小児アレルギー科医の視線

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予防接種情報2024〜小児肺炎球菌ワクチンの混乱(PCV13 → 15 → 20への変遷)

2024年11月08日 13時40分23秒 | 予防接種
肺炎球菌ワクチンが定期接種になってから、
小児の重症髄膜炎が激減したことを小児科医は実感しています。

しかし肺炎球菌にはサブタイプ(血清型)がたくさんあり、
それらからセレクトしたワクチンを作っても、
それ以外の血清型が流行してイタチごっこ状態に陥りがち。

2024年4月より前は、プレベナー13®(PCV13)というワクチンが使用されていました。
13とは、含まれる血清型の数を表します。
ちなみに13の内容は… 1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、25V

そして2024年に定期接種に採用された肺炎球菌ワクチンは二つあり、

1.バクニュバンス®(沈降15価肺炎球菌結合型ワクチン、MSD) → 「PCV15」と略
 …PCV13の血清型に22F、33Fが加わった。
 …皮下注あるいは筋注
 …2022年9月薬事承認(高齢者)
 …2023年6月小児に適応拡大(生後2ヶ月以上18歳未満)
 …2024年4月定期接種化
※ PCV13とPCV15との交互接種は可
 …安全性に関して、PCV13と差はない。

2.プレベナー20®水性懸濁注( → PCV20
 …PCV15の血清型に8、10A、11A、12F、15Bが加わった。
 …2024年10月1日から定期接種化(生後2ヶ月以上6歳未満)
 …それに伴いPCV13は販売中止
※ PCV20はPCV15との交互接種を原則行わない。

んん?…PCV13とPCV15は交互接種可、しかしPCV15とPCV20は交互接種不可!
つまり、PCV15ではじめた方は、最後までPCV15で通す必要があり、
途中でPCV20に変更はできないということです。

だれですか、こんなわかりにくいルールを作ったのは?

以上のように現在、15と20が並列販売されて混乱していますが、
今後はどうなっていくのでしょう?
 → どうやらPCV20が残ってPCV15は消えていくようです(短命でした…)。




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