小児アレルギー科医の視線

医療・医学関連本の感想やネット情報を書き留めました(本棚2)。

ワクチン情報2024〜五種混合ワクチン登場

2024年11月08日 08時03分45秒 | 予防接種
2024年4月に五種混合ワクチンが定期接種になりました。
これにより、ワクチンデビューする赤ちゃんの同時接種数が一つ減りました。

五種とは“五つのワクチンが入っている“という意味です。
何が入っているかを確認しましょう;
1.ジフテリア
2.百日咳
3.破傷風
4.ポリオ
6.ヒブ(インフルエンザ菌)

使用できる五種混合ワクチンは二種類あります。
1.ゴービック®:2023年3月薬事承認(阪大微研)
2.クイントバック®:2023年9月薬事承認(KMバイオロジクス)

使用上の違いは、
・ゴービック®は準備操作が必要なく接種可能(プレフィルド)、
・クイントバックは液体とワクチン成分を混合するひと手間が必要です。

両方のワクチンはともに、重篤な副反応は認められず、認可に至りました。

接種対象者;
・定期接種対象者:生後2ヶ月〜7.5歳まで
・接種間隔:
  初回接種:生後2ヶ月〜7ヶ月未満で開始、4〜8週間隔で3回
  追加接種:6〜13ヶ月未満の間隔で1回
 ※ 接種開始月齢によって、接種回数は変わらない
・接種方法:皮下注 あるいは 筋注
・長期療養特例:上限年齢は15歳未満

…あらたに「筋注」が加わったのが特徴です。
ワクチンが2種類存在すると、合計4回接種の中で二つが混ざっても(交互接種)いいの?
という素朴な疑問が発生します。その答えは…

・原則として同一ワクチンを使用

とのことです。
ただ、以前のワクチン(日本脳炎など)は当初交互接種はダメだったけれど、
知見が澄んで問題ないことが判明後は許可された歴史もありますので、
この点は今後変わるかもしれません。

なお、ヒブ+四種混合(DPT/IPV)で開始したら基本的に五種へ変更できません。
しかし転居による自治体変更など、どうしてもの場合は可能、
との注意書きが添えられています。

細かいことですが、
開始が生後7ヶ月を過ぎたらどうなるのか?
という問題もあります。

五種混合登場以前の規定では、
・四種混合は開始時期にかかわらず4回接種。
・ヒブワクチンは開始年齢にリンクして接種回数が異なる。
でした。

では五種混合は? …答えは、
 → 五種混合ワクチンでは生後7ヶ月を過ぎても接種回数を減らす必要はありません。
と、四種混合のルールに従うことになります。

ややこしや〜。


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