かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

夏目漱石はやっぱり偉大です!

2005-06-03 22:39:21 | Weblog
先月辺りから昔読んでいた本をぼつぼつと読み返しています。梶井基次郎とか新井素子とか澁澤龍彦なんですが、今、お気に入りは夏目漱石。旧仮名遣いな全集本なんですが、その冒頭に掲載されている「吾輩は猫である」を読みふけっているところです。何を今更、といわれそうな本ですが、これがなんとも実に面白い。旧仮名遣いやちょっと読むのに躊躇する旧字体の漢字が気にならないほど、内容や語り口に古さを感じないのです。信じられないことに、これ、今年100周年になるんですよ。国内外の情勢も世相も情報も現代とは似ても似つかぬ過ぎ去りし過去のお話だというのに、主人公「猫」とその飼い主、それに彼らを取り巻く人々が繰り広げる、軽妙洒脱なやりとり。その、正直どうでもいいお馬鹿な話が延々と続くというのに、それでいて退屈も疲労も感じない。引き込まれるとはこういうことだったんだ、と改めて認識した次第。お札からは残念ながら姿が消えつつありますが、100年立っても色あせないその文章は、日本人が日本語を読む限り、永遠に読まれ続けるんじゃないかと思います。もし読まれていない方がいらっしゃるなら、是非一度は目を通して欲しいと思います。
 そう言えば、最近気が付いたことがあります。実はこのところ、「このライトのベルがすごい!」という本でランキング1位になっていた「涼宮ハルヒ」シリーズにはまっていたりするのですが、これにしても新井もと子にしてもマリみてにしても梶井基次郎の「檸檬」にしても、みんな基本的に一人称なのです。そして、「我が輩は猫である」も、主人公「猫」の独白で綴られる一人称。同人では一回も書いたことのない一人称なんですが、読む分にはかなり一人称に入れ込んでいるんですよ。これに気づいて以来、思い切って「3人称しか書かない」という枷を自ら解いてみようかな、と夢想しつつ今日も原稿をせっせと綴っている次第(と言いつつこの日記に逃避したりしてるんですけど(苦笑))。本当に書こうかどうしようか、いやそもそも書けるのか、この週末にちょっと挑戦して、この夏に間に合うかどうか見極めようと思っています。
コメント
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