格差階級社会をなくそう

平和な人権が尊重される社会を目指し、マスゴミに替わって不正、腐敗した社会を追求したい。

逮捕しなければ「正義」が死ぬ。

2019-03-07 21:56:10 | 阿修羅コメント


逮捕しなければ「正義」が死ぬ。
__でも、自民党二階派の田畑毅衆院議員の場合は許されている。憲法50条には「両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない」とある。いわゆる「不逮捕特権」である。
__不逮捕特権は明らかに「法の下の平等」(憲法14条1項)に反する。それでも「例外」として、国会議員にだけ不逮捕特権が認められているのは、議員の身体の自由を保障し、政府によって議員の職務執行が妨げられないようにするためである。しかし、これは"時代遅れ"だ!
__大体「不逮捕特権」の由来は、中世のヨーロッパで、王が対立する議員を政治犯として不当に逮捕したことにある。命がけで「権力」に立ち向かう議員を守るための「例外規定」だった。
__しかし、今の日本で、そんな「反権力の政治家」が存在しているのか? 第一、今の国会、まともな審議を行っているのか?はなはだ疑問だ。いまや「不逮捕特権」は、劣化した議員の「不正」「不道徳」を隠す道具になっている。____
時系列を整理すると___
>2018年12月24日夜、2人で女性の自宅へ行き、寝ている間に乱暴されたと主張
>第197回(臨時会)平成30年10月24日から 平成30年12月10日 までの48日間
>田畑毅衆院議員(46)に乱暴されたとして、当時交際していた名古屋市の女性(20代)は2019年2月20日に、準強制性交容疑の告訴状を愛知県警に提出したことが捜査関係者への取材で分かりました。
となる。つまり、これは会期中の事件はではなく、不逮捕特権の期間に該当しない。
ここで思いつくままに論点を整理すると・・・
①逮捕しなければ正義が死ぬ__この国は正義が実現されているか?
②不逮捕特権は不要か
③小沢一郎冤罪事件を振り返る
この事件は、会期中の事件でもなく現行犯であり、当然に「現行犯逮捕」すべき案件であった。しかし容疑者は現職の与党議員であり、犯行現場が被害女性の住居でもあることから逮捕にブレーキがかかったのだろう。仮に後日、被害女性が訴えを取り消した場合には、逮捕した警官・警察の大失態となる。
この件は別にしても、この国は正義が実現されておらず、犯罪者が野放しになっていることは論を待たない。ドリル小渕、賄賂甘利、強姦魔山口、虚偽答弁佐川、籠池夫妻の裁判なき投獄、三井環冤罪事件、佐藤栄佐久元福島県知事冤罪事件、小沢一郎&3秘書冤罪事件などなど、枚挙にいとまがない。この国に法の支配はなく、三権分離もなく、時の権力集団によって統治される無法国家となっている。そのような現状の日本だからこそ、不逮捕特権は必要である。
2010(平成22)年1月15日、東京地検特捜部は政治資金規正法違反容疑で、衆院議員石川知裕容疑者(36)を逮捕した。3日後の1月18日には、第174回(常会)の国会が始まる直前の逮捕だった。結論を急げば、小沢一郎の愛弟子が国会デビューする直前、不逮捕特権に該当する前に逮捕して冤罪に嵌め、小沢一郎グループの政治的影響力に決定的なダメージを与えようと意図したものであり、メディアを巻き込んだ権力犯罪だった。

