アメリカ大統領選挙。
トランプ支持者たちがネットで熱狂していた『陰謀論』はなかなか面白かった。
いはく、
・世界はDS(ディープステート)に支配されていて、トランプ大統領は彼らと戦っている。
・バイデンはDSの仲間で不正選挙をおこなった。
・トランプは『世界緊急放送システム』を使って、DSの犯罪とバイデンの不正を全世界に放送する。
・その際にアップルは妨害してくるので、スマホのアップデートは控えるように。
・バチカンなどで大規模停電が起きたのは『世界緊急放送システム』が作動したから。
・バチカンはDSの一員でローマ法王は逮捕されている。現にバチカンで銃声が鳴った。
・ローマ法王は以前も逮捕されていて、その時はホログラムが法王の代わりをしていた。
『世界緊急放送システム』って何だよw
いまだに放送されていないんだが?
それどころか、
トランプはツイッターとかすべてのSNSをバンされて何も発信できないでいるぞw
…………………………
『陰謀論』は過去にもあった。有名なものは──
1ドル札の裏に印刷された目玉。
これはフリーメイソンの印で金の力による世界征服を目指している。
ジョン・レノンを撃ったチャップマンとレーガンを撃ったジョン・ヒンクリー。
彼らの部屋の本棚には『ライ麦畑でつかまえて』があり、
彼らは『ライ麦畑』を読むと、暗殺モードになるように洗脳されていた。
フィクションとしては魅力的な素材だけどなあ……。
年末に放送されたテレビドラマ『MIU405』で、主人公のひとりがデマを流す人気ユーチューバーにこんなことを言っていた。
「お前のやっていることは点と点を結びつけて勝手なストーリーをつくってるだけなんだよ!」
確かに。
先程の例で言えば、
チャップマンとヒンクリーと「ライ麦畑」という点と点を勝手に結びつけているに過ぎない。
DSとの戦い&世界緊急放送も、トランプ敗北とたまたま起こったバチカンの停電を結びつけているに過ぎない。
まあ、こう考えてしまうと、現実は退屈で味気ないものになってしまうのだけれど。
退屈なのが現実だ。
フィクションはフィクションとして楽しむべきで、
現実にフィクションを持ち込むと、世界は混乱、とんでもないことになる。
僕が見ている映画で『陰謀論』を扱っている作品は──
『陰謀のセオリー』
『ビューティフルマインド』
『陰謀のセオリー』の主人公は、道に立っている男を見て世界の真実を知ってしまった自分を見張っている敵だと思っている。
『ビューティフルマインド』の主人公ジョン・ナッシュは、このブログでも書いたが、「ゲーム理論」の経済学者でノーベル賞も取った実在の人物。
ナッシュは自分が政府の諜報機関の人間で、敵が雑誌の記事や広告を使って暗号メッセージを送っていると思い込み、解読している。
以後、ナッシュは統合失調症の病で苦しむことになる。
というわけで陰謀論。
今は社会が不安だから、これからもいろいろなものが出て来るんだろうな。
そして、陰謀論に取り憑かれたら、なかなか抜け出せない。
「世界緊急放送」がいまだに流れていないこともトランプのSNSがバンされたことも、トランプ信者は「DSに妨害されたからだ」と考えているに違いない。
『陰謀のセオリー』にもこんな一説がある。
ヒロインのアリスが陰謀を主張する主人公に「それを証明できるの?」と尋ねると、主人公は言う。
「全然。よき陰謀とは証明できない陰謀さ。もし見抜かれたら失敗さ」
※参考資料
「陰謀の歴史」海野弘・著 文春文庫
トランプ支持者たちがネットで熱狂していた『陰謀論』はなかなか面白かった。
いはく、
・世界はDS(ディープステート)に支配されていて、トランプ大統領は彼らと戦っている。
・バイデンはDSの仲間で不正選挙をおこなった。
・トランプは『世界緊急放送システム』を使って、DSの犯罪とバイデンの不正を全世界に放送する。
・その際にアップルは妨害してくるので、スマホのアップデートは控えるように。
・バチカンなどで大規模停電が起きたのは『世界緊急放送システム』が作動したから。
・バチカンはDSの一員でローマ法王は逮捕されている。現にバチカンで銃声が鳴った。
・ローマ法王は以前も逮捕されていて、その時はホログラムが法王の代わりをしていた。
『世界緊急放送システム』って何だよw
いまだに放送されていないんだが?
それどころか、
トランプはツイッターとかすべてのSNSをバンされて何も発信できないでいるぞw
…………………………
『陰謀論』は過去にもあった。有名なものは──
1ドル札の裏に印刷された目玉。
これはフリーメイソンの印で金の力による世界征服を目指している。
ジョン・レノンを撃ったチャップマンとレーガンを撃ったジョン・ヒンクリー。
彼らの部屋の本棚には『ライ麦畑でつかまえて』があり、
彼らは『ライ麦畑』を読むと、暗殺モードになるように洗脳されていた。
フィクションとしては魅力的な素材だけどなあ……。
年末に放送されたテレビドラマ『MIU405』で、主人公のひとりがデマを流す人気ユーチューバーにこんなことを言っていた。
「お前のやっていることは点と点を結びつけて勝手なストーリーをつくってるだけなんだよ!」
確かに。
先程の例で言えば、
チャップマンとヒンクリーと「ライ麦畑」という点と点を勝手に結びつけているに過ぎない。
DSとの戦い&世界緊急放送も、トランプ敗北とたまたま起こったバチカンの停電を結びつけているに過ぎない。
まあ、こう考えてしまうと、現実は退屈で味気ないものになってしまうのだけれど。
退屈なのが現実だ。
フィクションはフィクションとして楽しむべきで、
現実にフィクションを持ち込むと、世界は混乱、とんでもないことになる。
僕が見ている映画で『陰謀論』を扱っている作品は──
『陰謀のセオリー』
『ビューティフルマインド』
『陰謀のセオリー』の主人公は、道に立っている男を見て世界の真実を知ってしまった自分を見張っている敵だと思っている。
『ビューティフルマインド』の主人公ジョン・ナッシュは、このブログでも書いたが、「ゲーム理論」の経済学者でノーベル賞も取った実在の人物。
ナッシュは自分が政府の諜報機関の人間で、敵が雑誌の記事や広告を使って暗号メッセージを送っていると思い込み、解読している。
以後、ナッシュは統合失調症の病で苦しむことになる。
というわけで陰謀論。
今は社会が不安だから、これからもいろいろなものが出て来るんだろうな。
そして、陰謀論に取り憑かれたら、なかなか抜け出せない。
「世界緊急放送」がいまだに流れていないこともトランプのSNSがバンされたことも、トランプ信者は「DSに妨害されたからだ」と考えているに違いない。
『陰謀のセオリー』にもこんな一説がある。
ヒロインのアリスが陰謀を主張する主人公に「それを証明できるの?」と尋ねると、主人公は言う。
「全然。よき陰謀とは証明できない陰謀さ。もし見抜かれたら失敗さ」
※参考資料
「陰謀の歴史」海野弘・著 文春文庫
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