輝く夢の様な恋愛を描いてきた月9。
でも、この不況の時代には合わない。
裏番組でやっていた「たけしのTVタックル」を見てしまう。
「タックル」には乗客が激減したタクシー運転手や潰れそうな町工場、商店街などの現実がある。
テレビドラマは夢であり、視聴者はありのままの現実など見たくないというのはドラマ論として正しいだろうが、少しは現実に被っていないと自分達とは違う共感できないウソの物語になってしまう。
この作品の主人公の楠大雅(松本潤)の悩みは<親の七光り>。
よくもまあ、こんな設定を持ってきたなぁと思う。
実に軽い悩み。
詩織(竹内結子)が言った様に「親が光を照らしてくれるんだから有り難いと思いなさい」という言葉で解決してしまう。
そんなことで不満に思ったり悩んでいるより、自分が自分の力で輝ける様努力すべき。
視聴者は輝くために努力する人間に感情移入する。
まあ、これから大雅はその方向で行動していくのだろうけれど、詩織に指摘されるまで気づかないのはおバカすぎる。
それに今の現実の若者って、就職難やニート生活であったり、もっと深い所で悩んでいるのでは?
今回の参議院選挙でタレント候補が落選したのも皆が真面目に生活や将来のことを考えているから。月9が描く浮ついた世界などに生きていないから。
というわけで僕は大雅に勘定できないのであります。
スカイダイビングにも海辺のお洒落なカフェにも。
作家はもっと現実を知るべきである。
現実をそのまま描けとは言わないが、現実を踏まえた上でのファンタジーが必要。
前クールでの「月の恋人」はそれこそ別世界の物語だったし、月9ではないが「素直になれなくて」は若者の実態を表面的になぞっただけ。
現在は現実に根ざしたもっと深いものが求められている。
具体的に言うと「コードブルー」の様なしっかり仕事をしていて、それでいて「生きるということ」「死」「別れ」「親と子」「ライバル心」「満たされない恋心」といった様々な悩みを抱えている主人公たちの物語。
「親の七光り」だけで悩んでいる大雅とは大きな違い。
厳しい現実に生きている我々は、薄っぺらな夢の世界を見せられるとたちまち興ざめしてしまうのだ。
それが難しければ、思いっきり笑わせてほしい。
※追記
この第一話の視聴率は15.7%。一方、第二話の視聴率は10.9%。
この急落は第一話の内容を見れば明らかだが、僕は第二話は好きだった。
滑舌のいい子供に向きになったり、授業参観に教科書届けたり、大雅に共感できた。
でも、この不況の時代には合わない。
裏番組でやっていた「たけしのTVタックル」を見てしまう。
「タックル」には乗客が激減したタクシー運転手や潰れそうな町工場、商店街などの現実がある。
テレビドラマは夢であり、視聴者はありのままの現実など見たくないというのはドラマ論として正しいだろうが、少しは現実に被っていないと自分達とは違う共感できないウソの物語になってしまう。
この作品の主人公の楠大雅(松本潤)の悩みは<親の七光り>。
よくもまあ、こんな設定を持ってきたなぁと思う。
実に軽い悩み。
詩織(竹内結子)が言った様に「親が光を照らしてくれるんだから有り難いと思いなさい」という言葉で解決してしまう。
そんなことで不満に思ったり悩んでいるより、自分が自分の力で輝ける様努力すべき。
視聴者は輝くために努力する人間に感情移入する。
まあ、これから大雅はその方向で行動していくのだろうけれど、詩織に指摘されるまで気づかないのはおバカすぎる。
それに今の現実の若者って、就職難やニート生活であったり、もっと深い所で悩んでいるのでは?
