾燥はひどいですよね。パソコンなどを使用する環境では機材のために湿度を上げない状態にしているところも多いと思います。
私はスマホのアプリで自分の居場所の湿度を常に測ることにしています。私は産業医もしているので、訪問した職場の湿度が低下しているときには加湿を心掛けてもらいます。外来の診察室が乾燥しているときはデスクに温かいスチームが出る小型加湿器を置きます。
加湿器を置けない環境の方は、ぬれたハンカチをデスクの横に置いて環境を整えてください。夜、ひどく乾燥しているところで寝るときには、室内にぬれたタオルや洗濯物を数枚干しておきます。タオルや洗濯物に気に入ったエッセンシャルオイルを数滴たらすと安眠効果もあります。ちなみにユーカリ・ラジアタのエッセンシャルオイルはヨーロッパでは風邪予防に使われることが多く、私はこれを使用しています。
(つぶやき)
加湿器でも、霧が見えるようなタイプは粒子が大きいので結露の原因になり、粒子が見えないタイプの方が良い、と読んだことがあります。
◇マスクは使い捨て
外出時にマスクをするのは大事なことですが、古いマスクを何日も使い続けるのはやめてください。1日に数枚使い捨てるくらいの感じで使用してください。
(つぶやき)
患者さん自身がマスクをしてウイルスを含んだ飛沫を飛ばさないようにする(咳エチケット)ことは当然ですが、健康な人がマスクをする目的は2つあると思います。
1.患者さんからの飛沫をブロック
2.自分の鼻と口を触る手癖をブロック
鼻粘膜にウイルスを到達させないためには、知らず知らずにウイルスを鼻に付けてしまう2が大切ではないかと。
◇まとめ
インフルエンザ予防の手洗いやうがいは「自分もしている」という方がほとんどでしょう。しかしそれをちゃんと効果的にしているかどうかが決め手なのです。きちんと実行しインフルエンザに付け入る隙を与えない。これが大事。相手はウイルスです。自分の免疫力を高めて予防してください。
近年、うがいとマスクの効果は疑問視され、手洗いが強調される傾向があります。
要は、「鼻粘膜にウイルスをくっつけないこと」。
そのためには何が有効なのか?
・・・プロである医師は何をしているのか、という記事を紹介します。
■ 医師のインフルエンザ対策
(2018/01/20:時事メディカル)
★ 海原純子(うみはら・じゅんこ)
東京慈恵会医科大学卒業。医学博士、心療内科医、産業医。日本医科大学・特任教授。ハーバード大学・客員研究員(2008-2010年)。近著に「男はなぜこんなに苦しいのか」(朝日新書)、「今日一日がちいさな一生」(あさ出版)、「こんなふうに生きればいいにゃん」(海竜社)。20年間休止していた歌手活動を1999年より再開。
病院やクリニックで働く医師はどのようにインフルエンザを防いでいるのか、気になる方は多いと思います。もちろん医師もインフルエンザにかかることがあります。いくら予防に努めてもかかるときにはかかるものです。でも最大限の予防努力はしています。今回は、私の個人的インフルエンザ予防法をお話ししましょう。
◇手洗い20秒
まずは手洗い。これは基本中の基本です。感染した人の分泌物に含まれるインフルエンザウイルスに触れたり、吸い込んだりすることを防ぐことが感染防止の第一歩です。手洗いはまめにします。
大事なのは手洗いの時間です。少なくとも20秒間、手を洗うことが大事と言われています。手を水でぬらしただけで終わりという方がいますが、これでは予防になりません。問題は「20秒間をどのように計るか」ですが、「Happy Birthday To You」の歌を2回繰り返すとちょうどいいなどと言われています。
(つぶやき)
「石けんを使うべきかどうか?」という議論があります。ある本には「石けんを使う意義は、その洗浄力を期待したものではなく、石けんを洗い流すために流水で十分流す時間を稼ぐことが主目的である」と記されていました。なるほど。
◇喉の奥までうがい
私は水に少し塩を入れて生理食塩水のような感じにしてうがいをします。うがいをする際には、「あー」とか「えー」とか声に出すと、喉の水に触れる部分が変わります。なるべく喉の奥の広い範囲を洗います。
(つぶやき)
テレビの健康番組で「ウイルスが喉の粘膜について感染が成立するまでには20分かかる。つまり20分ごとに喉を洗い流せばよい、私は20分ごとにお茶を飲んでいます」とコメントされたドクターがいました。
◇鼻の奥を洗う
ウイルスは鼻の奥辺りで増殖しますからこの部分を防御したいものです。私は耳鼻科で鼻の奥を洗えるミサトールリノローションという鼻うがいの錠剤を処方してもらい、仕事が終わるとこれを使って鼻を洗います。乾燥を防ぐこともできて、これは気に入っています。
(つぶやき)
「鼻うがい」は鼻粘膜の繊毛を痛めるので推奨しない、という意見もあります。
◇乾燥対策
この時期、職場の乾燥はひどいですよね。パソコンなどを使用する環境では機材のために湿度を上げない状態にしているところも多いと思います。
私はスマホのアプリで自分の居場所の湿度を常に測ることにしています。私は産業医もしているので、訪問した職場の湿度が低下しているときには加湿を心掛けてもらいます。外来の診察室が乾燥しているときはデスクに温かいスチームが出る小型加湿器を置きます。
加湿器を置けない環境の方は、ぬれたハンカチをデスクの横に置いて環境を整えてください。夜、ひどく乾燥しているところで寝るときには、室内にぬれたタオルや洗濯物を数枚干しておきます。タオルや洗濯物に気に入ったエッセンシャルオイルを数滴たらすと安眠効果もあります。ちなみにユーカリ・ラジアタのエッセンシャルオイルはヨーロッパでは風邪予防に使われることが多く、私はこれを使用しています。
(つぶやき)
加湿器でも、霧が見えるようなタイプは粒子が大きいので結露の原因になり、粒子が見えないタイプの方が良い、と読んだことがあります。
◇マスクは使い捨て
外出時にマスクをするのは大事なことですが、古いマスクを何日も使い続けるのはやめてください。1日に数枚使い捨てるくらいの感じで使用してください。
(つぶやき)
患者さん自身がマスクをしてウイルスを含んだ飛沫を飛ばさないようにする(咳エチケット)ことは当然ですが、健康な人がマスクをする目的は2つあると思います。
1.患者さんからの飛沫をブロック
2.自分の鼻と口を触る手癖をブロック
鼻粘膜にウイルスを到達させないためには、知らず知らずにウイルスを鼻に付けてしまう2が大切ではないかと。
◇まとめ
インフルエンザ予防の手洗いやうがいは「自分もしている」という方がほとんどでしょう。しかしそれをちゃんと効果的にしているかどうかが決め手なのです。きちんと実行しインフルエンザに付け入る隙を与えない。これが大事。相手はウイルスです。自分の免疫力を高めて予防してください。