グリーン投資減税

2012年07月30日 | Weblog

暑い日が続いていますね。

今回はグリーン投資減税のお話をさせていただきます。

 

太陽光発電設備は身近で一般的になってきています。いまは価格も下がってきており家電量販店などでも大々的に売り出しています。

この太陽光発電設備で発生した電力を売却するために投資を行った場合(個人事業でも法人でも)、その費用が全額即時償却できる、というのがグリーン投資減税です。

太陽光発電設備は数百万円はかかりますから、全額経費になれば大きな節税効果があります。

ただし、この制度を受けるためにはいくつか用件があります。

①青色申告をしていること

②10KW以上の売電で固定価格買取制度の認定を受けていること

(地方経済産業局へ申請が必要。おおむね設備の購入先で手続きはしていただけます。)

③平成24年5月29日から平成25年3月31日までに設備を取得していること

④取得した日から1年以内に事業の用に供していること。

設備投資を検討する際はご注意ください。

 

★医療法人は「収益事業」を行えないため、売電ができません。

いくつかの県に確認をとりましたが「全量売電」は認められないとの回答でした。ただ「余剰売電」については雑収入の範囲と認められることもある、との回答でした。県によって対応がちがう部分がありますの一度確認を取ることをおすすめします。注意ください。

 

監査部 川上裕也

 

 


歯科医院と消費税増税の影響について

2012年07月23日 | 税制改正

 ようやく各地で梅雨明けが知らせが届き、これからまた暑い夏が訪れようとしておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。梅雨明けの数日間は急に気温が上がることもあり、熱中症になる方が多いようですのでくれぐれもお気を付け下さい。

 さて、このブログでも何度か歯科医院経営のセミナーをご案内させて頂いているように、弊所は大変多くの歯科医院様と共にお仕事をさせて頂いております。

 では、歯科医院にとって今回の消費税増税はどういった影響があるのでしょうか?

 実は歯科医院には消費税を納める必要がない医院が大変多くございます。これは、先々週このブログでも紹介させて頂いたように、通常の保険診療などは消費税が非課税とされるため、多くの医院が消費税の納税義務が免除されるためです。(基準となる一定の期間における消費税が課税される売上高が1000万円以下の場合には消費税の納税義務は免除されます。)

  ではそういった医院には、今回の増税は影響がないのかというとそういうわけではありません。消費税が免除されると言っても、購入する診療材料などはその分価格が上がりますし、支払う家賃や電気代・水道代なども高くなります。保険診療はその料金を国が決定しているため、こういった原価・経費の上昇を価格に転嫁することも出来ません。つまり支払っている消費税は払い損ということになります。

 自費診療の割合が高い歯科医院に関しても、たとえ消費税を料金に転嫁できるとはいえ、その分確定申告(予定申告)で納付する税額の重荷は大きくなります。

弊所は、ライフプランなど、将来を見据えたご提案をお客様にすることを一つの使命として仕事をしておりますので、こういった税制改正がそれぞれのお客様にとってどういった影響があるのかをアナウンスすることを心がけて、今後も仕事に取り組んでまいります。

 

監査部 川端正人


消費税の「逆進性」について

2012年07月16日 | Weblog

 梅雨真っ只中、じめじめした天気が続いていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。九州では先週から記録的豪雨が続き、多く方が犠牲にあわれました。心よりお見舞い、お悔やみ申し上げます。

 さて、本題に入ります。国会に目を向けてみますと、消費税増税を柱とする社会保障と税の一体改革関連法案の採択では民主党から多数の造反議員が出ました。そこで、今回は消費税にスポットを当てて、消費税に潜む問題点として度々取り沙汰される「逆進性」についてお話をしたいと思います。

 皆さんご存じのように消費税は消費に対して5%の税金がかけられています。これは高所得者も低所得者も同じ、平等です。しかし、所得全体に対する消費の割合でみてみると高所得者の方が消費に回す割合が少ないので消費税の負担割合が低くなります。例えば所得が1,000万円(500万円を消費し、500万円を貯蓄します。)の人と100万円(全額消費します。)の人を例に挙げてみますと、高所得者は500万円×5%=25万円で所得に占める割合は2.5%、低所得者は100万円×5%=5万円で同割合は5%という結果になります。

