かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

人工的なデバイスを脳と脊髄の間に仕込んで機能強化を図る。なんて素敵な研究なんでしょう!

2013-11-14 21:50:51 | Weblog
 大学共同利用機関法人自然科学研究機構生理学研究所で、脳と脊髄の神経のつながりを、電気的なデバイスを用いて人工的に強化することに成功した、というニュースを読みました。ニュース自体はネットで適当に拾ったものでしたが、どうも内容が断片的で要領を得なかったので、研究所の公式サイトに赴き、そこのプレスリリースを読んでみました。今回の研究成果は、サルの大脳皮質の神経細胞と脊髄との間に、神経接続装置という名前のデバイスを設置、大脳皮質の神経活動を記録し、それを電気刺激に変換して0.015秒の遅延時間をおいて、脊髄を電気刺激すると、翌日には大脳皮質と脊髄間のシナプス結合の強さが、接続前と比較するとより強くなっていた、ということなのだそうです。この、大脳の神経活動を察知して脊髄を刺激するまでの遅延時間の長さが重要で、0.012-0.025秒だと強化、0.050秒以上では変化なし、逆に更に速くするとシナプス結合の強さが弱まる、という結果だったのだそうです。この研究結果は、脊髄損傷や脳梗塞で身体が麻痺した場合に、その機能の回復に役立つ可能性があるそうで、更に、学習能力や記憶の強化にも応用可能かもしれない、との事です。

 うーむ、ちょっとした機械を頭と脊髄の間に仕込むだけで脳が活性化する、というのは、個人的に中々魅力のある話です。脳の研究とか、肉体と機械との融合とか、少し前まではSFでしか無かった話が今や現実のものになろうとしているのを観るのは実に刺激的な物がありますが、残念ながらこの手の実験はヒトではまず行われないでしょうし、あったとしても脊髄損傷などの重症患者への適用で、健常者に対して行われることは我が国ではちょっとありえないでしょう。私など肉体にデバイスを仕込むなんて実に憧れてしまうのですが、世の中そんな感性の人間ばかりではありませんから、しょうがないことではあります。
 ところで、大学共同利用機関法人って、ニュアンスからなんとなく想像される以外なんのことかさっぱりだったのですが、国立の法人機関にそんなものがあったんですね。それも理系文系取り混ぜて結構な数が国内にはあるようです。分野が合えば色々頼りになりそうなところですが、ざっと観る限りはちょっと私の専門とは外れているみたいです。こういう先端科学の分野は、遠くから眺めてワクワクしているのが一番いいのかもしれませんね。

コメント
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