平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

『即位礼正殿の儀』を見て、「大日本帝国は、萬世一系の天皇皇祖の神勅を奉じて永遠にこれを統治し給う」にならなきゃいいなと思った

2019年10月25日 | 事件・出来事
 そう言えば、『即位礼正殿の儀』というのがありましたね。

 十二単とか高御座、御帳台とか文化的には面白かった。

 安倍晋三は「天皇陛下萬歳! 萬歳! 萬歳!」
 これに併せて自衛隊の礼砲が21発!
 なるほど、これが保守と言われる右派の見たい風景なのか。
 ちなみに、万歳三唱は英語で「Three Cheers」と訳されるらしい。

 一方、安倍昭恵氏はドレスコードをわきまえない袖がラッパのようなドレスを着て大ひんしゅく(笑)
 夜の『饗宴の儀』では訪問着の和服を着ていたとか。
 昭恵、なかなかロックだぜ!

 安倍晋三も敷居を踏んで「萬歳」をしたとか。
 確かに写真で確認すると、安倍が踏んでいる場所の先には戸があるから敷居だよね。
 坂東眞理子さんの『礼儀作法としきたり』によると、敷居を踏むのは「その家の主人の頭を踏みつけること」らしいから、晋三もなかなかロックだぜ!
 この夫婦、何だかんだでツッコミ所満載だ。
 ……………

 昭和12年に文科省が刊行した『国体の本義』という156ページの冊子がある。
 ここに書かれているのは──
「日本文化は西欧文化に優る」
「個人主義を排し皇民一体となる」
「武は文化をつくってきた」

 冒頭にはこんな記述。
「大日本帝国は、萬世一系の天皇皇祖の神勅を奉じて永遠にこれを統治し給う。
 これ萬古不易の国体である。
 而してこの大義に基づき、一大家族国家として億兆一心聖旨を奉体して、克く忠孝の美徳を発揮する」

 つまり『日本は天皇の統治する国』であり『国民は天皇の臣民である』という内容だ。
 これが戦前では当たり前のこととされ、教科書にも書かれていた。

『天皇機関説』という論もあったが、
「国体の本義を明徴にし人心の帰趨を一にするは刻下最大の要務なり。
 政府は崇高無比なるわが国と相容れざる言説に対し直に断乎たる措置を取るべし」
 という衆議院の決議のもと潰された。
 国民の中も、
「天皇陛下を機関車にたとえるなんてとんでもない」
 と怒る人がいたらしい(笑)

 かくして戦前の日本は、この『臣民意識』に変えられていくわけだが、2020年の現在は大丈夫かね?
 これに共感する人が結構いそうな気がするんだけど。
 たとえば『即位礼正殿の儀』の時、皇居に虹がかかり、富士山が見えたことを神々しい特別なことと考えた人がいたらしいし。

 まあ、現在の天皇陛下も上皇陛下も天皇がそのような存在になることを望んでおられない思うけど、戦前回帰を望む人たちは一定数いて布教活動に余念がない。
 令和日本、どこへ行く。


※参照
 保阪正康著『昭和史7つの謎』講談社文庫


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4 コメント

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「即位礼正殿の儀」は盛大な無駄遣いでしかない (mobile)
2019-10-25 13:25:44
 どんなものかと見てみれば天皇が壇上に上がって帳が開かれ『いないいないバア!』とやっているようなもので、拍子抜けも甚だしい。
 こんなものに世界中から招待客を呼び、物々しい警備をしたのかと思うと税金の無駄遣いもここに極まれりという感じです。
 日本は先日の台風災害から立ち直っていないというのに、何をノンキなことをやっているのか。
 祝賀パレードは延期になったようですが、この際中止にしてそのお金を災害地援助に使った方がイイのではないですか。
 本来、天皇の仕事は『国家鎮護のために祈ること』なのです。
 天皇の霊力が足りなかったために日本を次々と台風が遅い民衆は塗炭の苦しみを味わっているのです。
 君主に德がないから国内に災害が起こるのですから、晩餐に舌鼓を打っている場合ではナイでしょう。自らの霊力不足を謝罪して被災地を回るべきです。
返信する
Unknown (半沢)
2019-10-25 18:54:24
コウジさん 今晩は。

記事の作成、編集、お疲れ様です。

本とに戦前に戻ったかの如く 安倍の万歳三唱 ! には顰蹙もあったもんじゃない
ですね。 右翼は喜びそうです。
ネトウヨは馬鹿だから 嬉しいのだろうし・・
ま、mobile さんが おっしゃっている通り 国民の税金の盛大な無駄遣い
です。本当に 其のお金を災害地援助に使用した方が 良いのに決まってます。

専制君主制は御免です

(余談です。佳子さま だけは可愛いです。)
返信する
天皇という存在 (コウジ)
2019-10-26 08:40:13
mobileさん

コメントありがとうございます。

『いないいないバア』とは、なかなか辛辣なたとえ。
確かにあれにどういう文化的意味があるんでしょうね?
『神様のお出まし』みたいな意味でしょうか?

『天皇』という存在は日本人にとってどういう存在なんでしょうね?
mobileさんの『儀式にかける費用を被災地に使え』という意見も一理ありますが、僕などは『被災地支援に使って儀式なし』というのは味気ない気もします。
歳をとったせいか、僕は最近、保守的になりました。

とは言え、ブログ本文にも書きましたが、天皇を政治利用することには異を唱えます。
まして戦前のように神格化されでもしたら理性がついていけません。
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天皇陛下万歳 (コウジ)
2019-10-26 08:50:56
半沢さん

いつもありがとうございます。

安倍嫌いのせいもありますが、僕も安倍の万歳三唱だけはダメでした。
アメリカでは太平洋戦争での特攻を『バンザイ・アタック』と英訳するそうですが、「天皇陛下万歳」には特攻のイメージがあるんですよね。

もっとも万歳三唱は、平成の時にもおこなわれたらしいんですけど、なぜか覚えていないんですよね。
あと多分、万歳された方も「勘弁してくれよ」という感じではないかと思います。
以前、上皇陛下が天皇時代、どこかの保守団体の集会に参加された時、「万歳」をされて嫌な顔をされていましたし。
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