平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

相棒10 「藍より青し」~草木染めが国を越えて心を通わせたのですね

2012年01月26日 | 推理・サスペンスドラマ
 全体を貫くモチーフは<縁(えにし)>。
 ひとつの草木からひとつの色を作り出すのは縁。
 不法就労外国人・ソパートと出会い、心通わせるのも縁。
 生きることはすべて縁なんですね。
 自分の草木染めの技術を伝えたいと思っていた職人・葛巻彩乃(梶芽衣子)と草木染めに故郷を思い出したソパートが出会ったのは、単なる偶然なんかでなく、きっと天の意思みたいなもの、<縁>があったのでしょう。
 この縁で、彩乃もソパートも救われた。

 しかし、人と人が<縁>を結ぶには強い思いが必要であるような気もする。
 もし、彩乃とソパートが出会った時、ソパートが草木染めのことを強く主張しなかったら、ソパートは彩乃に追い出され、ふたりの関係はそのままになっていただろう。
 彩乃も自分の技術を誰かに伝えたいという強い思いがあり、人との出会いは、草木との出会いと同じように一期一会だと思っていたからこそ、ソパートを受け入れたのだろう。

 そして、この事件に右京(水谷豊)が絡んできたのも<縁>?
 右京さんがいなかったら、真相は明らかにされず、彩乃は罪に問われていた?

 こう考えると生きるということは不思議ですね。
 人はさまざまな<出会い>と<縁>に拠って生きている。
 なので、これからは、自分の前に起こる出来事や出会う人を大事にして生きていきたいと思います。
 きっと何かの縁で結ばれているはずだから。

 今回は、「相棒」でお馴染みの<職業物>、伝統を伝えたいという<草木染め職人>の物語でしたが、そんなことを考えました。

 作劇としては、小屋の使い方が上手かったですね。
 人に中を見せたがらない謎の小屋。
 もしかしたら行方不明の息子が埋められているのではないかと思いましたし。
 その他にもこの小屋は、染色廃液が隠されていた小屋、ソパートが隠れ住んでいた小屋、誰もいないはずなのに夜中に灯りが着いている小屋など、いくつもの意味が付与された。
 上手い小道具(大道具?)の使い方だと思います。


コメント (2)
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