肺炎球菌ワクチンが定期接種になってから、
小児の重症髄膜炎が激減したことを小児科医は実感しています。
しかし肺炎球菌にはサブタイプ(血清型)がたくさんあり、
それらからセレクトしたワクチンを作っても、
それ以外の血清型が流行してイタチごっこ状態に陥りがち。
2024年4月より前は、プレベナー13®(PCV13)というワクチンが使用されていました。
13とは、含まれる血清型の数を表します。
ちなみに13の内容は… 1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、25V
そして2024年に定期接種に採用された肺炎球菌ワクチンは二つあり、
1.バクニュバンス®(沈降15価肺炎球菌結合型ワクチン、MSD) → 「PCV15」と略
…PCV13の血清型に22F、33Fが加わった。
…皮下注あるいは筋注
…2022年9月薬事承認(高齢者)
…2023年6月小児に適応拡大(生後2ヶ月以上18歳未満)
…2024年4月定期接種化
※ PCV13とPCV15との交互接種は可
…安全性に関して、PCV13と差はない。
2.プレベナー20®水性懸濁注( → PCV20)
…PCV15の血清型に8、10A、11A、12F、15Bが加わった。
…2024年10月1日から定期接種化(生後2ヶ月以上6歳未満)
…それに伴いPCV13は販売中止
※ PCV20はPCV15との交互接種を原則行わない。
んん?…PCV13とPCV15は交互接種可、しかしPCV15とPCV20は交互接種不可!
つまり、PCV15ではじめた方は、最後までPCV15で通す必要があり、
途中でPCV20に変更はできないということです。
だれですか、こんなわかりにくいルールを作ったのは?
以上のように現在、15と20が並列販売されて混乱していますが、
今後はどうなっていくのでしょう?
→ どうやらPCV20が残ってPCV15は消えていくようです(短命でした…)。