事業用固定資産の転用・売却

2011年02月28日 | 税務情報(個人関係)
今日で2月も終わり、明日から3月です。

福岡も日々暖かくなっています。

オープン戦も始まり、ホークスが久々にヤフードームに帰ってきました。
今年は新戦力も入り、活躍が楽しみですね。
今年こそは日本一をぜひ期待したいと思います。


さて税理士事務所にとって今の時期は、最も多忙な時期です。
確定申告期限までの日数も少なくなっており、毎日何件完成させるかという状態になっております。


今回のお話はこの確定申告特に消費税課税事業者の方で誤りやすいことや見過ごしてしまうことを述べたいと思います。


<事業用資産の家計への転用>
 事業用として車を購入した場合は、課税仕入れとして仕入税額控除の適用を受けることができます。

 その車を年の途中で100%自家用とした場合には、自家消費と同様に課税売上となってしまいます。

 (例)
  税込み経理の課税事業者で、簡易課税の届出を提出していない方です。
  この方が平成21年1月に普通乗用自動車を事業用のために105万円(税込)で購入。
  課税売上割合95%以上(全額控除)で事業専用割合は70%の場合、
  平成21年の仕入税額控除の額に
   105万円×5÷105=5万円
   5万円×70%=3.5万円
  を加算します。
  
  ちなみに平成21年の減価償却額は、
   105万円×0.167×12÷12=175,350円
  で、うち経費に算入されるのは、
   175,350円×70%=122,745円
  です。 
  
  平成21年12月31日時点の帳簿価額は、
   105万円-175,350円=874,650円
  です。

  平成22年5月1日に自家用に転用しました。
  このときの帳簿価額は、
   105万円×0.167×4÷12=58,450円
   874,650円-58,450円=816,200円
  です。
  ちなみに経費に算入する減価償却額は、
   58,450円×70%=40,915円
  です。

  この場合、消費税の課税売上高には
   816,200円×100÷105×70%=544,133円
  加算することになります。

<事業用固定資産の売却>

 上の場合で、他人に売却、例えば下取りに出したときはどう処理するでしょう。


 平成22年5月1日に105万円で売却した場合には、

 消費税の計算上、課税売上高には
  105万円×100÷105×70%=70万円
 加算することになります。

 ちなみに所得税の短期譲渡所得の収入金額は、
  105万円×70%=73.5万円
 です。
 譲渡原価は
  816,200円×70%=571,340円
 譲渡所得の必要経費に算入される消費税額は、
  73.5万円×5÷105=35,000円
 短期譲渡所得は
  735,000円-(571,340円+35,000円)=128,660円
 になります。



 事業用固定資産を転用、売却した場合には、注意しましょう。


 それでは、同業の税理士事務所の皆様、頑張って確定申告を乗り切りましょう!!

(文責)品質管理部門長 三宅康司    
  

給与所得控除改正の影響

2011年02月20日 | Weblog
 皆様こんにちは!
福岡はこのところやっと春の気配を感じるようになってきました。
皆様お住まいの地域はいかがですか?

 さて、平成23年度税制改正大綱が昨年の12月に閣議決定されました。
今回の改正は、法人全体の税負担を軽減する代わりに、個人の税負担が増えるような改正項目となっています。
個人の税負担が増える代表格として、「給与所得控除の改正」があります。

 今回は、この給与所得控除の改正についてお届けしたいと思います。


 給与所得控除とはそもそも、給与について税金の計算をする場合、給与収入から差し引くことができる控除分をいいます。
自営業者の場合は、商品の売上金額から仕入原価や販売経費などの、必要経費を差し引くことができます。
会社員の場合は、この必要経費の代わりに、給与所得控除が認められているわけです。

今回の改正の内容
1.給与所得控除の頭打ち
給与所得控除額は、245万円が上限になります。

2.役員給与等に係る給与所得控除の見直し
法人役員で年収2,000万円を超える場合は、年収区分に応じた給与所得控除額となります。
この場合の法人役員は、取締役・監査役のほか理事や監事なども該当します。

