かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

マリア様がみてる 私の巣 ようやく読みました。

2010-02-06 23:22:12 | マリア様がみてる
 大分遅れましたが、「マリア様がみてる」最新刊、私の巣(マイ ネスト)の感想をしたためておきましょう。今までマリみては大体発売日に購入していたのですが、この本は10日以上遅れた上、そのまま読まずにずっと放置していて、一時はどこに置いたか忘れてしまうというような状態になっておりました。それというのも、基本的にマリみては前巻の祥子卒業で祥祐時代が終結し、とりあえず幕を閉じた、という認識だったことと、本巻がこれまでのレギュラー陣とは違う人たちのお話でまるまる1巻出来ていたこともあって、正直、あまり食指が伸びなかったのです。これまでも、時々あった短編集の巻ではやはり同じようにちょっとした不満を抱いていたのですが、各短編をつなぐための幕間劇で、一応レギュラーのお話が挟まれていたこともあったのか、まだ読む気をそそられていました。いわば、マリみてにしてマリみてにあらず、という感じがどうしても拭えず、ページを開くのが中々だったのです。
 ところが、なんとか本を再発見して読み始めてみると、最初想像していたよりもお話が結構面白く、寸刻の緩みも無く瞬く間に読みきっておりました。一応一つ一つ別のエピソードが割り振られた短編集のような体裁なのですが、登場人物は統一されており、主人公の1年生朝倉百と2年生筒井環が大叔母と姪になるちょっと複雑な家庭事情を、夏から翌年夏の1年を通じて語り継ぐ、という話になっており、舞台も学校よりもその二人がそれぞれの家族もろとも住んでいる古い大きなお屋敷が中心に据えられていて、二人を取り巻く家族たちの姿も結構楽しめる人たちでした。これまでの短編集では、各編の出来にどうも振れがあり、一時的に読む気が削がれるいわゆる淀みができることがあったのですが、この本はそんなことはなかった点も、すんなり読めた理由なのでしょう。
 読む前には「マリみてにしてマリみてにあらず」という点が気になって食わず嫌いになっていたのが、読んだ後は、その似て非なるところが逆に気に入ってしまった、というのですから、私も大概現金なものです。

 それにしても、マリみてはこの後も続くのでしょうか? 続くとして、今回のようなオリジナルサイドストーリーが主になるのか、はたまたこれまで通り薔薇の館を舞台としたお話になるのか、少し気になります。まあ今回のような話ならサイドストーリーも悪くない感じなので、今後とも何らかの形でマリみてが続いてくれたらいいな、と思います。

コメント
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