平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

相棒18 「少女」~止まっていた時計が動き出した。世界と和解した明菜はこれから前向きに生きていくだろう

2019年10月24日 | 推理・サスペンスドラマ
 殺人を犯した島村裕之(三浦誠己)と逃亡する少女・秦野明菜(大島美優)。
 明菜は怖がる様子も逃げる様子もなく、逃亡資金を渡したり島村に協力的だ。
 では、なぜ?
 犯罪者に共感するストックホルム症候群なのか?
 この明菜の心理が物語の焦点となる。

 明菜の心理と行動は保護された後、別の形に変化する。
「島村が怖かった」
「怖くて逃げ出せなかった」
 と逃亡していた時とは180度違う島村への態度。
 この変化の理由は何なのか?
 犯罪者への共感という呪縛から解けたのか?

 これらの明菜の心理・行動を説明する真実が明らかになった時、視聴者は「なるほど」と思う。
 明菜はひとつの目的をもって行動していた。
 キイワードは明菜が島村に話した「お母さんが妹を殺した」という言葉。
 では明菜は妹を殺した怖ろしい母親から逃げ出したかったのか?

 ネタバレになるので詳しく書きませんが、
 明菜の心の中はあんなに複雑だったんですね。
 子供だから、小学生だからと侮ってはいけない。
 明菜は必死に葛藤し、深く考え、自分の目的を達成するために行動していた。

 そんな明菜が妹の死の真相がわかり、島村のもとを訪ねるシーンは何とも清々しい。
「あの子、あんな顔で笑うんですね」
 島村がこう語ったとおり、明菜の顔は解放されて晴れ晴れとしていた。

 呪縛からの解放。
 否定していた世界との仲直り。

 明菜はこれから前向きに生きていくだろう。
 亡くなった妹の分もしっかり生きるだろう。

 止まっていた時計が動き出した。

 僕たちも「自分を縛っている呪縛は何だろう?」と考えてみるのもいいかもしれません。


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