 本来租税は、等しい状況にある者には等しい負担を、そして異なる状況にある者にはそれに応じた負担(所得が多くなるにつれ、より多くの税負担を求めるということです。)であるべきとされていますので、先の消費税の税負担はこれに反しています。ここに消費税の逆進性が問われることになります。

 そこで、解決策として、食料品などの生活必需品に対しては税率を優遇するという方法もありますが、この場合でも高所得者の方が低所得者よりも食料品等を購入する額が大きいのですから、逆に高所得者の方が減税メリットを享受することになり、逆進性の問題は解決されません。

 次に、この逆進性の対応策として浮上しているのが米国、欧州などで既に取り入れられている「給付付き税額控除」といわれるものです。低所得者の場合、各種所得控除や税額控除があったとしても、それを差し引くだけの所得、税額が無いこともあります。「給付付き税額控除」とは差し引く所得・税額を全額控除して、マイナスになればそれに税率を掛けて逆に給付(もともと納付が無いので還付ではなく給付が正しいと思います。)を受けるものです。

 以上の対策は、消費税増税を念頭に考え出されたものになります。しかし、個人はまず所得を得た段階で、所得税が課され(高所得者には高い税率を適用しています。)、そこから消費した分について消費税が課され、消費しなかった分については贈与税・相続税の適用を受けるのです。消費税だけではなく、税制全体で何が公平なのかを考える必要があると思います。

 今後消費税が増税路線であることや、末端の消費者にまでその影響が及ぶことを考えると、消費税の問題は無視できない存在になってくるはずです。もっと関心を持って、これからの動向に注視していきたいと思うのです。


消費税の考え方

2012年07月09日 | Weblog

皆様、おはようございます。

先週は湿度の高い日が続きましたが、今日の福岡は朝から晴れ間が広がり、過ごしやすい一日となりそうです。

皆様がお過ごしの地域はいかがですか?

 

先週も少し触れさせて頂きましたが、最近はテレビなどでも消費税増税が話題となっていますね。

私ども税理士事務所でも、消費税率が変更された場合の対応などもあり、改正の動向に気を配りながら日常業務を行っております。

 

そこで本日は、この消費税について、消費税の課税されるもの、課税されないものの考え方をお話させて頂きたいと思います。

 

消費税は、消費という行為に対して広く、薄く、そして公平に負担を求める間接税として、それぞれの行為に対して、現在5%(国税4%、地方税1%)の税率で計算されています。

 では、消費税はどのようなものを対象に課税がされるのでしょうか?

消費税法では次のように規定されています。

 「A国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等及びB外国貨物の輸入」

 

では、上記の規定をもう少しかみ砕いて見ていきましょう。

今回はその中でもAの「国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等」についてご説明をさせて頂きます。

 

a    国内において

消費税は国内での取引が対象となりますので、例えば、我々日本人が海外でモノを売った場合は日本の消費税は課税されません。

 

b    事業者が

ここでいう事業者とは、法人及び個人で事業を営まれている方が対象となります。

 

c    事業として

法人が行う取引はすべてここで言う「事業として」に該当します。

一方、個人事業者については、ご商売に関わるもの、つまり、家事用以外のものが対象となります。

例えば、会社からお給料をもらっている給与所得者が、たまたま自家用車を手放す行為などは、事業として行う行為には該当しません。

 

d 対価を得て行われる

消費税が課税される行為は、「対価」を受け取るものが対象になります。従いまして、寄付金などは一般的に対価性がないため、消費税の課税対象にはなりません。

 

e 資産の譲渡等

消費税法上、「資産の譲渡等」とは、事業として有償で行われる資産の売却及び貸付け、そして、役務(サービス)の提供をいいます。

このeの判断として難しいところになるのですが、「資産の売却」とは、例えば、スーパーなどの小売業を営まれている方が、我々消費者に対して商品を売る行為などが該当します。

