かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

実写版鉄人28号感想。

2006-09-09 23:43:03 | アニメ特撮
 今日は衛星放送で「鉄人28号」がやっていたので、見てみました。原作は知らぬ者とてない日本を代表するロボットもので、私よりも上の世代の人達は白黒テレビで放映されたアニメや実写などもご覧になっていた事でしょう。今回見たのは昨年映画化された実写版で、そういえばそんな映画が有ったかも知れないな、という程度の記憶しか残っていなかった、当時はさして注目してなかった映画でした。CMってやってましたっけ? 何となく、新聞では見たような気がしないでもないのですが・・・。
 で、今回通しで見た印象としては、「可もなく不可もなく」くらいでしょうか。ロボットの大きさが怪獣ものなどと違って比較的小さく、町中を練り歩いたりする光景は結構新鮮でしたし、ロボットによる街の破壊シーンなどもそれ相応に見えましたので、まあ合格点かな、と思われます。ただ、ロボットの動きがぎくしゃくしていてかえって不自然に思えました。制作側に、あの形のロボットだとこういう動きしかできない、とか、リモコンで動かせる動きはあの程度、などという思いこみでもあったんでしょうか? 鉄人と敵方ロボットの殴り合いなど、子供のおもちゃがじゃれ合っているような感じにしか見えなかったです。どうせCGなのですから、もっと非現実的にぐりぐり動いていてもよかったと思うのですが、中途半端というか、大変もったいない感じが致しました。あと、鋼の固まり同士が殴り合いして傷も付かない、へこみもしない、つやつやぴかぴかのままというのはちょっと頂けません。肉弾戦ならそれにふさわしい傷つきようもあったはずで、その辺をもう少し気を遣っていたら、戦闘シーンも今少し迫力が出たんじゃないかと思います。
 物語の方は、残念ながら何を言いたいのか今ひとつ理解に苦しむ内容でした。妙なメッセージ性を入れようなどと色気出さずに、しっかりエンターテイメントとして作り込む、ということが、日本の映画は苦手なのでしょうか? 主人公金田正太郎を演じる子役は、悩める小学生として結構上手に演技していたようですが、少年の成長物語としてみるには感情移入しにくいですし、そのほかのキャラに至っては、いまいち役割がよく判りません。警察が全く歯が立たない怪ロボットが出現しているのに自衛隊出ないですし、警察もどうも存在感希薄ですし。

 まあそんなこんなで疑問いっぱいなお話でしたが、そんなもんだと割り切ってみればそこそこ楽しめない事もないでしょう。
 ただひとこと、世に博士とか何とか言うような人種は、決してあんな運転手付き黒塗りリムジンに乗っていたり、どこかの孤島に大規模な研究施設を持っていたりする事はありません。大抵みんな生活レベルは一般庶民とそう変わらず、デビュー前の若手芸人さん並な生活レベルのヒトだってそう珍しくない世界です。つまり、麗夢の「電脳空域の迷路」に出ていた屋代修一博士の生活ぶりこそが、リアルな博士達の生活実相といえると思います。映画を作る方々は、妙な夢を見てないでもっと現実に根ざした人間像を描いて頂きたいものですね。

コメント (1)
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