①に引き続き、今回は(2)の運動施設設置条例の改正の、自分として妥協できない「②市立体育館の電灯使用料関係」の部分について書きます。改正内容は、電灯使用料が全灯4000円という設定だけだったものを、半灯2000円を追加し、あわせて使用料の別表を改定するということです。しかし、市民意見を取り入れて検討したと言いながら、誠実さに欠ける提案と自分は考えました。
その理由は、2019年に大規模改修が行われ2020年にリニューアルオープンされたのですが、その時点から担当のスポーツ課には「①改修前は時間900円だったものが時間4000円となった。(記憶では当初減光できないというようなことを聞いた覚えがあるのですが、実際には減光可能できたものの、料金設定はそのまま。)②鈴鹿スポーツガーデン(現:スポーツの杜鈴鹿)はすでに全灯、2分の1灯、4分の1灯という区分けで使用料がわけられていた。」ことから早急に4分の1灯の設定を導入するなど見直すべきと意見していたことがまずあります(議事録に残していなかったことは反省)。
次に、最近では、市立体育館の上部には屋外光を取り入れられるトップライトの部分があるのですが、快晴など日照量がそれなりにある時はそこからの光で競技などが行えますが、曇天から降雨時などは照明がなければ競技に支障がある明るさになり、その場合は照明を点灯する必要が出るのですが、天候によって利用料金の総額が変わるのはおかしいのではないか、全灯時間4000円の設定であればなおさらで、4分の1灯の設定を導入してそれを使用にあたっての基本設定とし、占有使用料に上乗せしてはどうかと意見もしていたこともあります。
そしてなにより、自分が男女混合6人制バレー大会のすずかっぷを主催していることや、ジュニアバレーの大会の現場にいたりすることもあるため、照明や空調なども含めた料金などについて、利用者視点で意見をしていたからです。スポーツガーデンで開催していた時には、運営コストの関係から4分の1灯で行っていたのですが、競技を行うことには問題はありませんでした。市立体育館で照明を使用することがありましたが、時間4000円という設定なので運営コストとの兼ね合いから点灯するタイミングに苦慮しましたし、全灯は明るすぎたので減光して運営したこともありました。
まず、ここまでのところでLED灯という調光のできるものであるのに、4分の1灯として全灯の4分の1の料金設定を考えていないことなど、市に課題があると考えました。
そこで、スポーツガーデンの事例だけでは説得にかけると考え、あらためて屋内スポーツでの照明の照度のあり方について検索したところ、「JIS Z 9127 JISスポーツ照明基準(2011)」がありました。それによると以下のような区分が存在しています。ⅠにはVリーグ(バレー)やBリーグ(バスケ)、リーグH(ハンド)の試合などが該当するでしょうし、Ⅱは県大会や東海大会といったカテゴリーの試合、Ⅲは市の大会などやすずかっぷのような試合と考えられます。
普通に考えれば、この照度の考えで3段階の設定が自然で問題はないはずです。しかし、質問に対する説明は「市立体育館は750ルクスで最大が考えられていて、半灯の約320ルクス程度でも問題はないと考える。今後の要望などでその下の設定も考えることがあり得る。」というようなものでした。Ⅱより照度が低くⅢより高いという中途半端な考えでよいわけはないと思います。条例改正を行うのであれば、その機会にJISの考えにあわせた考えにして、それに応じた使用料金の設定にすべきです。Ⅰであれば4000円、Ⅱであれば2000円、Ⅲであれば1000円は合理的なはずです。
ここで市の姿勢で課題と考える点があります。たしかに、自分も利用者としてかなり意見をしましたし、時間4000円という高額な設定に意見をされた方々も多く、それを受けて改定に取り組んだことは否定するものではないのですが、利用者にJISの考えを提示しながら改定の意見をヒアリングしたことはないはずです。またこの秋、10月14日にすずかっぷを開催した際も、11月3日にジュニアバレーの市長杯の開催時にも、スポーツ課から照度に関する意見を聴かれたということはありませんでした。すずかっぷは別として、市長杯でヒアリングは行えたはずです。現場の状況をじかに確認せず、その場で意見も聞いていないことはいかがなものでしょうか。
なにより、市民の方々に「JIS Z 9127 JISスポーツ照明基準」を知らせないまま、Ⅲでよい利用者からⅡと同等の金額を徴収する形になるのは誠実さに欠けると考えますし、必要以上の電力を使用することは環境負荷の面から考えていかがなものかということも成り立つのではと考えるところについても、市に課題があると考えるところです。
設備面を考えると、全員協議会だけでなくスポーツ課で意見をやり取りしていた時、「調光は二段階で、三段階にすると改修費用が加算となる。」というようなことが出てきたため、どれだけかかるのかと問い返したところ「わかりません」という主旨の返答があり、自分からはLED灯は調光できるので設備面の大きな改修は必要ないだろうと言いました。実際、現時点でも市立体育館で減光するときには、手元コントローラーのようなもので行っているのを見ています。
そしてここまでを総合して考えていくと、そもそも2019年に行った大規模改修時に、「JIS Z 9127 JISスポーツ照明基準」に対応する照明の改修でなければいけなかったはずですし、そうでなかったのであれば議会にもその旨を説明する必要があったはずです。そこが「調光は二段階で、三段階にすると改修費用が加算となる。」という言葉の中に潜んでいます。もしそれが本当であるなら、市行政の落ち度ではないでしょうか。手落ちを隠すために今回の考えになっているのであれば深刻です。
逆に「JIS Z 9127 JISスポーツ照明基準」に対応する照明の改修が行われていたのであれば、そのことを公にせずに使用料を大幅に引き上げ、調光による使用料の調整がないものにしたことは、市民に対する重大な背信行為と言われても仕方がないことですし、議会に対する対応を考えても非常に問題のあることだと考えます。職員の資質が問われるでしょう。
ですから、今回の市立体育館の電灯使用料について、全員協議会の説明のままで議案となるのであれば、自分としてはとても容認できるものではないですし、今後の鈴鹿市政を考えると、修正案の提出まで視野に入れて考えなければいけなくなる課題と考えています。ですので、市議会全員協議会の場ではこのままではよくないと考えている旨を最後に意見して、末松市長と副市長に再考して頂きたいという意見を伝えました。