徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

リンゴ病(伝染性紅斑)も流行してます。

2016年01月27日 13時38分19秒 | 小児科診療
 おたふくかぜだけではなく、リンゴ病(伝染性紅斑)も流行しています。
 当地域では昨年秋から断続的に小流行を繰り返していますが、そういえば冬になってからはあまり見かけませんね。

 リンゴ病の問題点は、妊婦さんが罹るとお腹の赤ちゃんに影響が出ること。
 大人が罹ると重くなりがちですが、軽く済むこともあり、罹った記憶がないまま出産して赤ちゃんに問題発覚、という可能性もあります。
 周囲に患者さんがいたら要注意。
 私は受診した子どもをリンゴ病と診断した際は、その患者さんの周囲に妊婦さんがいたら、感染の有無にかかわらず通院先の産科主治医に報告して相談していただくよう誘導しています。

■ リンゴ病 患者数、過去10年で最多 「大人も注意を」
毎日新聞2016年1月26日
 頬や体が赤くなることから一般に「リンゴ病」と呼ばれるウイルス性の感染症「伝染性紅斑」の昨年の患者数が、ここ10年で過去最多だったことが、国立感染症研究所のまとめで分かった。今年に入っても子どもを中心に流行は続いている。実態が分かっていない「大人のリンゴ病」も広がっている可能性があり、専門家が注意を呼び掛けている。
 リンゴ病の原因はパルボウイルスB19。せきやくしゃみの飛沫(ひまつ)を介して感染し、頬や腕、足などが赤くなるほか、頭痛や関節痛が出ることもある。10歳未満を中心に広がり、多くは自然に回復する。流行の周期は4~6年と考えられる。
 感染研によると、昨年1年間に全国約3000の小児科から報告された患者数は9万8500人で、ここ10年で最多だった2011年の8万7010人を上回った。夏場をピークにいったん下がったが、秋から初冬にかけて再び増加し、今も終息していない。
 一方、成人の患者は集計がないが、東京都の調査では30~40代女性で多い傾向がみられ、育児中に子どもから感染するケースが考えられる。妊婦が感染すると、胎児の組織などに水分がたまる「胎児水腫」や流産の恐れがある。妊娠中に胎児も含め感染した女性の約7割が、流産や死産をしていたとの厚生労働省研究班の報告もあり、警戒が必要だ。
 有効なワクチンや決め手となる治療法はなく、手洗いやうがいなど感染症の一般的な予防対策が重要になる。感染研感染症疫学センターの砂川富正室長は「大人のリンゴ病は一般に認知されておらず、医療者も認識できていない場合がある」と指摘する。

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