これってやはり化石? 私のライフスタイル!

ひともすなるブログなるものを、われもしてみむとてするなり

着物の解き方 … 解くことで仕立てと構造が理解出来ます

2009-10-26 | 着物
小物入れ

雨と風の強い一日。 明日が 人間ドッグの日だと なんだか 落ち着かず…

小物作りでもしましょうかと、ちょっと前友人からもらった小さな入れ物が気になって 気に入って。

同じ形のものを作ってみようとしましたが、挫折 (こんなこと滅多にないんだけど)

残念ながら 途中放棄

そこで 気持ちを切り替えて ネットで手に入れた 麻の葉柄の袷の着物を解くことに。

麻の葉の着物 柿色

ほとんど着ていないし 身丈 裄もちょうど良いものでしたが、少し派手?

かなり派手?

解いて 洗い張りに出して 道中着でも作ろうかなと考えました。

裾の八掛けも部分的に 汚れていました。(ほんの少々)

そで口布も ほんのりうっすら 着た名残があり…

さぁ、解きます。

人様が仕立てた物を 逆の順序で解いていくと どんな人が仕立てたのか、どんな仕立て方をしたのか、など 

いろいろ面白く 役に立つのです。


今回は ざっと見て 掛け衿を外すことに。


 掛け衿のえり付け側をほどきます

掛け衿

 掛け衿の本衿に止めてある両端を解き外します

 これで 掛け衿がとれました。(今回の場合)
掛け衿の両側をはずす

 三つ衿芯を取ります

三つ衿芯を外す

 この着物は 表も裏も衿を縫いつけてから、衿の縫い代を中とじする仕立てです。

  そこで この中とじを解きます。 この仕立て方は 私が解いたものでは 二つ目です。 
  
  最初の一枚は 亡き母が姉からもらったというものでした。 
  それはそれは きれいに仕立ててあって、「これがプロの技か」と 解きながらうなったほど。

衿の中とじを解く

  衿の中とじが外れると、褄下を解くことができます。

褄下

  褄にふき綿がつかってあるのを発見。

  以前、真綿をうすーく伸ばしたふき綿を解いていて見たことがありますが、これは それ専用に作られたものみたい。

裾のふき綿芯

  表 裏の衿をはずします。

  衽 脇 背の中とじをほどきます。

衽の中とじ

  補強のための とんぼ なるものを発見

  なんと袖の前後、身八つ下の 合計六か所にとんぼの補強がしてあります。

補強の為のとんぼ

  身八つのとんぼです。 あまりにも、丈夫につけてあり、解くのに四苦八苦 

  これだけで、一時間近く要してしまいました。

身八つのとんぼ

  とんぼが外れると、後は 楽勝。 

  袖を外し、身八つを解き、裾のとじをほどきます。

  袖も解いて、表の解きは終わり。

表の解き上がり

 裏は 縫う時も解く時も いつも大変。 裾まわしと胴裏をバラバラに解きます。 

  この着物は それぞれ裾まわしと胴裏をはいでから、背縫い、脇縫い、衽付けがしてある仕立てでした。

  新しい胴裏を並べて置いてみると 解いたものがかなり古い着物であることが 胴裏の変色でわかります。

裏ものの解き上がり

 裾についていた ふき綿芯です。

ふき綿芯

解くのに要した時間は 三時間ぐらい。 とんぼに苦労しました。

仕立てた方は どんなに着ても袖付けがほころびないようにと 心をこめてていねいにとんぼをつけたのでしょう。

でも 掛け衿は 着た時の折り目さえ残っておらず、一度袖を通したぐらいの ほとんど新しいものでした。

表は 自分でスチームアイロンをかけてみようと思います。

縫い目やスジが消えたら、そのまま 仕立て直しできそうです。

八掛けは 洗い張りに出しましょう。
コメント
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