平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

藤田まことさんを偲ぶ

2010年02月19日 | 監督・俳優・歌手・芸人
「はぐれ刑事」など…藤田さん追悼番組(日刊スポーツ) - goo ニュース

★また、ひとり大好きな役者さんが亡くなられた。
 藤田まことさんと言えば、やはり「必殺仕事人」の中村主水。
 昼間の奉行所でのとぼけた感じと殺しのシーンでの凄み。
 殺しのシーンになると、眼光鋭く顔が引き締まるのだ。
 ハンサムでもあり、三枚目でもある、そのお顔立ちのせいもあろうが、このメリハリをつけられる人はいない。
 表と裏の顔を演じ分けられる藤田さんこそがまさに<仕事人>をやるために生まれてきた方。
 その飄々とした歩き方、疲れた猫背の後ろ姿は完全に主水だし。
 あるいは、つまずいたフリをして倒れ込み、短刀で相手の腹をえぐるみたいな殺し技が似合うのは藤田さんだけだろうし。
 藤田さんの主水がいなければ、仕事人シリーズはこんなに長く続かなかっただろう。

★報道を見ていて気がついたのですが、藤田さんはひとつの役を長く演じられてきた方なんですね。
 「仕事人」の主水、「はぐれ刑事」の安浦刑事。
 いろいろな役を演じられる役者さんが多い中で、藤田さんはこの二役を大事に地道にやってこられた。
 ご本人は「器用じゃないからいろいろな役が出来ない」とおっしゃられていたそうですが、逆にこの二役を生き永らえさせてきたことの方がすごい。
 作品やキャラクターがどんどん消費されていく移り変わりが激しいテレビの中で、主水と安村、ふたりの人物はしっかりと支持されて生き残っている。
 素晴らしいことだ。
 この点、希有な役者さんだったと言っていいだろう。

★それにしても藤田まことさん、緒方拳さんなど、味のある役者さんがどんどんいなくなっていきますね。
 人生の酸いも甘いも知っているような存在。
 それらを表情や立ち居振る舞いで表現できる存在。
 軽さも重みも演じ分けられる存在。
 今の中堅の役者さん達も年輪を重ねれば、そうなるのだろうか?
 役者さんがバラエティ番組に出ることはどうなのだろう?
 芸事は一日にしてならず、人生はあまりにも短い。

 最後に藤田さん、お疲れ様でした。
 愉しませていただき、ありがとうございました。


コメント (2)
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