教育資金の贈与

2013年04月30日 | Weblog
初夏を思わせる陽気になりました。

みなさまいかがお過ごしでしょうか。

平成25年度税制改正により、この4月から祖父母等(贈与者)が、金融機関に子・孫(受贈者)名義の口座等(教育資金口座)を開設し、教育資金を一括して拠出した場合、この資金について子・孫ごとに1500万円までを非課税とする「直系尊属からの教育資金の一括贈与の非課税措置」が施行されています。

これは祖父母さまが教育資金をお孫さまへ一括贈与した場合において贈与税が非課税となるものです。
お孫さま1人あたり、1,500万円までの教育資金贈与が非課税となります。
祖父母様は贈与される教育資金を信託銀行に預けることになります。
非課税となる教育資金の範囲は、幼稚園から大学までの学校、外国の教育施設、海外の日本人学校 等教育機関への 入学金や授業料等費用です。

以上ご案内致します。

阿部笑美子

国外に財産を持ちですか?

2013年04月22日 | Weblog
おはようございます。平成24年度の所得税の確定申告が終わり、平成25年度が始まりました。
さて、次回の申告より開始となるのが「国外財産調書制度」です。
日本が不安定な状況が続く中、財産を国外へという話も年々増えてきています。金融資産でなく海外の不動産投資等、財産の運用も様々になってきました。これに伴い国税庁の調査で判明した海外資産の申告漏れは増加傾向にあり、とくに近年は加速度を増しているようです。そこで創設されたのが今回のこの制度です。

概要は・・・

 国外財産調書を提出しなければならない方は?
   →・居住者(「非永住者」の方を除きます。)の方
    ・その年の12月31日において、その価額の合計額が5千万円を超える国外財産を有する方
 提出物は?
   →その財産の種類、数量及び価額その他必要な事項を記載した国外財産調書
 いつまでに?
   →その年の翌年の3月15日まで
 「国外財産」とは?
   →「国外にある財産をいう」こと
 「国外にある」かどうかの判定には?
   →財産の種類ごとに行う・・・その財産の所在、その財産の受入れをした営業所又は事業所の所在
    (例) ・「不動産又は動産」は、その不動産又は動産の所在
        ・「預金、貯金又は積金」は、その預金、貯金又は積金の受入れをした営業所又は事業所の所在
 国外財産の価額は?
   →その年の12月31日における「時価」又は時価に準ずるものとして「見積価額」
    「邦貨換算」は、同日における「外国為替の売買相場」による
 国外財産調書の記載事項は?
   →提出者の氏名、住所(又は居所)に加え、国外財産の種類、数量、価額、所在等

ですが、今回初めてとのこともあり、外国特有の特殊な事項に対する個別の評価方法等について、まだ未定とされているものもあり、来年3月に向けてまだまだ課題があるようです。
グローバル化が進むなか、私たちも対応すべく世界に目を向けていかなければいかないといけませんね。

津田千春

要件を再確認!(短期前払費用の特例)

2013年04月18日 | Weblog
こんにちは!

今回は短期前払費用の特例についてです。
節税対策としてよく用いられる短期前払費用の特例。ご存知の方、すでに実行している方もたくさんいらっしゃるでしょう。この特例が認められるための要件、税務判断について再確認してみたいと思います。

法人税基本通達2-2-14、所得税基本通達37-30の2でいわゆる「短期前払費用」について記載されています。この短期前払費用ですが、通達本文や逐条解説の解説文には書いてありませんが、実際の現場における重要な考え方があります。それは
○ 重要性の原則から考えて問題がないこと
○ 等質等量の役務提供であること
です。

重要性の原則から考えて問題がないこと、とういうのは短期前払費用の特例が「重要性の乏しいものについて、企業会計上の簡便な処理を税法上でも認める」という趣旨の特例であるため、収益の計上と対応させる必要がある原価や重要な営業費用となるものは適用を受けることはできません。財務内容や金額の多寡など総合的に勘案して判断されます。

等質等量の役務提供であること、というのは次の要件をすべて満たすものとされています。
〔1〕 一定の契約に従って継続的に提供を受けること、すなわち、等質等量のサービスがその契約期間中継続的に提供されること
〔2〕 役務の提供の対価であること
〔3〕 翌年以降において時の経過に応じて費用化されるものであること、
〔4〕 現実にその対価として支払ったものであることの

簡単に言えば毎月定額で同じサービスを継続的に受けている、ということです。一定の期間だけに対応する費用(広告掲載料等)などは該当しません。また前払費用は役務の提供にかかるものですので、物品の購入などは該当しません。そして「前払」費用ですので当然実際に支払いが完了しているもの、ということになります。


実行の際は上記の要件を必ずチェックしておきましょう。
月払いの家賃を年払いに変更するのであれば、契約書も「年払い」に書き直しておくことも必要です。
また年払いで大きな支出となりますので、先々の会社の資金繰りのことも念頭において実行しましょう。

川上裕也

風が吹けば桶屋が儲かる

2013年04月08日 | Weblog
とあるCM。


・・・夏休みの学校。陸上部の練習を校舎から応援している女の子。視線の先にはひとりの陸上男子。そんな女の子のほっぺに、友達が後ろから冷たいペットボトルをピタッ!外に出てみんなで走りだして一斉にジャーンプ!そしてジャーンプ!透き通る青空!はじける炭酸!キュンとなる恋心!