小沢一郎&3秘書の冤罪事件とは何だったのか? この国の支配者、本当の主権者は誰なのか?
この事件の本質については、経堂雪乃氏の論考が秀逸である。少し長いが、下記に全文を引用した。
>「小沢一郎の疑獄事件には、この国の利権構造が集約されている」以下転載・・・・
http://ameblo.jp/dembo531/entry-11880169601.html
  2012年 11月21日 Dear Slave III
小沢一郎の疑獄事件には、この国の利権構造が集約されている。壮絶なバッシングのモチベーションは小沢が掲げていた政策をみれば明らかだろう。つまり弾圧は彼が政界、財界、官僚、米国、報道これら全ての既得権益の解体を目指し、エスタブリッシュメントの逆鱗に触れたことに拠るのである。
マニフェストの骨子とは①特別会計の廃止、②独立行政法人など外郭団体の統廃合、③天下りによる官僚OBの不労所得の禁止、④米国による内政干渉の排除、⑤クロスオーナシップ(新聞社によるテレビ局経営)の禁止と電波オークション制度の導入、⑥企業団体献金の廃止(「政党評価表」による外資支配の排除)、⑦消費税引上げ禁止、⑧最低賃金法の導入と非正規労働の規制強化であり、つまり政策本質とは支配体制の破壊そのものであったわけだ。
あらためて説明するが、①‘特別会計’とはこの国の本体予算であり国家会計の本質だ。新規国債や年金、郵貯資金からの調達分(財政投融資)を合算し総額は300兆円規模となる。一般会計との重複を差し引き実効額は270兆円と推定されるが、国会の承認を得る必要がないことから、使途は実質として官庁裁量となる。つまり官吏によって私物化されているわけだ。
単式簿記という前近代的な会計方式により使途の遡及は極めて困難であり、財政のブラック・ボックス化がGDPの3倍超となる破滅的な国家債務をもたらしたと言えるだろう。」つぎに②‘独立行政法人’だが、繰り返し論述したとおり旧特殊法人である100余の外郭団体群が、財政投融資を通じ400兆円を超える債務を累積してきたわけだ。大半の法人は一般事業と重複し民業を圧迫するか、もしくは何らの生産活動も行っていない。
つまり③‘天下りによる官吏OBの不労所得’の最大が目的化されているのであり、官僚利権の本質と言えるだろう。年間の補助金だけで消費税額と拮抗する12.7兆円に達し、独立行政法人が起債した財政投融資という莫大な債務も国債に置換され、国民が租税により償還していると推定されている。
この国では90年代から「年次改革要望書」を通じ、あらゆる法案が米国の意向に基づいて起草されていたのだが、小沢・鳩山政権は発足直後にこれを破棄に持ち込んでいるのだ。④‘米国による内政干渉の排除’を実践し、つまり宗主国に対し反旗を翻したのだから、実働部隊である東京検察庁が国策捜査を発動し、反逆者を粛清するのも当然と言えるだろう。「年次改革要望書」は後に発足した管政権下において「日米経済調和対話」として刷新され、復活したことはご存じのとおりだ。
この国の報道は主権侵害の排除という英雄的行為を賞賛するのではなく、むしろ愛国者を背徳者として葬ろうとしているのだが、執拗な攻撃は社会正義ではなく、私欲によるものであることは語るまでもない。テレビ各局が支払う電波利用料が総売り上げの0.2%に満たないことは公然であり、メディアが総務省の所轄事業として便宜供与を受け、報道と行政が癒着し共謀関係にあることは明らかだろう。
小沢一郎は国庫財源として電波の適正使用料を設定し、EUに倣い電波入札制度を導入しようとしていた。そのうえ独占資本による情報支配を抑制するため⑤‘クロスオーナー・シップ(新聞社によるテレビ局経営)’の解体を目指していたのだから、メディアがバッシングに狂奔するのも当然である。
この国の政治とは、日本経団連が策定する「政党評価表」に示された政策の達成度によって献金が増減されるというふざけたシステムなのだけれど、つまり小沢一郎は⑥‘企業団体献金の廃止’によって、資本が国政を私物化する構造を解体しようとしたわけだ。経団連の過半数株式は外国人投資家によって制圧されているのだから、この構造において国政は民意ではなくJPモルガンチェースやゴールドマンサックスなど多国籍ファンドによって運営されているのだ。
何度でも繰り返すが、過去10年間に導入された時価会計制度、資本規制撤廃、輸出税還付制度や外貨準備金の過剰積立など外国勢力が要求した政策により、毎年国税収入を超えるカネが流出しているのだから反駁の余地は無い。キャッシュフローが明示していることは、この国が実質のプランテーションであるという現実に他ならない。
フラット税制(一律徴収の消費税)と労働者の非正規化は多国籍企業の常套手段であり、いずれの進出地においても貧困の蔓延と労働者の没落をもたらしている。消費税引上げによる13兆円のうち約50%が、輸出還付金として経団連(多国籍企業)グループに付与されるのは周知のところだろう。また2003年の派遣法改正によって労働者の約40%が使い捨ての非正規となり、年間30兆円の給与所得が不当に搾取されていることは繰り返し論述したとおりだ。
つまり小沢一郎が掲げた⑦‘消費税引上げ禁止’、⑧‘最低賃金法の導入と非正規労働の規制強化’とは、グローバリズムの対立概念(アンチテーゼ)なのであり、国民の総意である市場原理主義から修正資本主義への転換政策に他ならない。
錯乱するメディアは事件本質を収賄事件に矮小化しようと必死なのだけれども、小沢に関わる一連の擾乱は資本帝国と国民国家の相克であり、二項対立が激化する歴史本質の顕現なのである。

