平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

お義父さんと呼ばせて 第5話~カッコ悪さ含めて自分じゃん。カッコ悪いのもダサいのも自分だって認めなよ

2016年02月17日 | ホームドラマ
 女装趣味の葉理男(中村倫也)。
 TV(トランスベスタイト)。
 この葉理男に対し、保(遠藤憲一)は言う。

「そんなに怖い? 自分が否定されるの。
 葉理男は好きなんだろう? あの格好。
 じゃあ、いいじゃん。誰かに迷惑かけてるわけじゃないんだから。
 誰だってさ、変わってる所とか、カッコ悪い所あるよ、人に言わないだけで」

「俺だって、28も下のみーちゃん、好きになって夢中になって、まわりからバカだなんだって言われるよ。
 だけど、しょうがないじゃん、好きなんだもん。
 自分でもカッコ悪いと思うよ。
 でも、カッコ悪さ含めて自分じゃん。
 自分くらい自分と向き合ってあげなきゃ。
 カッコ悪いのもダサいのも自分だって認めなよ。
 解放するんだよ、カッコつけの自分から」

 いい言葉ですね。
 いろいろなことに頭をぶつけて生きてきた苦労人ならではの名セリフだ。
 言われて、葉理男も救われたことだろう。
 人は解放を求めている。

 こう言いつつ、一方で、保は<現実>を語ることを忘れない。
 ありのままの自分をカミングアウトしても世間の反応は冷たい。
 むしろ拒絶されることの方が多い。
 これまた大人の発言ですね。
 世間の冷たさを踏まえたアドバイスをしている。
 ディズニーの映画のように、単純に「ありのままは素晴らしい」と語ることをしない。

 しかし……。
 保はさらに論を進める。
「ありのままの自分を<家族>くらいは認めてくれてもいいじゃないか」
 そうそう、そのとおり!
 ありのままの自分を受け入れてくれる人がいないのは、とても孤独なこと。
 だから、せめて家族くらいは、受け入れて味方になってほしい。
 おおっ、これでホームドラマになりましたよ。

 作劇としては、重いテーマをシリアスに描かず、保の浮気疑惑と絡めて上手くドタバタコメディにしていたと思います。
 金八先生の第6シリーズ(これは性同一障害でしたが)なんかと比べると、全然違う。
 オチもふたつ用意されていました。
 ひとつは、葉理男の同期のライバルも同じ趣味だった!(笑)
 もうひとつは、「俺もありのままのことを話すぞ」と言って保が美蘭(蓮佛美沙子)にぶっちゃけたことは、「美蘭の手作り弁当はまずい」(笑)
 保ちゃん、これを言ったらダメでしょう(笑)

 カッコ悪い自分。
 ダサい自分。
 恥ずかしい、人に言えない自分。
 人間、生きていれば、スネに何らかの傷を持つものですが、<カッコ悪さ><ダサさ><恥ずかしさ>で他者と共感できればいいですね。
 お前、そうだったのか、実は俺もさ~、と言えるのが、素敵な関係。
 ダサい自分やダメな自分を受け入れられるようになった時、人は大人になるのだと思います。

 最後に、
 保の浮気疑惑で、プンプン怒り、ワインをがぶ飲みする美蘭が可愛かった!
「保ちゃんは足が速いけど、女にも手が速いよね~」とネチネチといびる美蘭も!

コメント
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