そう。三ツ矢サイダーである。


三ツ矢サイダーなのである。三ツ矢サイダーが売れまくっているというのである。安倍政権は、金融政策・財政政策・成長戦略の三つを経済再生への「三本の矢」と称し、デフレからの脱却の切り札として緊急経済対策を取りまとめたが、この三本の矢の効果が、「三本の矢」つながりということで早速三ツ矢サイダーの売れ行きに波及しているというのだ。1‐3月期前年比20%増という売れ行きにアサヒ飲料広報は、「直接、販売増に結びついているわけではないと思います。ただ、これから暑くなり、炭酸飲料の需要も伸びる。景気にあやかれればうれしい。」と期待を語ったとのこと。(他のメーカー他の清涼飲料水の1‐3月期販売高がどうなのかまでは調べがついていないが本題ではないのでここでは割愛させていただく。)


さて一般的には何事も、理由なく売れているということはなく、我々が理由までたどり着けないだけで、必ず大なり小なりの売れているワケがそこにはあるといえる。風が吹けば桶屋が儲かると言うが、今回の三ツ矢サイダーのように因果がはっきりとつかめない例と違い、大抵の場合というのは因果がはっきりしており売れている理由まで立ち戻ることができる。


「ハブラシとかの販売って、一か月どれくらいの金額だったら良いのでしょうか?」という質問をいくつかの歯科医院の院長先生方から頂いたことがある。一般的な目標金額としては、月に3万円・4万円・5万円などといったこのあたりの数字がよく使われている。自費特化等でない歯科医院ならば、金額でいうところの月4万円(年50万円)あたりを目標にしていただければ問題ないのだが、アドバイスをさせていただく際には「スタッフの皆さんへの指示の出し方を間違えると、反感を買ったり、ストレスを与えてしまうことになるので気を付けてくださいね」と付け加えるようにしている。


これは、目標金額を設定するにあたっては月4万円や年50万円という金額だけではなく、自費率と販売単価の二つの影響を考慮しないといけないという理由があるためである。自費率が高い歯科医院はそもそもデンタルIQが高い患者さんが多く、必然的に口腔ケア用品への関心が高い患者さんも多くなるという事情がある。販売単価も高めであり、結果として特に意識しなくても不満足とはならない程度の販売品の売り上げが立つ。このような背景を無視して自院よりも自費率が高い歯科医院を目標に、「あそこは物販が月に○万円らしいぞ!ウチももっと頑張れ!」とスタッフの皆さんを叱咤激励でもしようものなら、実情とかけ離れた目標設定のために反感を買うこと必至となる。自費率の高低といった自院の特徴と患者層、そして現在の販売品ラインナップ等をしっかりと把握しておかなければ判断を誤ることになってしまうので注意しなければならない。


次に販売単価の考慮であるが、これは販売額のみで自院の状況を判断しないようにするために必要となる。極端なことを言うと、1万円が4個売れて月4万円なのか、日に2千円が20日続いて月4万円なのか、この二つはどちらも月に4万円だが、4万円に到達する過程が全く違う。高自費率の歯科医院ならば販売単価の高い商品でも売れ行き好調かもしれないが、そうでないならば、月4万円とか年50万円という金額を目標にする前に、一度「月間販売数量」に注目していただければと思う。3万円だから悪い5万円だから良いではなく、どういう過程で3万円なのか5万円なのか、その部分に注目していただきたいのである。たとえ月の販売額が3万円でも、毎日コツコツと数百円の商品を売りさばいている結果としての3万円ならば、それは単に販売単価が低いだけのことであり、スタッフの皆さんの販売スキルとコミュニケーション能力は高いことを示している。陳列方法等を抜きに単純にアドバイスさせていただくならば、対策は患者さんの口腔ケア用品への関心向上を誘発することと販売品のラインナップの見直しということになる。これを誤って金額しか見ずに「なんだ。ウチは3万円しかないじゃないか。あと1万円上乗せできるように頑張れ!」とでも発破をかけようものなら、低単価である以上販売数量を今以上に伸ばさなければならない毎日に、スタッフの皆さんは強いストレスを感じることになるだろう。


