平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

西郷どん 第21話 「別れの唄」~だんな様、薩摩に帰りじゅり、だんな様の魂はもう薩摩に飛んどる

2018年06月04日 | 大河ドラマ・時代劇
♪ 果報なくとぅ あらしたぼれ ♪

 この唄、冒頭のシーンでは〝歓びの歌〟であり、別れのシーンでは〝哀しみの歌〟になっているんですよね。
 かたや、菊次郎が生まれ、家族の幸せが永遠に続くことを願った歓びの歌。
 かたや、島を離れる吉之助(鈴木亮平)の無事と幸せを願う哀しみの歌。
 同じ歌うのなら、歓びの中で歌いたい。

 今回のエピソード、結末はわかっているのに引き込まれましたよ。
 二階堂ふみさんが演じる愛加那のひとつひとつの表情、仕草が素晴らしかったし、「だんな様の魂は薩摩に飛んどる」と〝魂〟を持ち出した所もよかった。
 吉之助は意識レベルでは「おいはこん島に残る」と言いながら、無意識レベルでは正反対のことを望んでいたんですね。

 とは言え、この決断が吉之助にとって幸せであるかどうかはわかりませんけど。

 仲間と歌い踊り笑い、釣りや狩りをし、サトウキビ畑で労働をする。
 吉之助はこれらを〝生きる力〟と呼んだけど、これが人間本来の幸せではないかなぁ。

 一方、吉之助が戻る世界は、闘争、殺戮、理不尽、カネ、無惨、駆け引き、陰謀が渦巻く世界。
 島で吉之助が学んだものがこれらとぶつかり合って何を生み出すのか?
 もともと吉之助は〝民の視線〟〝弱き者の視線〟をもった人だったが、島での生活はそれを確たるものにしただろう。

 いずれにしても吉之助はさまざまな人たちの思いを背負っていますね。
・大久保一蔵(瑛太)と若い仲間たち
・斉彬(渡辺謙)
・愛加那を始めとする島の人たち
 こんなふうにたくさんの人たちの思いを背負った人は大きくて強い。
 豊かで大河ドラマっていう感じがするなぁ。
 戦国時代だと、どうしても一君に仕える主人公になってしまいますしね。

 ラストは愛加那。
 サトウキビの刈り取りをしながら吉之助が旅立った海を見つめるが、表情が変わって大地に立って、「みんな~! あとちゅう気張りじゃ~!」
 その後は満面の笑顔で、歌っていた歌も力強くなって!
 さわやかなシーンで僕は好きです。

コメント (7)
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