院長の赤目義二(古谷一行)。
彼は、病院での権力闘争にあけくれ、看護師とは男女の関係にあり、製薬会社とは癒着しているどうしようもない医師。
新薬投与で亡くなったさやか(吉瀬美智子)の夫の名字は間違えるし、次の入院患者が入るから早くベッドを空けろと言う。
こうしたマイナスな側面ばかりの赤目だが、次のような面もある。
新薬の投与後の詳細なデータをとり、次に活かそうとする研究者としての面。
医学の発展のためなら多少の犠牲は仕方がない、と考える面。
古美門(堺雅人)の言葉を借りれば、科学の<狂気の世界に生きる者>。
一方、さやかの代理人になった弁護士・九條和馬(大森南朋)は、<情念に生きる者>。
自分の権力と金のために、実験的な新薬投与をおこなった夏目に対して、許せない、復讐をしたい、罪を償わせたい、血祭りにあげたいという感情を持っている。
やさぐれてはいるが、心の底には正義を実行したいという思いもある。
さて、科学の狂気に生きる赤目と、正義の情念に生きる九條。
どちらが正しいか?
脚本の古沢良太さんは、両方とも肯定しているように思える。
『白い巨塔』では財前先生は悪で、里見先生は善なのだが、そういう白黒をつけていない。
どちらも人間の生き方として肯定している。
あるいは、赤目も九條も私生活ではどうしようもない人間だが、心の奥底では<医学を発展させたい><正義を実行したい>という信念を持っている。
ただ、こうした信念も長年生きていくことで、擦り切れ、摩滅し、汚れていく。
作家は、人間を表面的に見るではなく、裏の輝く部分も見なくてはならない、と語っているようだ。
この点では、あっちょんぶりけの朝ドラヒロイン、黛真知子(新垣結衣)はまだまだ青い。
汝の醜さを愛せ。
醜さの中に真実がある。
これが『リーガルハイ』である。
彼は、病院での権力闘争にあけくれ、看護師とは男女の関係にあり、製薬会社とは癒着しているどうしようもない医師。
新薬投与で亡くなったさやか(吉瀬美智子)の夫の名字は間違えるし、次の入院患者が入るから早くベッドを空けろと言う。
こうしたマイナスな側面ばかりの赤目だが、次のような面もある。
新薬の投与後の詳細なデータをとり、次に活かそうとする研究者としての面。
医学の発展のためなら多少の犠牲は仕方がない、と考える面。
古美門(堺雅人)の言葉を借りれば、科学の<狂気の世界に生きる者>。
一方、さやかの代理人になった弁護士・九條和馬(大森南朋)は、<情念に生きる者>。
自分の権力と金のために、実験的な新薬投与をおこなった夏目に対して、許せない、復讐をしたい、罪を償わせたい、血祭りにあげたいという感情を持っている。
やさぐれてはいるが、心の底には正義を実行したいという思いもある。
さて、科学の狂気に生きる赤目と、正義の情念に生きる九條。
どちらが正しいか?
脚本の古沢良太さんは、両方とも肯定しているように思える。
『白い巨塔』では財前先生は悪で、里見先生は善なのだが、そういう白黒をつけていない。
どちらも人間の生き方として肯定している。
あるいは、赤目も九條も私生活ではどうしようもない人間だが、心の奥底では<医学を発展させたい><正義を実行したい>という信念を持っている。
ただ、こうした信念も長年生きていくことで、擦り切れ、摩滅し、汚れていく。
作家は、人間を表面的に見るではなく、裏の輝く部分も見なくてはならない、と語っているようだ。
この点では、あっちょんぶりけの朝ドラヒロイン、黛真知子(新垣結衣)はまだまだ青い。
汝の醜さを愛せ。
醜さの中に真実がある。
これが『リーガルハイ』である。
今回も私は特に見ていた訳では無いのですが、家族が見ていたところを何回か通り過ぎました。
私が風呂に入ろうとしていた時、証人の看護師が赤目の愛人であることを九條が暴露するシーンでした。
風呂から上がってきたら、今度は古美門が原告のスキャンダルを暴露していました。
「何だ、スキャンダルの暴きあいではないか。見ておられん」と言って私は自室に引っ込みました。
しばらくして、家族のところに戻ってみるとまだ「リーガルハイ」は続いているようなので「いい加減、泥仕合は決着がついたのか?」と私。
場面は赤目が倒れたあたりでしたが、そこから最後まで、私は見入ってしまいました。
説得力のある収束!
なるほど評判だけのことはある、とその時思いました。
普通だったら、黛真知子(って言うんですよね)のようなタイプの「正義派」弁護士が困難と闘いながら勝利するというドラマなのでしょうが、確かにひと味違うようです。
特に、古美門家の執事?-たしか里見浩太朗さんでしたよね-が渋かったですね。
リーガルハイ、後半デビュー、おめでとうございます!
>普通だったら、黛真知子(って言うんですよね)のようなタイプの「正義派」弁護士が困難と闘いながら勝利するというドラマなのでしょうが、確かにひと味違うようです。
そうなんですよ。
これがまさにリーガルハイの本質!
普通なら、正義派弁護士が勝ってめでたしめでたしなんですが、作家は、理想ばかりの朝ドラヒロインの真知子を必ずしも肯定していないんです。
これは僕なんかも陥りやすいんですが、社会正義を語っていると、自分に酔ってしまう所がある。
でも、現実って不合理で、理不尽で、感情的で、損得が絡んでもっと複雑なものだろう? と、この作品は戒めてくれるんです。
執事の里見浩太朗さんは、他のエピソードでは、水戸黄門のパロディなどをやって笑わせてくれています。