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鈴鹿市議会議員 中西だいすけの活動日誌

鈴鹿市議会議員として年齢も含め5期目のベテランになりました。日々の活動や感じたこと、議会での動きなどをつづります。

大飯再稼働について考える

2012年04月16日 12時54分52秒 | Weblog
大飯原発再稼働に向けて政府が動き出しました。
正直なところ、政府の動きには大きな疑問を持ちます。福島での出来事はなにも解決しておらず、進行中の事故であるにもかかわらず、自分たちで決めた基準に従って、施設は安全と考えるから再稼働に動くというのは、あり得ない話だからです。

このような動きになるのは、福島での事故について、報道の上で福島第一原子力発電所だけでの事故のように印象を受けることも影響していることがあるのではないかと思います。先の事故の影響は、放射性物質が大気中にも海水中にも大量に放出されたという現実だけでなく、風評被害やいわれのない差別的対応があるなど、非常に大きく、金銭的保証だけで考えることができないと考えるべきだと思います。

政府は‘除染’という言葉で、あたかも流せば大丈夫のような印象を与えているのではないかと思いますが、実際は放射性物質が河川などに流入したり、別のところで濃縮されていると考えるべきではないでしょうか。それらは半永久的にその土地に残ったり、生物に取り込まれながら循環したりしていく。その影響をもとの状態まで戻すことは、非常に難しい、ほとんど無理と考えるべきではないかと思います。

また、放射性物質から発せられる放射線は、DNAにダメージを与えることから考えれば、そのような環境で子供を安心して育てられるかと考えれば、そうできないと考えるのが妥当だと思います。本当に子供たちのことを、次世代のことを考えるのであれば、国、政府は大きな責任を持った判断と行動をしなければいけないと思います。

こう考えるだけでも、福島での事故とその後の現状から考えれば、とてつもない影響がまだある状況で、解決していないことがあることは間違いないと思います。つまり、福島での事故について、そのリスクから算出される影響について、まだなにも国民には分かっていない状態であると思います。
放射性物質が拡散して、その土地を汚染するというリスクについて考えると非常に大きな問題が見えてくる。不都合な情報は隠しているのではないかと思います。もしくは考えないように情報が誘導されているのかもしれません。

政府は大丈夫と言っているが、本当にその土地に住み続けて、安心して子供も育てられるのか・・・

津波の影響ではなく、原発事故で住めなくなった土地がある。

高濃度の放射性物質汚染により、食べられなくなったものがある。

これらのことから政府は目をそむけてはいけないはずです。
私たちもそのことを受け止めるべきだと思います。

ともかく、福島での状況が大飯原発で起こったとするとと考えると、政府が大丈夫とその施設だけで判断することは、非常に無責任な考えだと言わざるを得ないと考えます。政府が考えるべき、判断するときに重要なことは、施設の安全性の是非についてではなく、もし福島と同様の事故が起こったとき、どのような対応を国として責任を持ってとるのかということをはっきりさせることでしょう。施設は安全と判断するから、自治体や住民にご理解を求めて再稼働するというのは、事故以前の考えから何も変わっていないことを自分たちで証明しているだけではないかと思います。

仮に大飯原発で同じような事故が発生したと考えると、影響は足元の自治体だけでなく、広く関西圏に放射性物質を拡散させることになるのではないか、季節風を考えれば、三重や愛知、岐阜にも影響があるかもしれない。もし、大都市を多く抱える地域で住めなくなる土地が広がったとき、政府は国はどのような対応を考えているのでしょうか。それでもそこに住み続けてくれというのか、移住したいなら自分の責任で移住しろというのか、まったくそれが見えてこないところに憤りを感じます。
政府が再稼働を急ぐのであれば、最低限、事故が発生した場合の国、政府がとる行動と、その後の被災した人に対する対応策も明示すべきではないかと考えます。

ただ、大飯原発の再稼働について、近辺の住民の方々が施設に寄り添って生活してきているということに対して、再稼働しないのであれば、何らかの取り組みを考えなければいけないだろうと思います。そのことも大きな課題です。また、再稼働に向けて電力不足が理由となっていることについて、私たちも自分たちの生活を見直すことが求められるところと考えます。

ともかく、今のような状況で拙速に再稼働を判断するべきではないと思います。
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