先日、新型コロナワクチンを接種してきました。
これで5回目です(すべてファイザー社製)。
今回は「医療関係者枠」としての接種です。
翌日朝、接種した腕の重痛さと悪寒で目が覚めました。
「やばい、熱が上がるのかな?」
と心配しましたが、36℃台後半にとどまり、
悪寒も午前中のうちに消えて、そのまま普通に診療できました。
さて、現時点での新型コロナワクチン、
以前より接種するモチベーションが下がりまくっています。
どう考えるべきでしょうか?
ひとつの答えは、
「接種しないと重症化リスクが高い人は接種すべし」
もっと極端に言うと、
「接種しないと死んでしまう高齢者は接種すべし」
というもの。
小児はどうでしょうか。
「子どもは罹っても軽症で済む」
ことはもはや常識になっています。
しかし、季節性インフルエンザよりは死亡者が多いという報告もあります。
「季節性インフルエンザに罹りたくなくて予防接種をする」
という考えの人は、それより危険な、
「新型コロナワクチンを接種する」
選択はありでしょう。
さて、新型コロナは変異し続けています。
前項で扱ったように、
日本ではオミクロン株系統のXBB株が多いのですが、
アメリカ、イギリス、中国では、
XBB株の変異株であるEG.5株が主流になりつつあります。
新たな変異株が出現するたびに、
「現行ワクチン、新しい変異株に効くの?」
という素朴な疑問が生まれます。
今のところ、発症阻止率は当初よりだいぶ低くなりましたが、
重症化予防率はそれなりに維持されているようです。
私の最近のワクチン効果のイメージは、
・発症阻止率:接種後は7割に一過性に上昇するが、数か月後には5割以下になる。
・重症化予防率:7割に上昇し、接種後半年くらい持続する
です。
さて、変異株が出現すると、それに対応するワクチンが迅速に作ることができるのがmRNAワクチンの特徴です。
現在、ファイザーとモデルナ社がXBB株対応ワクチンを作り、
アメリカで認可されました。
秋には日本にも入ってきます。
そんな事情を扱った、開業医のメルマガから情報を抜粋させていただきます。
▢ 谷口恭の「その質問にホンネで答えます」2023.8.7【Vol.116】
新型コロナウイルス(以下、単に「コロナ」)のワクチンがまたややこしくなってきています。
結論から言えば、
・ 第一三共が開発したmRNA型ワクチン「ダイチロナ」は厚労省が販売を承認した。
・ 塩野義製薬が開発した「遺伝子組み換えたんぱくワクチン」は継続審議となった(販売が認められなかった)
となります。
コロナワクチンについては本メルマガでも繰り返し取り上げていますが、ここでもう一度現時点で分かっていることを復習しておきましょう。比較的新しく、それなりの規模のものでエビデンスレベルが高い研究は過去にも紹介した米国退役軍人を対象とした医学誌「British Medical Journal」に掲載された論文です。
ポイントを振り返っておくと次のようになります。
・デルタ株の頃に比べオミクロン株に対しては効果は堕ちているが、mRNA型ワクチンは依然有効。
・モデルナ社製の方がファイザー社製のものよりも入院率を下げるという意味で効果が高い。
・(mRNA型ワクチンでなく)ウイルスベクターワクチンは効果が低い。
mRNA型ワクチンは歴史が浅く、副作用については充分に検討されているとは言えず、そういう意味では「リスクが高い」のですが、コロナに関して言えば有効性が他の種類のワクチンより高いのも事実です。ただし、これは全体でみたときの話であり、個人レベルの話になれば個別に検討せねばなりません。
mRNA型ワクチンの長所として「すぐに新しいタイプの製造ができる」という点が挙げられます。従来のワクチンがオミクロンには効果が乏しいことが分かればすぐにオミクロン対応型ワクチン(BA.1対応型及びBA.4-5対応型)が開発されました。
・・・
そして、BA.1またはBA.4-5型では現在流行しているXBB型には効果が乏しいことが分かったわけですが、するとすぐにファイザー社もモデルナ社もXBB対応型の1価ワクチンを開発しました。すでに日本政府は両社から購入することを決定しています。
新しいウイルスの型が流行し、それに対応できるワクチンが開発され、そして日本政府は迅速に購入を決めたわけです。
結論から言えば、
・ 第一三共が開発したmRNA型ワクチン「ダイチロナ」は厚労省が販売を承認した。
・ 塩野義製薬が開発した「遺伝子組み換えたんぱくワクチン」は継続審議となった(販売が認められなかった)
となります。
コロナワクチンについては本メルマガでも繰り返し取り上げていますが、ここでもう一度現時点で分かっていることを復習しておきましょう。比較的新しく、それなりの規模のものでエビデンスレベルが高い研究は過去にも紹介した米国退役軍人を対象とした医学誌「British Medical Journal」に掲載された論文です。