また、「資産の貸付け」とは、自社ビルを会社のテナントとして貸す行為などが該当し、その受け取る家賃が消費税の対象となるのです。

そして「役務(サービス)の提供」とは、例えば、税理士がお客様からご依頼を受けて行う税務相談などの役務サービスなどが該当します。

 

上記a~eのすべてに該当した場合に消費税が課税されるのですが、他の税法にもあるように消費税についても「非課税」となるものがあります。

 

では、どのようなものが非課税となるのでしょうか?

消費税の非課税について、少し触れさせて頂きたいと思います。

 

消費税の非課税は、次の2種類に分類することができます。

 

a 「消費」に負担を求める税としての性格から課税の対象としてなじまないもの

b  社会政策的配慮から課税しないもの

 

まず、aについて、「資産の売却」を例に挙げてご説明をさせて頂きます。

先程、「資産の売却」が消費税の対象になるとご説明をさせて頂きました。これは、例えば、建物や自動車を購入し使用した場合、使用することや時間の経過によって次第に価値が減っていきます。つまり「消費」するものを売却することに対して「消費税」が課税されるのです。

では、土地はどうでしょうか?

路線価など毎年その地域の土地の価値は発表されますが、土地は使用し過ぎたからといって、その価値が減ることはありません。

つまり、土地を使用することは消費することにはならないのです。

従いまして、土地の売却や貸付けなど消費しないものについては、消費税は課税されないのです。

 

次に、bについてご説明をさせて頂きます。

「社会政策的配慮」とありますが、例えば、病院での社会保険診療などの治療行為がこれに該当します。

つまり、病院での治療は、我々が健康を維持するために必要なものであり、そのような行為に対してまで消費税を課税しないようにするという社会政策的配慮から消費税が非課税となるのです。

ただし、美容整形や保険対象外となる自由診療などは、病院での治療でありますが、これらは消費税の課税対象となります。

 

皆様、いかがでしたでしょうか?

今回は、「消費税」について、課税されるものと非課税とされるものの考え方を中心にお話させて頂きました。

消費税は、購入者(消費者)側である皆様や我々にも身近に関わってくる税金です。

特に非課税については、今回例に挙げさせて頂いたもの以外にも、我々の日常生活に関わるものもございます。

今回ご説明できなかった部分もございますので、皆様、ご質問等がございましたら、いつでも弊所までご連絡下さい。

監査部 木山 浩晃


消費税改正に際して

2012年07月02日 | Weblog

 社会保障と税の一体改革関連法案が先月6月26日の衆院本会議で可決されました。

 翌日27日付の日本経済新聞朝刊の6面の記事では、例えば年収500万円以上550万円未満の家計負担は、

税率が5%時と10%時を比較すると約12万円増加するという記事もありました。

 また、当初の政府案に盛り込まれていた所得税と相続税の改正については、

今回の法案から削除され、年末の税制改正論議で再検討ということになったようです。

 再検討ということは、当初案以上の負担増となる改正になる可能性もぬぐえません。

 加えて、厚生年金保険料も段階的に上がり、生活費として使える手取り金額は益々減っていくことが予想されます。

 さて、最近の税制改正の流れとして、個人は増税、法人は減税という流れがあるように思います。

如何に税率の低くなりやすい法人を有効活用することが考えられます。

 また、個人は増税基調ということや今後予想されるインフレを考慮すると、

今から個人のライフプランを考える必要が今まで以上に高くなったともいます。

これは、企業経営者、事業主のみならず、私達サラリーマンも同様です。

 幣所としても、上記のことの啓蒙やニーズに応えられるサービスの提供を積極的に増やしていきます。

 そして、このような状況だからこそ、職業会計人として、

如何に日本を支える中小企業の顧問先様のために知恵を絞りお役立ちするか、私達の出番だと気合をいれなおしています。

 今後とも「強存強栄」で宜しくお願い申し上げます。

 清水智文