平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

相棒14 「警察嫌い」~ドラマというよりは、スタイルを楽しむミステリーですね

2016年02月11日 | 推理・サスペンスドラマ
 3人の容疑者。
 ひとりは、被害者の友人でフェチスト。
 ひとりは、被害者の恋人でレズビアン。
 ひとりは、被害者の店の客でSMマニア。
 んでもって、3人の容疑者が「自分が殺りました」と一斉に自白してしまったものだから、さあ、大変!
 というお話。

 ドラマというよりは、スタイルを楽しむミステリーですね。

 そのキイワードは、サブタイトルでもある「警察嫌い」。
 捜査の過程で、警察嫌いになる三つの出来事が語られる。
 ひとつめは自白の強要。
 3人の容疑者のうち、少なくともふたりは無理矢理自供させられた。
 ふたつめは、伊丹たちがやろうとした盗撮容疑での捜査令状の取得。
 なるほど、警察っていうのはこんなふうに何らか言いがかりをつければ簡単に家宅捜索ができるんだ。
 みっつめは、冠城(反町隆史)がやった暴力団を使っての脅し。

 これだけの横暴を警察がするのだから、青木年男(浅利陽介)が「警察嫌い」になるのも無理もないという仕掛けになっている。
 青木が警察嫌いになった理由は、父親が警察官であったことしか語られていないのだが、おそらく青木は父親が自白を強要したり、いい加減な容疑で捜査令状をとったことを見ていたのだろう。
 そんなことを視聴者に想像させる。

 こうした物語の形式といい、右京(水谷豊)の犯人を特定させた手法といい、今回のエピソードはスタイリッシュでお洒落です。
 ただ、警察に感情移入して作品を見る視聴者にとっては、あれれ? という感じになってしまう。
 暴力団を使って脅す冠城なんかはカイト君を思わせますしね。
 伊丹も自白の強要をやったことになるし、容疑を無理矢理つくって捜査令状をとろうとしたことになる。
 客観的に見れば、彼らのしたことは<ダーティな警察>だ。

 実験作ですね。
 僕は嫌いじゃないけど。
 描写を薄めているのでカイトの時ほどのインパクトはないが、これまでの『相棒』の禁じ手をやっている。
 カイト君を除いて、歴代の相棒や伊丹たちはダーティな捜査はやらなかった。
 だから見ていて、ちょっとモゾモゾする。

 ところで、サブタイトルの「警察嫌い」はエド・マクベインを意識してますよね?

コメント
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