ポイントを振り返っておくと次のようになります。
・デルタ株の頃に比べオミクロン株に対しては効果は堕ちているが、mRNA型ワクチンは依然有効。
・モデルナ社製の方がファイザー社製のものよりも入院率を下げるという意味で効果が高い。
・(mRNA型ワクチンでなく)ウイルスベクターワクチンは効果が低い。
mRNA型ワクチンは歴史が浅く、副作用については充分に検討されているとは言えず、そういう意味では「リスクが高い」のですが、コロナに関して言えば有効性が他の種類のワクチンより高いのも事実です。ただし、これは全体でみたときの話であり、個人レベルの話になれば個別に検討せねばなりません。
mRNA型ワクチンの長所として「すぐに新しいタイプの製造ができる」という点が挙げられます。従来のワクチンがオミクロンには効果が乏しいことが分かればすぐにオミクロン対応型ワクチン(BA.1対応型及びBA.4-5対応型)が開発されました。
・・・
そして、BA.1またはBA.4-5型では現在流行しているXBB型には効果が乏しいことが分かったわけですが、するとすぐにファイザー社もモデルナ社もXBB対応型の1価ワクチンを開発しました。すでに日本政府は両社から購入することを決定しています。
新しいウイルスの型が流行し、それに対応できるワクチンが開発され、そして日本政府は迅速に購入を決めたわけです。
・・・
さて、ここで話を第一三共のダイチロナの話にうつしましょう。このワクチン、僕はてっきり現在流行しているXBB型にも対応しているのかと思いきや、まったくそういうわけではなく、なんと武漢株(起源株)用のワクチンだといいます。
はっきり言ってこんなワクチン、使い物になりません。いったい誰が好き好んで3年前に流行した型のワクチンをうちたがるのでしょう。
さて、ここで話を第一三共のダイチロナの話にうつしましょう。このワクチン、僕はてっきり現在流行しているXBB型にも対応しているのかと思いきや、まったくそういうわけではなく、なんと武漢株(起源株)用のワクチンだといいます。
はっきり言ってこんなワクチン、使い物になりません。いったい誰が好き好んで3年前に流行した型のワクチンをうちたがるのでしょう。
・・・
谷口医院ではコロナ重症化リスクのある人に対してはこの秋のワクチンの話をしますが、接種するならモデルナかファイザーのXBB対応型のタイプを推薦します。”愛国派”の人たちには申し訳ないですが、第一三共のワクチンは現時点では意味がありません。
では塩野義製薬のワクチンはどうでしょうか。残念ながらこちらは継続審議(現時点では販売が許可されない)となりましたが、安全性を証明できれば将来性はあると思います。現在mRNA型ワクチンについては「安全だ」とは言い切れないと僕は思っています。接種する際には「ベネフィットがリスクを上回っている」ときだけにすべきです。
つまり「mRNA型ワクチンの安全性はよく分からないけれど、それでも接種しなければ重症化して死んでしまうかもしれない」という人(あるいはその家族)が検討すべきワクチンです。
他方、塩野義の「遺伝子組み換えたんぱくワクチン」についてはまだよく分かっておらず(米国ノババックス社製と同じタイプ)、もしかすると将来「mRNA型ワクチンよりも安全」で、なおかつ効果もそれなりにあることが証明されるかもしれません。そういう意味で期待はしたいですが、安全性・有効性がはっきりするのは当分先になるでしょう。
谷口医院ではコロナ重症化リスクのある人に対してはこの秋のワクチンの話をしますが、接種するならモデルナかファイザーのXBB対応型のタイプを推薦します。”愛国派”の人たちには申し訳ないですが、第一三共のワクチンは現時点では意味がありません。
では塩野義製薬のワクチンはどうでしょうか。残念ながらこちらは継続審議(現時点では販売が許可されない)となりましたが、安全性を証明できれば将来性はあると思います。現在mRNA型ワクチンについては「安全だ」とは言い切れないと僕は思っています。接種する際には「ベネフィットがリスクを上回っている」ときだけにすべきです。
つまり「mRNA型ワクチンの安全性はよく分からないけれど、それでも接種しなければ重症化して死んでしまうかもしれない」という人(あるいはその家族)が検討すべきワクチンです。
他方、塩野義の「遺伝子組み換えたんぱくワクチン」についてはまだよく分かっておらず(米国ノババックス社製と同じタイプ)、もしかすると将来「mRNA型ワクチンよりも安全」で、なおかつ効果もそれなりにあることが証明されるかもしれません。そういう意味で期待はしたいですが、安全性・有効性がはっきりするのは当分先になるでしょう。