今回の参議院選挙でタレント候補が落選したのも皆が真面目に生活や将来のことを考えているから。月9が描く浮ついた世界などに生きていないから。
というわけで僕は大雅に勘定できないのであります。
スカイダイビングにも海辺のお洒落なカフェにも。
作家はもっと現実を知るべきである。
現実をそのまま描けとは言わないが、現実を踏まえた上でのファンタジーが必要。
前クールでの「月の恋人」はそれこそ別世界の物語だったし、月9ではないが「素直になれなくて」は若者の実態を表面的になぞっただけ。
現在は現実に根ざしたもっと深いものが求められている。
具体的に言うと「コードブルー」の様なしっかり仕事をしていて、それでいて「生きるということ」「死」「別れ」「親と子」「ライバル心」「満たされない恋心」といった様々な悩みを抱えている主人公たちの物語。
「親の七光り」だけで悩んでいる大雅とは大きな違い。
厳しい現実に生きている我々は、薄っぺらな夢の世界を見せられるとたちまち興ざめしてしまうのだ。
それが難しければ、思いっきり笑わせてほしい。
※追記
この第一話の視聴率は15.7%。一方、第二話の視聴率は10.9%。
この急落は第一話の内容を見れば明らかだが、僕は第二話は好きだった。
滑舌のいい子供に向きになったり、授業参観に教科書届けたり、大雅に共感できた。
現実の悩みは手に届くそこにあります。
ドラマの中まで現実の悩みを見せつけられたくありません。
コードブルーで描かれるいろいろな要素も所詮は自分から遠い架空の世界で描かれるものです。その日暮らしであれ健康体で生きる者にとっては死は日常から遠く(折に触れてその近さを思うとしても)、別れや親子の絆もドラマの中では現実そのものが描かれるわけもない。幻影であり粉飾にまみれているものです。
それを否定しているのではなく、だからこそいいと言いたい。
ドラマというのは何を描こうと虚構です。しかし虚構を通してしか描けない真実や理念がある。
それを存分に生かしたドラマが素敵なドラマだと思うのです。
親の七光りは確かに自分の生活、人生からはかけ離れた悩みです。
が、しかし、自分自身を正しく認識してほしいという欲求は人間だれしも持つものです。
その部分の説得力があれば、親の七光りでも十分ドラマとして成立するし、正しく自分が認識されないことが自分自身に由来するものだと気づいて成長してゆく姿には、一種カタルシスを感じることもできるのではないでしょうか。
夢を見させるドラマがあってもいいと思うのです。
突然通りかかって、長々とすみません。
毎回、コウジさんのレビューを読んでいる者です。
私もこのドラマを見てました。初回延長のせいでちょっと間延びした感が否めませんでしたが、これから2人の恋はどうなっていくのか、大雅がどのように成長していくのか、気にはなりました。
それに、大森美香さんが脚本を書いているのでこれからもっと面白くなりそうで、期待しています。
「エジソンの母」「マイボス・マイヒーロー」「ランチの女王」「きみはペット」「ブザー・ビ-ト」など・・・大森さん脚本のドラマは面白いものが多いので。
本当にこのドラマが「薄っぺら」なのかは、初回で判断するのは早すぎると思いました。
駄文、失礼しました。
コメントありがとうございます。
文章がつたないせいで誤解されてしまったのかもしれませんが、僕もドラマで<厳しい現実>など見たくはありません。
暗いドラマなどは見たくありませんし、むしろ現実を忘れさせてくれるファンタジーを見たい。虚構が逆に真実を見せてくれるというのも同意見です。
僕がこだわっているのは、<作品のリアリティ>と<主人公に関する共感度>という点です。
これまで月9はきらびやかな夢を見せてくれましたが、それが受け入れられたのはバブル期までで、この不況の時代には合わない。この点、同じ月9でも(もとは木10でしたが)、「コードブルー」はそういう浮ついた所が全くなかった。
また主人公に対する共感ですが、<親の七光り>というのがやはりちょっと……。
naruhodoさんの様に
>自分自身を正しく認識してほしいという欲求は人間だれしも持つものです。
という形で、見た人が主人公をとらえてくれればいいのですが、たとえば、就活で悩んでいる人にはぜいたくな悩みに思えるでしょうし、苦労して生きている人には、詩織が大雅に言ったことと同じことを感じると思うんです。
せっかく松本潤さんが主演されているんですから、より多くの人に共感してもらいたいですよね。そうすれば松本さんの代表作がもうひとつ増えるわけですし。
実にもったいない感じがしています。
コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり、大雅ががんばってどう輝き、成長していくかは楽しみですね。
おそらく年上の女性に叱咤されながら、成長していく年下の男性というドラマが展開されていくのでしょう。
<親の七光り>という部分より、<成長する><輝く>という部分が描き込まれていけばいいドラマになるかもしれません。
正統派の恋愛ドラマがなかなか成立しづらい時代ですが、大森美香さんの筆力で何とか恋愛ドラマの置かれている現状を打開してもらいたいですね。