日本の現状を見れば、上記の指摘がそのまま当てはまるだろう。つまるところ日本は植民地であり、西欧資本・日本在住支配集団の利益拡大の為に傀儡の売国政権が擁立され、虚言・改竄を始めとしたあらゆる権力犯罪を封印しながら統治・支配しているということだ。そして選挙そのものが彼らに支配されているという惨状にある。しかし、余りにも酷い小沢一郎冤罪事件に憤る人物(たぶん、官僚)が、冤罪事件に関わった犯罪者たちを実名で告発している。
畢竟この国は、戦前と同じく、西欧資本と戦争財閥・軍産が支配しているのであり、民主主義は贋作に過ぎない。腐臭を放つ安倍自公政権を裏側から支え、利益を貪っている勢力を繋ぎ合わせれば、下記に引用した「日本の支配構造」が現実に近いのではないかと思う。そのような贋作民主主義の現状を打開し、本当の民主主義を実現しようとしているのが小沢一郎とそのグループであると言えるだろう。
>悪の巣窟同窓会名簿~ 小沢一郎冤罪事件・犯罪者集団名簿
http://blog.goo.ne.jp/fugimi63119/e/44202931f6baeff93b73a3d47e4e8273
>みんなが知らない「日本の支配構造」
http://rakusen.exblog.jp/iv/detail/?s=22922833&i=201509%2F19%2F00%2Fe0069900_02503226.jpg






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社説で「森友疑惑は法廷で真相を解明せよ」と書いた東京新聞

2019-03-07 19:41:35 | 阿修羅


社説で「森友疑惑は法廷で真相を解明せよ」と書いた東京新聞
http://kenpo9.com/archives/5704
2019-03-07 天木直人のブログ

 きょう3月7日の東京新聞の社説にもろ手を挙げて賛成だ。

 すなわち、きのうから大阪地裁で始まった籠池被告の初公判に関し、森友疑惑の真相は

法廷で真相を解明せよと書いたのだ。

 その内容は、国策捜査、国策逮捕、国策拘留だと叫んだ籠池被告を援護したものだ。

 あれほど国会で野党が追及したのに何も解明されなかった。

 その一方で疑惑の国有地土地売却を担当していた財務省職員が「書き換えをさせられて」というメモを残して自殺した無念にも触れ、ゴーン被告の108日をはるかに上回る10カ月もの拘留の不当さにも触れている。

 そして、「国民は、疑惑に対する明快な答えを得ていない。起訴内容とずれるが、この裁判を通じて少しでも解明されるように望む」と締めくくっている。

 100%同感だ。

 しかしである。

 もうひとつ、こうダメ押ししてほしかった。

 この国の司法もまた完全に安倍一強の政治に支配されている。

 その汚名を払しょくするために、「国策裁判」と言われないためにも、国民の方に顔を向けた判決を今度こそ書いてほしいと大阪地裁に注文を付けてほしかった。

 そして、国会で攻め切れなかった野党をあきらめるのではなく、国策判決を許さないように、裁判と並行して、今度こそ野党は森友疑惑で安倍政権を内閣・総辞職に追い込むべきだと、野党の尻をたたくのだ。

 やはり、「私や妻が関与していたら、総理はもとより政治家を辞める」と大見得を切った、あの発言の落とし前をつけるのは、国会でしかないということを、社説で国民の前に明らかにしてほしかった(了)



