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人を轢き殺しても逮捕もされない人たち

2019-04-23 09:06:12 | 植草一秀氏の『知られざる真実』


人を轢き殺しても逮捕もされない人たち
日本には世直ししなければならないテーマが山積している。

安倍政治を終焉させて、日本の世直しを実現する政権を早期に樹立しなければならない。

日本の世直しのテーマとは何か。

この国かたちに関わる問題と経済政策に分けて提示すると以下のとおりになる。

この国のかたちに関わる問題として以下の五点を挙げることができる。

1.対米従属

2.情報空間

3.教育

4.官尊民卑

5.刑事司法

この五つのテーマを解決することが必要だ。

経済政策についても五つのテーマを挙げることができる。

1.所得分配

2.税制

3.民営化

4.TPPプラス

5.利権財政

これらのテーマについて明確な解を求める。

その解を実現する新しい政権を樹立しなければならない。

これが日本の世直しである。

ここでは、刑事司法と官尊民卑について取り上げておきたい。

4月19日、池袋でトヨタ製乗用車プリウスが暴走し、自転車で横断歩道を渡ったいた松永真菜さんと、娘の莉子ちゃんを殺害する事件が発生した。

加害者は87歳の男性である。

事件を起こした車は左側面をガードパイプに接触した後、速度を上げて約70メートル先の交差点に進入して自転車で横断中の70代男性をはねた。

さらにその先の交差点で松永さん親子をはねた。

車は時速100キロを超すスピードで横断歩道に侵入したが、信号機はいずれも赤信号であったと見られている。

通常、警察当局は、この種の事件の加害者を逮捕して取り調べを行う。

ところが、今回の事件では加害者が逮捕されておらず、報道でも一部では敬称をつけて加害者の名前が公表されている。

極めて奇怪な対応である。

同様の奇怪な対応が示された重大事件があった。

昨年2月に東京都港区白金で発生した自動車による歩行者殺害事件である。

トヨタの高級車「レクサス」を運転していた加害者が道路の路肩でいったん停車し、知人を乗せようとした際に急発進して暴走。

歩道を歩いていた37歳の男性をはねて殺害し、さらに道路脇の金物店に突っ込んで建物の柱やシャッターなどをめちゃくちゃに壊したのである。

実はこの重大事件でも加害者が逮捕されていない。

極めて奇怪な対応である。

二つの事件の加害者に共通する属性がある。

4月19日の事件の加害者は無職の飯塚幸三氏であるが、飯塚氏は以下の経歴の持ち主である。

東京大学卒
経済産業省工業技術院長
株式会社クボタ副社長
2015年瑞宝重光章受章

元キャリア官僚で、トヨタを所管する経済産業省出身者である。

2018年の白金事件の加害者は石川達紘氏(79歳、事件当時78歳)である。

石川氏の経歴は以下の通り。

中央大学法学部卒
東京地検特捜部長
名古屋高検検事長
2009年瑞宝重光章受章

こちらも官僚出身で検察高官を務めた人物である。

日本の刑事司法は完全に腐敗している。

最大の問題は警察、検察に不正で不当な巨大裁量権が付与されていることだ。

その裁量権とは、

1.犯罪が存在するのに無罪放免にする裁量権

2.犯罪が存在しないのに無実の人間を犯罪者に仕立て上げる裁量権

である。

上記2名の加害者は1によって逮捕されず、私などは政治権力にとって危険な人物であることを理由に2によって犯罪者に仕立て上げられた。

こうした日本の刑事司法の腐敗を是正する必要がある。






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