たとえば、社長の年収が3,600万円の場合、この改正のみで177万円の所得増となります。
税率を所得税・住民税合わせた最高税率50%とすると、税金が88.5万円増えることになります。
この改正は平成24年分以後の所得税及び平成25年度分以後の個人住民税について適用されます。
つまり、来年以降に適用となるわけですが、法人の役員給与は、会社の毎期定時改定で決まります。3月決算法人にあっては、5月以降の株主総会等で役員給与が決定されることでしょう。
今回の決算終了後の株主総会等で決定される役員給与が、来年の個人の税金計算に影響を及ぼします。

ご自身の税金負担がどのくらい増えるのか、事前に試算されることをお勧めします。



ツイてる男

配当金の税金

2011年02月14日 | Weblog
まだまだ寒い日が続きますね。
年間にこんなに雪の日が多いのは初めての経験です。

本格的に確定申告の時期に突入してきました。
今回は株の配当金の確定申告についてお話しさせていただきます。

上場株式等の配当等を受けた場合にも税金がかかります(所得税7%、住民税3%。平成24年からは所得税15%、州民税5%)。基本的には源泉徴収されるので、確定申告をする必要はありません。しかし、確定申告をすることで配当控除を受けたり上場株式等の譲渡損失との損益通算が可能になり得をするケースもあります。


①株式や投資信託で売却損を出している方
【申告分離課税方式】で確定申告をすると株式の譲渡損失と損益通算することで源泉徴収された税金を取り戻せます。

*平成22年からは「源泉徴収ありの特定口座」に上場株式等の配当を組み入れることによって、その口座内で生じた譲渡損失と確定申告をせずに通算することができるようになっています。

②配当を入れた課税所得が330万円以下の方
【総合課税方式】で確定申告をすると累進税率と配当控除の適用を受けるため実質税率が下がり税金を取り戻せます。具体的には「給与」と「配当」を合わせた所得金額が330万円以下の人は、配当の税率が7.2%に下がります(確定申告しないと10%です)。

確定申告の【課税方式】によって株式譲渡損失の損益通算を受けるのか、配当控除を受けるのかが決まります。どちらか一方しか受けられないことに注意が必要です。また②を選択する場合に課税所得が330万円を超えていると逆に税率が上がってしまいます。

株式の配当があった方で①②に該当する方は確定申告することを検討されてはいかがでしょうか。申告には証券会社からの株式等の年間取引報告書、配当金支払通知書が必要になります。

川上裕也

夫婦と税

2011年02月07日 | Weblog


寒さが少し緩和されてきた今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?
私は相変わらず、モコモコ着れるだけ着こんで今日も出勤しています。

そんな中、温かい暖かい出来事が昨日ありました。
弊社エースになると思われる男性職員の’結婚式’です。
新しい家庭の誕生に、幸せいっぱいの式となりました。

そこで、今日は’夫婦と税’をお届けしたいと思います。

結婚したとは言っても、最近は奥様も仕事されている家庭が増えてきました。
また以前は、専業主婦を扶養する旦那様というのが多かったようですが、現在は有能なキャリアウーマンが、子育てをする主夫を扶養するパターンも出てきました。(うちのエースは大丈夫でしょう。)

フルで働かない場合、[1] パートで働く[2] 内職をする、が考えられますが、
[1] と[2] では税金上、計算が違ってきます。

[1] パート収入・・・給与所得となります。
*皆様ご存じの通り、給与所得控除額(最低65万円)と基礎控除(38万円)などの所得控除を差し引いた額が、課税所得となります。つまり、103万以下でほかに所得がない場合は税金がかかりません。
*ちなみに住民税の場合は、100万円以下ででほかに所得がない場合は、住民税(所得割)はかかりません。

[2] 内職の収入・・・事業所得又は雑所得となります。
*内職などの収入は、収入から必要経費を差し引いた残りが所得額となります。ただし、家内労働者・外交員・集金人・電力量計の検針人又は特定の方に対して継続して労務の提供をする方で、その必要経費と給与所得の収入金額の合計が65万円に満たない場合は65万円を必要経費として差し引くことができます。
つまり、内職の年収が103万円以下でほかに収入が無い場合は、税金はかかりません。

新婚生活を始められる方、また、お仕事を始められる奥様方は上記を確認いただければと思います。


津田千春