2009年7月14日衆院本会議野田佳彦氏の大演説
市民メディアの草分け的存在のひとつである
News for the People in Japan(NPJ)
から、インタビュー動画収録の要請があり、11月15日に収録を行った。
インタビューアーは、NPJ代表で岩波新書『報道被害』の著者としても知られる、
山梨学院大学法科大学院教授で弁護士の梓澤和幸先生
と
元朝日新聞経済部記者で弁護士の中川亮氏
が担当された。
現在、NPJサイトで、NPJロングインタビューシリーズとして、
エコノミスト植草一秀氏に聞く
TPPを語る 1
TPPを語る 2
ヨーロッパ経済危機について
原発問題について
の各テーマについての動画が配信されているので、ぜひ、ご高覧賜りたい。
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11月22日日経新聞朝刊1面トップには、
「消費税 2段階で10%」
の見出しが躍った。
記事には、
「政府・民主党は21日、社会保障と税の一体改革で焦点となる消費税増税について、現行5%の税率を2015年までをめどに2段階で引き上げ、10%にする方針を固めた。まず14年4月にも税率を8%に上げる案が有力。食料品など生活必需品の税率を特例で低めにする「軽減税率」の導入は当面見送る。」
と記述された。
野田佳彦氏は身も心も米国、財務省、経団連に売ってしまった存在である。魂を売ることが、政治家として高い地位を得、利得を得るための近道であると考えたのだと思われる。
しかし、この選択が、主権者である国民の意思を踏みにじるものである点に致命的な誤りがある。
大王製紙の三代目会長が、カジノで会社の金を100億円も吹き飛ばして特別背任容疑で逮捕された。企業、株主に対する背信行為は法律で厳しく処罰される。
私は逮捕された元会長の父親である二代目元顧問と面識があるが、世の中は自分を中心に回っていると考え、天動説を文字通り地で行く傍若無人の振る舞いを示す人物との印象が強い。その子息が今回の問題を引き起こしたわけで、「天網恢恢疎にして漏らさず」の感を否めない。
野田佳彦氏の行動は主権者国民に対する背信行為である。これは、日本国憲法違反であり、より重大な犯罪行為であると言わざるを得ない。罰則規定を設けて、刑事罰を科すことを検討するべきだ。
日本国憲法前文に
「そもそも国政は国民の厳粛な信託によるもの」
と明記されている。そして、
「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し」
とも明記されている。
消費税問題は国民生活の根幹に関わる最重要問題である。2009年8月総選挙、2010年7月参院選のいずれの機会においても、消費税問題は最重要争点となった。
その消費税問題に対して、主権者国民は明確な拒絶の意思を表示し、選挙によって国会議員となった主権者の代表者は、その民意の負託を受けている存在である。
2009年8月の総選挙では、自民党が消費税増税を公約に掲げた。この公約を盛り込んだのが、所得税法附則104条である。
これに対して、鳩山由紀夫民主党は、2013年の衆議院任期満了までの期間は消費税問題に手を付けないことを明言した。その後、議論することは妨げないとしたが、この期間は、まず、徹底的に政府支出の無駄を排除することを優先する方針を明示したのだ。
政府支出の無駄を排除するうえで、最重要の課題として提示されたのが「天下りの根絶」である。
実は、鳩山民主党が最大の問題だとした、「天下り問題」については、野田佳彦氏が2009年7月14日の衆議院本会議で、大演説を行っている。麻生太郎内閣に対する不信任決議案に対する賛成討論を行ったものである。
以下にその内容を国会議事録から転載する。
「さて、もう一つは、官僚政治をコントロールする能力と気概がないということであります。
昨年の通常国会で、与野党が修正をして、国家公務員制度改革の基本法をつくったはずであります。でも、その基本法の精神はどんどんと後退をし、逸脱をし、そして今の、今国会の法案の提出となりました。中身は明らかに後退をしています。
加えて、一番国民が問題にしている天下りやわたりを実効性ある方法でなくしていこうという熱意が全くありません。
私どもの調査によって、ことしの五月に、平成十九年度のお金の使い方でわかったことがあります。二万五千人の国家公務員OBが四千五百の法人に天下りをし、その四千五百法人に十二兆一千億円の血税が流れていることがわかりました。その前の年には、十二兆六千億円の血税が流れていることがわかりました。消費税五%分のお金です。さきの首都決戦の東京都政の予算は、一般会計、特別会計合わせて十二兆八千億円でございました。
これだけの税金に、一言で言えば、シロアリが群がっている構図があるんです。そのシロアリを退治して、働きアリの政治を実現しなければならないのです。残念ながら、自民党・公明党政権には、この意欲が全くないと言わざるを得ないわけであります。