短期前払費用

2016年07月26日 | Weblog

皆さん、いかがおすごしでしょうか。

今回は、短期前払費用についてです。

 

節税の手段として用いられる事が多いのがこの短期前払費用です。

さて、短期前払費用とはどのような物でしょうか。

 

前払費用の中には、地代家賃、保険料、支払利息など、その支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものがあり、このような短期前払費用については、継続して適用することを条件に、その支払時点で損金に算入することが認められます(短期前払費用の規定)。
 ただし、収入と直接的な関係にある費用については、適用対象外となります。例えば、借入金を預金や有価証券などに運用するといった、借入金とその運用とがひも付きになっている借入金の支払利息のように、収益と対応させる必要のあるものについては、たとえ1年以内の短期前払費用であっても、支払時点で損金に算入することは認められません

(法基通2-2-14)。

また、次の注意点があります。

・重要性の原則から考えて問題が無いこと

・等質・等量のサービスであること

・毎期継続すること

・決算月に支払うこと

 

事前準備と検討が重要になってくる対策ですので、くれぐれも慎重に取り組む必要があります。

 

                                     寺崎 幸治


特別休暇について

2016年07月19日 | Weblog

皆さんこんにちは。

博多祇園山笠も終わり、九州から東海地区まで梅雨が明けました。(正式には、明けた模様です。)

多くの会社では、年次有給休暇のほかに、従業員の慶事や弔事に対して、慶弔金を支給したり休暇(特別休暇)を付与したりする会社が多くあります。

そこで、今回は特別休暇を付与するにあたり注意しておかなければならない点を確認したいと思います。

この特別休暇は、労働基準法に規定されている年次有給休暇とは異なり、会社独自で設けているもので、内容も自由に設定できます。

それだけにトラブルを防ぐためにも、次のような点を明確にしておきましょう。

1.賃金の支払いの有無

  休暇を取得した際に、有給とするか無休とするか

2.連続取得を要件とするか

 特別休暇の要件にたして、2日以上の休暇を付与する場合に連続して取得しなければいけないか、分割して取得することできるか

3.所定休日の場合の扱い

 2日以上の休暇を付与する場合で、その期間内に所定休日が含まれる場合、所定休日を特別休暇に含めるか

4.有効期間はいつまで

 特別休暇を取得できる事案が発生した場合、所得できる期間をいつからいつまでとするか

5.資格取得に対する休暇など

 職種によっては、資格や免許を持って初めて業務に就くことができるものがあります。

 会社が入社後に資格や免許を所得させるような場合も多くみられ、取得のための講習や試験の受験を業務命令で行い、労働時間として取り扱うことが多いようです。

 ただ、再受験となった場合は、不公平感が出ないように有給休暇をもって受験させることもあります。

慶弔に関することなど、常識の範囲内で判断できる事例は良いのですが、ルールがないことでその都度判断をすることを要求される事例については、従業員の間で不公平感の出ないような判断基準作りが必要となってきます。

 

監査部3課  平野 誠


国税のクレジットカード納付について

2016年07月11日 | Weblog

 みなさん。こんにちは。

 福岡は今日も雨が降っています。今年の梅雨は、本当によく雨が降りますね。

 そんな中、福岡では、7/1から始まっている博多祇園山笠が、今週の12日から追山ならし、集団山見せ、そして15日に追い山と、いよいよクライマックスを迎えます。

 博多では、追い山が終わると梅雨が明け、本格的な夏が来ると言われています。いよいよ夏本番ですね。

 さて、話は変わり、現在、地方税においては、一部の自治体ですでにクレジットカードによる納付が行われておりましたが、平成28年度の税制改正において、国税においてもクレジットカードによる納付ができるようになりました。

 主な内容は、以下の通りです。

・インターネットを利用して納付する場合に限られます。

・クレジットカードでカード会社に納付委託した日が、納付日とみなされます。

・平成29年1月4日以後に国税の納付を委託する場合に適用されます。

・税額に応じた手数料がかかります。

 クレジットカードで納付するメリットとしては、以下のようなことが挙げられるのではないでしょうか。

・納付のために金融機関にわざわざ出向かなくて済む。

・実際の現預金の支出は、カード引落日となるため、資金繰りに日程的な余裕ができる。

・納付期限の日に、金融機関が閉店した後でも、納付を行うことができる。

・クレジットカードのポイントが貯まる。

 来年以降の納税について、クレジットカードに納付も検討されてみてはいかがでしょうか。

 

吉野直樹

 


資産管理について

2016年07月05日 | Weblog

10年以上前の前職での経験談です。
ある県の製造工場の固定資産(償却資産)税が膨大でした。
資産台帳を見ても、よく分かりません。ただ資産台帳の件数が600あるとだけは分かります。
では、現物を確認しようとなりました。

まずは資産台帳の精度を調査するために、現場の人の協力のもと、3日間工場に付きっきりで作業しました。
手や足は傷だらけになり、ズボンは油まみれで帰宅しました。
調べると、
「資産台帳にあるはずの成形機がない。」、「資産台帳にない金型がここにある。」などなど・・・。
3日間で建物、機械の調査を終え、資産台帳自体が疑問だらけになりました。
その他に金型が300を超え、外見からは判断が付かないため、現場の人に協力をお願いして、終了したのは2ヵ月後でした。

2ヵ月後の資産台帳を整理すると、600件あった固定資産が、400件になりました。

原因は、資産の管理機能が失われていました。
調査した主な原因として、
・海外製造工場を立ち上げた際に、機械・備品を売却したことを、経理に連絡がなかった。
・除却、売却の処理を行っていなかったため、市への償却資産税申告時の増減明細書も反映されず、現物の無い資産にも資産税がかかっていた。
・取壊された建物は、取壊し業者が滅失登記をしていたが、市が処理漏れだった(市と言い合いになりました)。
・現場の人に、資産には償却資産税というランニングコストがかかる、遊休資産・償却済み資産でも償却資産税がかかるなどの説明が必要だった。
他には現場の人の協力を得るのにいろんな壁があったりと、今思うと資産の管理機能を回復するために膨大な労力と時間を費やしました。

話には、必ずオチがあります。
翌年の固定資産(償却資産)税は、50万円ほど減少!
意気揚々と社長に報告したのですが、社長からは、「お前達が放置していたからだろう!!当たり前の事をしただけじゃないか!!」と怒鳴られました・・・。

まとめとして、資産を大量に保有している会社の資産管理方法としては、
①半年に一度、資産実査を現場でおこなってもらう。 = 申告前の12月頃には実査を行うべき。
②機械、備品の配置図を作成する。 = 現場の人に「見える化」を促す。
③固定資産に管理シールを貼る。 = 現場の人に「見える化」を促す。
④固定資産取得時に写真を撮る。 = 現場の人に「見える化」を促す。
⑤固定資産管理ソフトは、写真を取り込める物を購入する。 = 経理や社内でも「見える化」を行う。
⑥固定資産について、取得報告書、除却・売却の報告書を現場から上げてもらう。 = 現物管理は現場の人が行うという意識を芽生えさせる。
⑦土地や建物は、市の処理漏れを確認するために、別途Excelなどで管理し、固定資産税の評価額明細と突合する。 = 確認せずに払わない。
以上、7つのルールを経理だけでなく、現場、社内において徹底する必要があります。

資産を大量に保有している会社で、資産管理を構築することが出来ない場合は、ご相談下さい。

 

監査部2課 吉野伸明