籠池夫妻初公判 法廷で真相を解明せよ
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019030702000192.html
2019年3月7日 東京新聞

 詐欺罪などに問われた学校法人「森友学園」の前理事長籠池泰典被告と妻諄子被告の初公判が大阪地裁で開かれた。起訴内容は疑惑の一部分。被告人質問などを通して全体像の解明に期待する。

 起訴状によると、両被告は小学校の建設費を水増しし、国の補助金五千六百四十四万円を詐取。学園などが運営する幼稚園の教員数などを偽り、大阪府や大阪市の補助金一億二千万円を詐取したなどとしている。夫妻は起訴内容の大半で無罪を主張。検察側とほぼ全面的に争う姿勢を見せた。

 起訴内容は、森友疑惑の核心そのものとは言えない。核心は、「小学校を建てるための国有地が、八億円も値引きされたのはなぜか」ということ。

 付随して、政権・官僚側に疑惑が浮上。「小学校に首相の名前を冠し、首相夫人が名誉校長をしていた時期がある」「財務省の公文書十四通が、首相夫人に関する記述を削除するなど改ざんされた後に国会へ提出された」「国の側から学園側に買い取り可能な金額を尋ねた」などの不可解な指摘が積み重なった。

 「官僚に、首相らへの忖度(そんたく)が働いたのでは」と野党などから批判されたが、国会での真相究明は不発だった。公文書の改ざんは財務省が認めて公表。虚偽公文書作成容疑などで同省の佐川宣寿・元理財局長ら三十八人が告発されたが、大阪地検は不起訴にした。現在、不服申し立てを受けた検察審査会が審査している。

 夫妻の裁判では今後、国の職員ら十九人が証人尋問を受ける予定。起訴内容に関わる問いが主になろうが、いびつな官僚体制を正すために、忖度なく真実を証言してもらいたい。

 籠池夫妻は二〇一七年七月に逮捕された後、十カ月も勾留された。百八日間の勾留の後、六日出所したゴーン被告を大幅に上回る「人質司法」ぶり。この日の法廷で、泰典被告は「国策捜査、国策逮捕を絶対許さない」「小学校は首相と夫人の応援でつくりあげたのに値引き問題が発覚すると首相は保身に舵(かじ)を切った」などと主張。裁判前には「くすぶりに火が付いてどかーんとなるのが今回の裁判だ」と話していた。

 森友疑惑をめぐっては、国有地売却を担当した国の職員が「書き換えをさせられた」とメモを残して自殺した。国民は、疑惑に対する明快な答えを得ていない。起訴内容とずれるが、この裁判を通じて少しでも解明されるよう望む。







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特殊法人は法的には幽霊だ

2019-03-07 18:57:15 | 杉並からの情報発信


推奨本朗読】衆議院議員石井紘基著『日本が自滅する日「官僚経済体制」が国民のお金を食い尽くす!』(PHP2002年1月23日発行)

第五十回目朗読 (2019.03.05)

第二章 経済むしばむ“官企業”―特殊法人と公益法人など (P112-186)

http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/1067.html

第二節 特殊法人は法的には幽霊だ (P122-130)

●論理無茶苦茶の「財テク」集団 - 年金資金運用基金 (P142-145)

年金資金運用基金は、平成一三年四月に年金福祉事業団から移行した特殊法
人である。名称は変わったが事業内容に大きな変化はない。従来、年金特別会
計が年金の積立金の全額を旧大蔵省の資金運用部に預託し、その資金運用部か
ら年金福祉事業団が借り入れて“財テク”を行っていた。

これでは国民の年金を利用した単なる天下りビジネスに過ぎないというの
で、平成一三年に名称を変更して年金資金運用基金とし、年金資金の全額を自
主運用することになった。しかし、これまでの年金の積立金は七年間の預託に
していて運用部から返ってこないため、この基金の事業内容は当面、従来とほ
とんど変わっていない。

ただし、将来は、一五〇兆円規模の年金積立金の運用がこの基金によって行
われることになる。これまでの放漫ぶりを見れば、まことに心配なことであ
る。以下に現在のこの基金の放漫経営ぶりを見てみよう。

