平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

相棒14 「物理学者と猫」~面白い! 今回、視聴者はパラレルワールドを疑似体験した!

2016年02月25日 | 推理・サスペンスドラマ
 SF的手法ですね。
 ここで描かれた現実は、

①山嵜麻美(林田麻里)が成田知子(大沼百合子)を殺して、復讐のために堀井亮(正名僕蔵)が麻美を殺した。
②成田裕二(中丸新将)が妻の知子を殺し、研究を自分のものにしようとした麻美も殺し、復讐のために堀井が成田裕二を殺した。
③成田裕二と麻美が共謀して成田知子を殺したと勘違いした堀井が、復讐のために麻美を殺し、成田を殺そうとしたが、成田の告白で知子の死が事故死だったことを知り、成田の逆襲を受けて堀井が刺された。    ←ここまで来ると訳がわかんなくなってくる(笑)
④知子は自殺で、自殺の原因には堀井の計算式の間違いが関係していた。

 SFでは、これをパラレルワールドと言う。
 いくつもの現実が平行して進行していて、人はそれらを行き来しているって世界観。
 われわれ視聴者は、今回、パラレルワールドを疑似体験したのだ。
 そして、最終的に戻って来たのが、④の世界。

 僕はSF感性があまりないんですけど、このパラレルワールドの世界観で生きてみるのも面白いかもしれません。
 たとえば、夕日で真っ赤に染まった夕方の商店街を歩いていて、あれっ? 自分は別の世界に来てしまったんじゃないか、って感じる感性。
 今まで親しかった人が、急に雰囲気が違って、別人のように見えたら、自分は別の世界に来ているんじゃないか、って思える感性。
 これって結構、贅沢な生き方のような気がします。

 テーマとしては<人間の生きることの不確実性>ですかね。
 堀井には、<殺人者として逮捕される人生>も<反撃にあって刺される人生>も<研究者として生きていく人生>もあった。
 だから人生の分岐点においては、よくよく熟考して進まなくてはならない。
 知子の死が、<殺人>なのか<事故死>なのか<自殺>なのかを見極めることで、その後の運命が違ってしまう。
 一瞬の判断や認識の違いが、人を天国にも地獄にも導く。
 〝偶然〟も左右する。
 今回も黒猫がドアから出て右京さんたちに気づかれたかどうかで、堀井の運命がわかれた。
 人が生きるということは、こんなふうに不安定なのだ。

 実験作でしたね。
 ラストの黒猫のオチもよかった。
 パラレルワールドについては、今後、意識して暮らしていこうっと。
 もしかしたら僕たちは気づかないうちに、いろいろな世界を行き来しているのかもしれません。

コメント
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