もし、販売額アップを当年の目標のひとつとするならば、損益計算書の雑収入の内訳として「ハブラシ等の販売額」をしっかりと分離把握できるように今の顧問税理士さんにお願いすることをおすすめしたい。売れている理由、または売れていない理由をつかもうと考えた場合にまず最初に簡単に見ることができるポイントであるからだ。そこを見れば(仮に月に3万円の販売額がある歯科医院ならば)3万円に到達する過程がわかる。過程がわかれば理由まで立ち戻れる。理由まで立ち戻れば、そこを工夫・改善することで新たな風を吹かせることができる。3万円が5万円に、5万円が10万円に、桶屋が儲かるというわけだ。


雑収入の中のハブラシ等の販売額(販売単価×販売数量)はその歯科医院のスタッフの皆さんのコミュニケーションスキルを表しており、財務諸表から読み取れる情報の中でも面白い項目のひとつだ。数字の羅列で無味乾燥に見える財務諸表も視点を変えれば様々なことを我々に教えてくれるというわけである。


個人事業主の皆様は平成24年分の確定申告を終え、顧問先の税理士事務所さんから確定申告書をお受け取りになられたことでしょう。その際にどのようなアドバイスをしていただけましたでしょうか。申告して終わり、未来の話がしたくても「利益がでていますからこのまま続けてください」としかアドバイスをくれない税理士事務所さんと決定的に違うのが弊所のこのような分析でございます。弊所には決算診断という強い武器がございますが、それとともに貴社・貴医院の財務諸表を丸裸にし、何が足りなくて何が余計なのかをアドバイスさせていただきます。弊所に興味をお持ち頂き「なるほど。それではちょっとウチの財務諸表も見てもらおうか」と、そのお気持ち頂けましたなら、ご遠慮なくご連絡をいただければ幸いでございます。


来月25日(土)26日(日)に行われる九州デンタルショーにおきましては、弊所福田による講演が予定されております(25日)。詳細は弊所ホームページ右上の最新情報からご覧いただけますので、歯科関係の皆様はこの機会に是非ともお越しくださいますようお願い申し上げます。


■参考リンク
首相官邸
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/conference2013.html
アサヒ飲料
http://www.asahiinryo.co.jp/
アサヒ飲料 三ツ矢サイダー特設サイト
http://www.asahiinryo.co.jp/mitsuya-cider/sp/


監査部一課 原浩恭

日本版ISA

2013年04月01日 | 税制改正
皆様、こんにちは

今日から4月に入りましたが皆様いかがお過ごしでしょうか?
福岡では早々に桜が満開を向かえ、既に葉桜になっているものも見かけられます。
その一方で朝晩はまだまだ気温が低い日もあったりと
まだまだ季節の変わり目からは抜け出せていないようですので
風邪などひかれないようにお気をつけ下さい。


それでは本日は、税制改正のお話をさせて頂こうと思います。

皆様は「日本版ISA」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
これは平成26年1月1日から開始する予定の個人投資家向けの税制優遇措置で、
毎年一定額の上場株式等への投資に関する配当等及び譲渡益を非課税とする制度です。
ちなみに「ISA」は「Individual Savings Accounts」の略で
「日本版」とされているのは既にイギリスで採用されている制度を
参考として創られた制度であるためです。

この制度の適用を受けるにはまず証券会社などに
非課税口座開設のための届出書を提出する必要があります。
適用を受けられる金額は毎年100万円までで非課税期間は5年間です。

1999年からこの制度を導入しているイギリスでは
口座開設者の割合が人口の4割にのぼるそうです。

口座の開設可能期間が平成35年までと制限されている点など
イギリスの制度と比較するとまだまだ利用しづらい面がありますが
利用者にとっては確実にメリットのある制度ですので
弊所でも効果的な活用方法を検討して参ります。

ただ、この制度の導入に伴い
これまで適用されていた上場株式等の譲渡所得等に対する軽減税率が廃止となる予定です。
これによりこれまでは10%(平成25年は復興増税のため10.147%)であった
上場株式等の譲渡所得に対する税率は20.315%となります。

もし含み益のある株式をお持ちの方は
平成25年中の譲渡を検討してみてはいかがでしょうか。

なお、上記の税制改正に関しては
既に法案は提出されておりますがまだ可決されてはいないため
今後変更が加わる場合がございます。
変更がある場合にはまたあらためて情報提供をさせて頂きます。


昨年政権交代があったこともあってか
今回の税制改正は皆様の事業や生活に
直接影響するものが多いように思います。
私たちもで今回の改正をうまく活用して
お客様のお役に立てるよう日々精進して参ります。
もし、ご質問・ご相談などございましたらご遠慮なくお尋ね下さい。


川端正人