国民から集めた年金資金は従来、旧厚生省の年金特別会計に入り、そこから
資金運用部に貸し込んできた。この累計が平成一一年度末で一四四兆円であ
る。資金運用部は、これを財投などに投じる。年金特会はこの利息として年五
~六兆円を資金運用部から受け取る。

ところが、一方、旧厚生省の年金資金運用基金は財投から逆に毎年五兆円程
度借りてくる。借金の累計は三六兆円である。そして、その利息が年一兆三〇
〇〇億円、元利合計で五兆円超を財投に支払っているのである。

つまり、旧厚生省は国民の年金の積立金を「運用」するため三・五%の利率
で資金運用部へ貸し付けたものを、そっくり三・六%の利息を払って借りてく
るという、とんでもない背信行為を働いているのである。

しかも、それを上塗りして、内職ビジネスで損を出しているのである。年金
資金運用基金は平成一二年度だけでも一兆八〇〇〇億円の欠損金を出した。従
来分を合わせた累積損金は、なんと二兆円に達しており、その穴埋めに毎年国
費が七二〇億円も注ぎ込まれているのだ。「年金の積立金を運用で増やす」と
はしらじらしい。無茶苦茶だ。

要するに、国民の老後のための国民の金は次から次へとタライ回しされ利用
され、行った先々で借金をつくり、その果てしなく積もる借金の利息に、行っ
た先々で国民の別の金(税金)が注ぎ込まれている、という構図なのである。

それでは年金資金運用基金は、借り入れた金三六兆円を使って何をしている
のか。うち約二七兆円は信託銀行、生命保険会社など機関投資家に託して国
債、外債などの債権・株式等で運用している。金額が莫大であるので各民間金
融機関は目の色を変えて、その獲物を競っている。事業団から金融機関に落ち
る受託手数料は一兆円につき年間二〇億円ほどといわれる。

この年金財源を使って公益法人を作り、金融機関から拠出金を召し上げてい
るのが、(財)年金保養協会の中に平成五年に開設された「年金資金運用研究
センター」である。

このセンターは、財団本来の目的とされる余暇保養の研究とは何の関係もな
い「資金運用手法の開発に関する調査研究」のために、年金資金運用基金が調
査研究委託費を出す一方、都市銀行、信託銀行、生命保険会社、投資顧問会社
など八七社から賛助会費を取っている。

年金資金運用基金は年金資金を株式や債券市場に投資しているが、旧厚生省
が売り買いのディーリングにまで手をのばすとは一体全体どうなっているの
か。行政マンが一日中相場に張り付いて切った張ったをやれる訳はない。おか
しいことが自らわかっていながら旧厚生省があえて設けた癒着組織といえよ
う。

年金資金運用基金の、もう一つの「財テク」は、住宅資金や福祉施設などに
対する融資事業と、ホテル、健康センターなどの施設事業である。資金は約一
〇兆円だ。

ご多分に漏れず、住宅資金貸し付けでは返済が六カ月以上延滞している不良
債権が四〇〇億円を超しているし、小口貸し付けでも四〇億円が返済不能状態
である。また、一四七万件の住宅貸し付けも金利が高いため二年度だけでも一
兆二五〇〇億円のローン繰り上げ返済があった。繰り上げ返済をされても「基
金」から財投への繰り上げ返済はできない仕組みであるから莫大な逆ザヤ損失
が生ずる。この分だけで一一年度四二〇億円の利子分が国費によって穴埋めさ
れた。

融資事業の対象としては、大規模年金保養基地「グリーンピア」がある。一
カ所一〇〇万坪の宿泊、レクリエーション施設を全国「三ヵ所(=基地)に展
開しようという(財)年金保養協会の総合ホテル経営事業である。理事長は元
厚生省事務次官の加藤威二氏。職員は一一一〇名で、事業部の一三名を除き、
すべてホテルの事務・運営管理に当たっている。

今日までの総投資額は一九三四億円にのぼり、これだけの国費を注ぎ込んで
も、ほとんどの施設が大赤字である。幾重にも天下り団体が介在したのでは成
り立たないのは当たり前だ。かといって天下り団体が介在しないのでは厚生労
働省として、わざわざ民間を押し退けてまでやる意味はない。

(続く)






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