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閉会中審査は予算委集中審議・臨時国会への第1弾

2017-07-06 09:58:33 | 植草一秀氏の『知られざる真実』

閉会中審査は予算委集中審議・臨時国会への第1弾

7月10日に衆参両院で閉会中審査が行われることになった。

しかし、7月10日は安倍首相が不在で出席しない。

加計問題を審議するのに、疑惑の中心人物が出席しない。

例によって、決定したのは自民党の竹下亘氏と民進党の山井和則氏の両衆議院国会対策委員長である。

この二名による国対委員長会談が行われると、必ず与党の要求が通る。

通常国会で共謀罪が制定されたこと、森友学園問題で安倍昭恵氏の証人喚問や参考人招致が実現しなかったのは、山井氏が安易な妥協を示してきたことによるところが圧倒的に大きい。

山井氏の行動の背後にあるのが野田佳彦民進党幹事長の意向である。

代表の蓮舫氏はお飾りに過ぎない存在で、野田氏を中心とする民進党の

「隠れ自公勢力」

が水面下で自民党と通じる談合政治を行っているのである。

談合政治を行う最大の動機は「保身」である。

政治刷新を実現しようなどという気概は消え失せて、ただひたすら、議員であり続けることだけが目的になっているのだと思われる。

次の選挙で、立候補する選挙区に強敵を擁立されないこと。

この要因によって、完全に癒着してしまっているのである。

したがって、日本政治を変革するには、民進党の解体的改革を避けて通れない。

そもそもの間違いは2012年の消費税増税法の強行制定にある。

山井国対委員長は、自民党が7月10日の閉会中審査を提案したことについて、

「この期に及んでも安倍首相は国会で説明したくないご意向のようだ。考えられない。」

として、これに応じない素振りを見せたが、その直後に、自民党の主張どおりに、7月10日に閉会中審査を実施することになった。

自民党の竹下亘国対委員長は、

「10日の状況を見た上で総合的に判断する」

としたが、これで幕引きされることは許されない。

野党は臨時国会の召集を求めている。

日本国憲法第五十三条は、

「内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。」

と定めている。

この条文について、自民党憲法改正草案は、

(臨時国会) 第五十三条 内閣は、臨時国会の召集を決定することができる。いずれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があったときは、要求があった日から二十日以内に臨時国会が召集されなければならない。

に改正する提案を示している。

現行憲法には臨時国会召集の期間の定めがないが、自民党憲法改正案では、

「要求があった日から二十日以内に臨時国会が召集されなければならない。」

としたのである。

したがって、安倍政権は速やかに臨時国会を召集しなければならない。

7月10日に前川喜平前文部科学事務次官を参考人招致して閉会中審査を行い、安倍首相が帰国後に、衆参の予算委員会を開催して集中審議を行い、その上で臨時国会を召集するというのが、当然の今後の流れになる。

加計学園問題では最大の当事者である加計学園の加計孝太郎氏を国会に招致して尋問を行うべきである。

加計学園の獣医学部新設は、結局のところ、安倍首相の「腹心(ばくしん)の友」である加計孝太郎氏が経営する加計学園が希望する獣医学部の新設を安倍政権が国家権力を活用して強引に認めたものである。

加計学園による獣医学部新設という結論が先にあって、その結論に、無理やり誘導したものである。

そのプロセスが、明らかにされる各種文書等によって明確に浮かび上がっている。

文部科学省が行政を歪めたのではなく、安倍政権の政治私物化プロセスが行政を歪めたものである。

東京都議選で安倍自民党が歴史的な大敗を喫した最大の理由は、主権者が安倍政権の政治私物化に明確なNOを突き付けたことにある。

主義主張の問題ではなく、主義主張以前の、政治私物化、政治腐敗を主権者は問題にしているのである。

この政治私物化問題を明らかにして、安倍首相の責任を明らかにすることが必要であり、そのためには、安倍昭恵氏に対する参考人招致、あるいは証人喚問が必要不可欠である。

野党第一党の民進党は、責任をもって、その実現を図る責務を負っている。









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