平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

踊る大捜査線3 ヤツらを解放せよ!

2011年01月07日 | 邦画
 「踊る大捜査線3 ヤツらを解放せよ!」を観た。
 若干、ネタバレで書いているので未見の方はスルーして下さい。


★さてテーマ。

 「死にたいヤツは死ね。他人を壊したいヤツは壊せ」

 <現代社会の負の心象>をテーマにしている。
 世界の破壊願望だ。
 現実の事件で言えば<酒鬼薔薇星斗事件><オウム真理教事件><秋葉原連続殺傷事件>などに通じるものがある。
 作品で言えば「エヴァンゲリオン」や「20世紀少年」。

 テーマとして狙いはわかるのだが、青島刑事(織田裕二)がこの<負の心象>に十分に立ち向かえていないような気がする。
 実際、事件の真犯人は改心していないし。
 ラストのせりふは「私はまだ他の至る所にいる」ですからね。
 青島の行動と正論は空しく空回りしたのだ。
 青島の正義が<時代の負>に敗北したとも言える。

★今回の決めセリフもイマイチ。
 第1作は「事件は会議室で起きているんじゃない!」
 第2作は「どうしてこんなに血が流れるんだ!」
 いずれも説得力があった。
 青島のせりふに観客は盛り上がった。
 しかし今回は……。
 そうだったのか……という感じ。

 ともかく登場人物が多くて、エピソードもバラバラで全体として消化仕切れていないのだ。
・青島の病気の話なんかはいらないでしょう?
・真下正義(ユースケ・サンタマリア)がラストああなるのも見え見え。
・毒ガスがスカンク? 一体いつのギャグだ?
・テレビシリーズを貫いていた室井さんと青島の関係もどこかに行ってしまった。
・要塞化した新湾岸署の扉が開くオチも肩すかし。
 ドラマとしては、皆が智恵を振り絞って要塞の扉を解除すべきなのにあれですからね。完全に脱力……。
・爆破からの脱出も全くサスペンスがない。
 
 僕の中で「踊る大捜査線」は完全に終わりました。
 青島も歳をとった感じ。
 作品として無惨な姿をさらすのは避けた方がいい。

※追記
 酷評したので若干フォローすると、このゴチャゴチャ感は監督が意図したものだろう。
 様々な登場人物やエピソードを散りばめることで現場の混乱した緊張感を出す。
 この監督の意図がシナリオとしてあまり成功していないからこのような作品になってしまった。
 それと意識したのは、極めて論理的な作品である「相棒」かな?
 おそらく「相棒」とは180度違うことをやりたかったのだろう。



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