平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

相棒20 「贈る言葉」~クリエイターは幸せになってはいけないのかもしれない

2021年11月06日 | 推理・サスペンスドラマ
 才能が枯渇してしまったゲームクリエイター鴫野大輔(黒田大輔)の話。

 履き尽くしてボロボロになったたくさんの靴と現在のきれいな靴。
 右京さん(水谷豊)このことから鴫野の才能の枯渇を推理する。
 鴫野は歩きまわることで斬新なアイデアを作り出していたのに、今はそれをしなくなった。
 そしてゲーム制作の遅れ。
 右京さんはこのふたつのことからアイデアが出なくなったこと=才能の枯渇を推理したのだ。

 鴫野の才能が枯渇した理由は何だろう?
 これは僕の推理だが、
 おそらく好きな女性との結婚が決まって幸せになってしまったからだろう。
 クリエイターは何かが欠けていて、その穴を埋めるために何かを作り出す。
 孤独でハングリーであることが創作にかき立てる。
 鴫野は幸せになって、欠落や孤独や飢えを失ってしまったのだろう。
 少なくとも今の鴫野は以前の鴫野とは違っている。

 お洒落なのは、3人の事件関係者に心の秘密があったこと。
 ひとりはゲームクリエイター鴫野の才能の枯渇。
 ふたつめはゲーム会社・社長の秘密。
 みっつめはスピーチライター宮森由佳(瀬戸カトリーヌ)の秘密。
 ネタバレになるのでゲーム会社社長と宮森由佳の秘密は書かないが、「相棒」が「相棒」たる由縁はこういう所だ。
 3つも心の秘密を描いている。
 通常の1時間ものなら犯人の心の秘密(=動機)を描いて終わり。

 スピーチライター宮森由佳の動機は最近の「相棒」の他の事件でしばしば使われている。
 作家としてそそられる動機なのだろう。
 逆にゲーム会社社長の動機は刑事ドラマで散々使われてきた手垢の付いたもの。
 だから作家は3つの心の秘密を用意しなければならなかったのかも?


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