徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

子どもがインフル感染 仕事どうしたら…

2018年02月13日 06時40分12秒 | 小児科診療
 インフルエンザ流行は社会にダメージを与えます。
 それに対応する素地は、まだまだ未整備です。

※ 下線は私が引きました。

■ 子どもがインフル感染 仕事どうしたら…
2018年02月12日:朝日新聞
 インフルエンザが大流行しています。子どもがかかると1週間近く学校や保育園を休ませなければなりません。この間、仕事と看病をどうやりくりするか。働く親たちにとって切実な問題です。

◇ シッター断られ「綱渡り」
 「熱が38度あって、保健室で休んでいます。なるべく早く迎えに来てください」
 昨年10月、東京都の歯科医の女性(44)は勤務先で、長男(8)が通う小学校から電話を受けた。仕事を切り上げ、近くの診療所に連れて行くと、インフルエンザB型の陽性反応が出た。
 会社員の夫(40)と保育園に通う長女(1)との4人暮らし。なじみのベビーシッターに連絡したが、「他のお子さんにうつしてしまったら困る」と断られた。病児保育施設は、最も近いところでも電車で5駅離れている。発熱した子を連れて行くには遠い。
 半日休を取り、午前と午後で夫と交代で看病をしていると、夫が風邪で発熱して仕事を休んだ。何とか4日間を乗り切った女性は「仕事も休めず、病気の子を一人で留守番させるわけにもいかないし、毎日が綱渡りでした」と振り返る。
 東京都内に住む会社員女性(39)の夫(39)は1月、インフルエンザB型にかかった。家族にうつさないようにと、夫は自宅マンションの一室に閉じこもった。女性は予防接種を受けていたが、数日後にうつった。女性が治ったころ、今度は保育園に通う長男(4)が発熱し、A型の陽性反応が出た。
 病児保育のシッターに頼もうとしたが、料金が高く、長男の人見知りが激しいこともあって断念。感染を恐れて嫌がる母に来てもらい、夫と3人で月曜から金曜までをやりくりした。「5日間は長く、調整だけでぐったり」

◇ 病児保育 需要増に追いつけず
 学校保健安全法の施行規則では、インフルエンザの発症後5日、かつ解熱後2日(幼児は3日)経過するまでは出席停止と定められている。この期間をどう乗り切るか、頭を悩ませる親は少なくない。
 ただ、病気の子どもに対応できるシッターや施設は限られる。
 病児保育に対応するNPO「フローレンス」には、1月20日ごろから利用希望者が急増している。シッターが十分に派遣できなくなり、利用時間に制限を設けるなど対策を講じる旨をホームページ上に掲載した。
 同じく病児保育に対応する「ル・アンジェ」も、今年に入って利用希望者が急増。例年、この時期はシッターを増員しているが、足りないときは専門の研修を受けた社員が駆けつける。今季はすでに複数回派遣されており、「昨年よりもかなり頻度が多い」(広報担当者)と言う。
 東京都大田区の病児保育施設「OCFC病児保育室うさぎのママ」は2月に入り、14人の利用枠が連日満員。キャンセル待ちをしても入れなかった人は、9日までに40人を超えた。運営する「大川こども&内科クリニック」の大川洋二院長によると、利用者の約7割がインフルエンザの患者だという。
 厚生労働省によると、病気の子を預かる病児保育と、回復期の子を預かる病後児保育施設は全国に計約1400施設ある。ただ、全国病児保育協議会の16年度の調査では施設の約7割が赤字経営。月ごとの稼働率にばらつきがあるため、運営が安定しないことが背景にある。
 協議会は、潜在的な希望者も含めれば現在の倍の受け皿が必要と推計している。
 協議会の会長も務める大川院長は「受け皿が需要に追いついていない。子どもが病気のとき、安心して預けられるシステムは必要。病児保育は少子化対策の切り札でもある」と訴えている。

◇ テレワークや在宅勤務で対応
 子どもが病気になっても業務に支障がないように柔軟な働き方を認める企業もある。
 味の素は昨年4月から、ITを使って職場以外で仕事をするテレワークや在宅勤務の回数制限を月4回から週4回に拡大。業務時間を固定する「コアタイム」もない。
 同社人財開発グループの五十嵐千絵さん(37)は1月下旬、保育園に通う次女(2)がインフルエンザに。2日後に担当していた社内のセミナーを控えていたため、同僚の夫と交代で制度を使い、休まず乗り切ることができたという。
 「以前は子どもが体調を崩すと休まなければいけないことも多かったが、今回は娘が昼寝をしている時間や夜寝た後の時間を業務にあてられた」
 同社グローバル人事部の担当者は「柔軟な働き方によって業務ができるなら、会社にとってもメリット。インフルエンザの対応に限らず、多様な働き方をサポートすることで社員の働きがいの向上にもつながる」と話す。
 東京海上日動火災保険は昨年10月から、一部で導入していたテレワークの対象を全社員に拡大。通常は事前申請が必要だが、家族の病気など緊急の場合は当日の申請でも利用できるようにした。
 働き方改革に詳しい東レ経営研究所のダイバーシティ・ワークライフバランス推進部の宮原淳二部長は「今後も共働き世帯は増えていく。テレワークを柔軟に運用したり、一つの仕事を複数の人で担当したりするなど、誰かが休んでも仕事が滞らないようなマネジメントを進めることが一層求められる」と指摘する。

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