平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

青天を衝け 第34回「栄一と伝説の商人」~貧しいのは政治のせいか、努力が足りないせいか?

2021年11月08日 | 大河ドラマ・時代劇
「経済は勝つ者もあれば負ける者もある」
「欲のある者が前進する」
「強い者、才覚のある者が引っ張り、利益を独り占めする」
「貧しいのは努力が足りないせい」
「これからはカネの世ぜよ」
 岩崎弥太郎(中村芝翫)、新自由主義の権化のような人だな。
 現在でもこのように考える人は多い。

 一方、栄一(吉沢亮)
「皆で手を組み、知恵を出し合って、皆で豊かになる」
「貧しい者が多いのは政治のせい」
「カネは大事だが、それが目的ではない」

 ふたりの主張に多少の誇張はあるだろうが、
 ここに脚本・大森美香さんの現在に対する問題提起がある。
 経済人には道徳規範や哲学が必要だ。
 栄一の場合は「論語」。
 経済思想では「合本主義」。

 さて、僕たちはどちらを求める?
 自民党や日本維新の会に投票するってことは弥太郎的な考え方を支持する人が多いのかね?
 自己責任、自助、自業自得。
 やさしい社会はどこへ行った?
 自助を言うのなら国には頼らないから税金を下げろ。
 まあ、せいぜい転落しないようにがんばりましょう。
 …………………………………

 今回はお千代(橋本愛)の話でもあった。

 養育院で子供たちに裁縫を教える。
 泣きたい時は泣いていいんだよ、を諭す。

 栄一が社会の仕組みを変えて皆を幸せにしようとしたのに対し、
 千代は身近な所から皆を幸せにしようとしている。
 大きな視点と小さな視点。
 いずれも大切だ。
 大きな視点だけだと、必ずこぼれ落ちるものがある。

 その他にも千代は、ぜいたくを当たり前と考えるわが子を叱り、頭でっかちで他人任せの書生たちを叱りとばした。
 千代は背筋がまっすぐに通った人ですね。
 地に足がついていると言ってもいい。

 お千代さん、素敵な女性だ。
 今までの大河だと、千代みたいな立場の人はおざなりになることが多いのだが、しっかり描かれている。

 次回は女性の戦いですと?
 これは楽しみだ!


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