文部科学省が、どんどん複雑怪奇化する科学を国民に分かりやすく説明する「通訳」を育てるための口座を、東大、北大、早大の各大学院に設置するそうです。東大では「科学技術インタープリター養成プログラム」、北大が「科学技術コミュニケーター養成ユニット」、早大が「科学技術ジャーナリスト養成プログラム」とそれぞれ名前が違いますが、生来学芸員や理科教師、科学ライターやジャーナリスト、研究開発部門の広報担当などを育てるという趣旨は同じようです。それは大変素晴らしいことだと思うんですが、なんで皆カタカナ英語なんでしょう? インタープリターなんて言われて即理解できる人は国民のうちに何人いるんでしょうか? 少なくとも、私は不勉強なためか判りませんでした。分かりやすく解説する人を育てる講座がこんな木に竹を接いだような判りにくい名前をしていることに、誰も疑問を感じないのでしょうか? 科学技術通訳講座とか、科学伝道師養成講座とか、科学技術解説者育成講座とか、ちゃんといくらでも日本語で書けるのに。
でも、ようやくその必要性に遅まきながらも気が付いたという点は、ちゃんと評価してあげなくてはいけないでしょう。本来なら研究者がやったら一番いいんですが、自分のしていることを分かりやすく噛み砕いて説明できる先生はそれほど多くいないことは、講談社のブルーバックスを何冊か抜き出して読んでみると良く判ります。馬鹿丁寧な言葉遣いをしたり、会話調にすれば分かりやすくなると勘違いしている人もいるなかに、ごく少数、読み物として充分に堪える面白い本がぽつりぽつりとある感じですから。そもそも、我が国の学術分野では、それこそ伝統芸能の名人のごとく研究に没頭するのが美徳とされ、他人に分かりやすく説明する技というのは軽視されてきました。研究論文はちゃんと評価される一方、子供向けの解説本を書いたりしても、ただの暇な物好きに思われるだけで、一向に評価されません。文部科学省も、研究資金の審査の時は学術論文や特許は査定しますが、その種の本には何の価値も認めてくれません。アメリカではそういう啓蒙書の類も業績としてちゃんと評価されるそうですから、その姿勢たるやまさに比べるのも馬鹿馬鹿しいほどです。そう言った正しい科学振興のあり方には目もくれず、アメリカ流の表面だけ取り入れて競争をさせようとするのですから、役人の考えることと言うのは木を見て森を見ない半可通その物だと言えます。その姿勢がわずかなりとも是正されるのなら頼もしい限りです。是非しっかり育てて、我が国にはびこる科学音痴を、少しでも払ってくれるよう期待します。
でも、ようやくその必要性に遅まきながらも気が付いたという点は、ちゃんと評価してあげなくてはいけないでしょう。本来なら研究者がやったら一番いいんですが、自分のしていることを分かりやすく噛み砕いて説明できる先生はそれほど多くいないことは、講談社のブルーバックスを何冊か抜き出して読んでみると良く判ります。馬鹿丁寧な言葉遣いをしたり、会話調にすれば分かりやすくなると勘違いしている人もいるなかに、ごく少数、読み物として充分に堪える面白い本がぽつりぽつりとある感じですから。そもそも、我が国の学術分野では、それこそ伝統芸能の名人のごとく研究に没頭するのが美徳とされ、他人に分かりやすく説明する技というのは軽視されてきました。研究論文はちゃんと評価される一方、子供向けの解説本を書いたりしても、ただの暇な物好きに思われるだけで、一向に評価されません。文部科学省も、研究資金の審査の時は学術論文や特許は査定しますが、その種の本には何の価値も認めてくれません。アメリカではそういう啓蒙書の類も業績としてちゃんと評価されるそうですから、その姿勢たるやまさに比べるのも馬鹿馬鹿しいほどです。そう言った正しい科学振興のあり方には目もくれず、アメリカ流の表面だけ取り入れて競争をさせようとするのですから、役人の考えることと言うのは木を見て森を見ない半可通その物だと言えます。その姿勢がわずかなりとも是正されるのなら頼もしい限りです。是非しっかり育てて、我が国にはびこる科学音痴を、少しでも払ってくれるよう期待します。