平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

名探偵コナン 世紀末の魔術師

2009年08月14日 | コミック・アニメ・特撮
★ロシア革命、ロマノフ王朝、怪僧ラスプーチン……今回は歴史を題材にしたロマン。
 ロマノフ王朝の遺産エッグの謎とは? エッグに込められた思いとは?
 相手の右目ばかり撃って殺す謎の暗殺者スコルピオの正体は?

 いいですね。「ダ・ヴィンチコード」なんかもそうですが、過去の歴史が因縁になって現代の事件を引き起こしている。
 こういう構想力をもった作品は外国映画の専売特許かと思っていたら、日本映画も「名探偵コナン」でやっていた。
 だから「名探偵コナン」は侮れない。

 モノに物語が込められているというのはストーリーテリングとして使える手法ですね。
 この作品の場合はロマノフ王朝のエッグ。
 ネタバレになるので詳しくは書かないが、エッグの背後にある<家族愛>の物語が解き明かされることで、見る者はあたたかい気持ちになる。
 単なる<数億円の宝物>であったエッグが<感動のアイテム>に変わる。
 この変化が実は物語の面白さ。快楽。
 この作品のエッグは、まさに究極の小道具ですね。

★怪盗キッドもいい。
 白い鳩。
 <白い鳩>が喚起するさまざまなイメージ。
 さわやか、平和、優しさ。
 また肩に白い鳩を乗せたり、鳩と共に空を飛んだりする映像は実に絵になる。
 キャラクター造型のお手本だ。
 キッドをただの怪盗として描いていたら、使い古された怪盗像、いまひとつインパクトに欠けていた。

 冒頭のエッグの隠し場所を特定するための方法もあざやか。
 大阪の街を停電にして……。

★コナンではおなじみの新一と蘭のエピソードも健在。
 蘭は、あまりに明晰なコナンを新一ではないかと疑っている。
 もう騙しきれないと思ったコナン(新一)は、自分が新一であることを告げようと思うが……。
 今回はこう来ましたかという感じ。
 あの手この手を使って描かれる新一と蘭のエピソード。
 恋愛ドラマとしてもコナン君は面白い。


コメント (2)
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