平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

2008 春ドラマをふり返る その1

2008年06月22日 | 研究レポート
 2008年春ドラをふり返る。その1。

★「CHANGE」と「ホカベン」
 「CHANGE」はまだ終わっていないけど、対照的な社会派ドラマ。

 「ホカベン」は社会問題を真っ正面から扱う。
 ある事件の解決に関して原告の立場に立てば正しいけど、被告の立場に立てば正しくない。
 絶対的に正しいことなどない。
 こうした現実を前にして弁護士はどうなるべきかに迷う灯。
 現実に立脚した非常に真面目な作品だ。
 志の高さを買う。

 一方の「CHANGE」。
 基本的に朝倉の主張が正しい。
 「国民のため」と言うが国民と言っても様々。
 公共工事を無くせばそれで困る人が出てくるのにその辺の現実は切り捨て。
 官僚の抵抗、通商を迫るアメリカの抵抗もわりとあっさり。
 官邸に派遣されてくる各省の秘書官も簡単に朝倉に寝返ってしまう。
 こんなに簡単なら現実はもっとよくなるはず!
 「CHANGE」は社会派ドラマではなくキャラクタードラマ。
 キャラクターが立っていて痛快ならいい。
 これはドラマがどうあるべきかという議論にも繋がるが、「CHANGE」は現実のうさ晴らし。
 悪が懲らしめられてすっきりする「水戸黄門」と同じなのだ。
 僕も含めて社会派を期待していた人には物足りない。

★「無理な恋愛」と「Around40」
 中高年のターゲットにした作品ふたつ。
 一方は男性版、一方は女性版。
 視聴率として成功したのは「Around40」(15.1% 6/13)
 ドラマを見る中心は女性だからだろうか?
 ドラマの結論は両作品とも同じ。
 恋愛も大事。仕事も大事。
 立木も聡子もその両方を手に入れた。
 メッセージとしてはありきたり。
 立木も聡子もそのキャラクターはよかったけど。

 中高年ドラマでは今のところ「結婚できない男」が一番名作だなぁ。
 恋愛の否定、人と関わることの否定から入って、最後でこれらを肯定している。
 中高年ドラマはこれからも模索されていくジャンルだ。


コメント (2)
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