かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

読んで楽しい本が有るなんて、何て喜ばしいのだろう

2005-06-17 23:25:06 | Weblog
夏目漱石「吾輩は猫である」読了。
随分かかった気がしますが、半身浴30分で読むだけでしたので、まあこんなものでしょう。
今回、久しぶりに読み返したのですが、これが見事にはまりました。面白い! 楽しい!
漱石の素晴らしさは重々理解していたつもりでしたが、正直、目からウロコが落ちました。
100年前の文章がかくも素晴らしいとは誠に驚くばかり。もちろんそこに描かれた社会情景や風俗などは現代とは随分異なりますし、文字は旧仮名遣いと旧体漢字ですし、登場人物のセリフも今の言葉とは大きくかけ離れていてまさしく時代がかっています。でも、主人公「猫」と珍野苦沙弥先生のもとに訪なう個性豊かな人物群像は実に生き生きとして、ちっとも古さを感じないのです。昔々読んだときにはどちらかというと古典文学を読むんだ、と構えていた気がするのですが、今回はそんな余計な力が入ることもなく、ごく自然に、心から楽しめました。それは、恐らく私のユーモアとかギャグに対する感性が、変化してきているせいもあるのでしょう。年を経ることで昔好きだったものがもっと好きになれるのなら、私は喜んで早く年寄りになりたい、と思いました。
 先日発掘した倉橋由美子の「ポポイ」も、今少しづつ読み返しています。この人のもやっぱり極上の文章です。
感想は読み終わってからにしたいと思いますが、今、私は確実に幸せであると申し上げておきましょう。
コメント
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