平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

流れ星~鬱屈の交換

2010年10月19日 | 恋愛ドラマ
 どんなにあがいてもつらい現実から抜け出せない槇原梨沙(上戸彩)。
 やっと抜け出せたと思った途端に絶望へ落とされる。
 こんな時に感情を持つことはつらい。
 心の中が怒りや憎しみや悔しさや無力といった感情でいっぱいになる。
 負の感情が鬱屈する。
 だから感情のないクラゲに憧れる。
 クラゲに憧れて慰められているだけならいいが、怒りや憎しみが心のキャパを越えると、他者を破壊しようと思ったり(=兄への殺意)、自分を破壊しよう(=自殺)とする。

 岡田健吾(竹野内豊)も鬱屈を抱えている。
 妹のドナー探し。
 親戚に断られて、医者には他人事のような倫理を説かれ、婚約者には半ば拒絶され別の顔を見る。家族になろうとしていた人間が結局は他人なのだと思い知らされる。

 そんな梨沙と健吾の鬱屈が交錯して生まれるドラマ。
 はじめは肝臓のドナーとお金という利害の関係だが、それがどの様に発展するか?
 健吾は誠実な人間として描かれているが、ずるい打算を抱いている。
 その打算とはこうだ。
・梨沙はお金がほしいはず。そしてイメクラで働いている女性。ならばお金で体を取り引きすることにあまり抵抗がないだろう。
・梨沙は自殺をしようとした。ならば一度捨てた命。肝臓提供ぐらいしてもいいだろう。
 これらは妹を助けたいという必死の思いから出ていることなのだが、結構ずるく、ある意味、醜い。
 そしてこの打算を梨沙は何らかの形で感じるはず。
 この辺がどう表現されるかが今後の見所。
 
 それにしても上戸彩さん、難しい役に挑戦されましたね。
 上戸さんなら北乃きいさんがやっている妹・マリアぐらいの役なら楽々とこなせるだろうが、梨沙はすごく複雑な役。
 新境地を開けるか? あるいは今までの上戸彩プラスアルファで終わるか?


コメント
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