令和2年度厚生労働省からの主な税制改正要望案 今後どうなるでしょう?

2019年12月16日 | 税制改正

みなさんいかがお過ごしでしょうか。

 

今回は令和2年度の税制改正に向けて厚生労働省が出した改正要望をご紹介します。

 

令和2年度厚生労働省の主な税制改正要望

 

  1. 医師少数区域等に所在する医療機関への税制上の優遇措置の創設 〔不動産取得税、固定資産税〕

2018年の医療法等の改正により、医師少数区域等において一定期間勤務した医師を厚生労働大臣が認定する制度が創設されたことに伴い、医師少数区域等に所在し、認定を取得した医師が一定程度勤務する医療機関に対する不動産取得税及び固定資産税の軽減措置を講ずる。

  1. 地域医療構想実現に向けた税制上の優遇措置の創設(病院の再編統合など病床機能の分化・連携支援)〔不動産取得税、固定資産税〕

地域医療構想を推進するため、地域の医療機関間での医療機能毎の再編統合による資産等の取得等が行われた場合に、不動産取得税及び固定資産税を減免する税制措置等を講ずる。

  1. 医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予等の特例措置の延長等 〔相続税、贈与税〕

医療法上の持分なし医療法人への移行計画の認定制度を前提とした特例措置について、その適用期限の延長等の措置を講ずる。

  1. 医師少数区域等における医療法人の承継税制の創設 〔相続税、贈与税〕

地域医療の確保の観点から、医師少数区域等にある持分あり医療法人については、医業継続に係る特例措置(相続税、贈与税の猶予等)の期間の延長等の措置を講ずる。

  1. 基金拠出型医療法人における負担軽減措置の創設 〔所得税、個人住民税〕

持分なし医療法人への移行を促進するため、持分あり医療法人から基金拠出型医療法人へ移行する際、基金が払い戻しされるまでの間、みなし配当課税を納税猶予する特例措置を講ずる。

⓺健康サポート薬局に係る税制措置の延長等

医師少数区域等に所在する医療機関への税制上の優遇措置の創設 〔不動産取得税、固定資産税〕

2018年の医療法等の改正により、医師少数区域等において一定期間勤務した医師を厚生労働大臣が認定する制度が創設されたことに伴い、医師少数区域等に所在し、認定を取得した医師が一定程度勤務する医療機関に対する不動産取得税及び固定資産税の軽減措置を講ずる。

  1. 地域医療構想実現に向けた税制上の優遇措置の創設(病院の再編統合など病床機能の分化・連携支援)〔不動産取得税、固定資産税〕

地域医療構想を推進するため、地域の医療機関間での医療機能毎の再編統合による資産等の取得等が行われた場合に、不動産取得税及び固定資産税を減免する税制措置等を講ずる。

  1. 医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予等の特例措置の延長等 〔相続税、贈与税〕

医療法上の持分なし医療法人への移行計画の認定制度を前提とした特例措置について、その適用期限の延長等の措置を講ずる。

  1. 医師少数区域等における医療法人の承継税制の創設 〔相続税、贈与税〕

地域医療の確保の観点から、医師少数区域等にある持分あり医療法人については、医業継続に係る特例措置(相続税、贈与税の猶予等)の期間の延長等の措置を講ずる。

  1. 基金拠出型医療法人における負担軽減措置の創設 〔所得税、個人住民税〕

持分なし医療法人への移行を促進するため、持分あり医療法人から基金拠出型医療法人へ移行する際、基金が払い戻しされるまでの間、みなし配当課税を納税猶予する特例措置を講ずる。

  1. 健康サポート薬局に係る税制措置のの延長等〔不動産取得税〕

 地域住民による主体的な健康の維持・増進を積極的に支援する健康サポート薬局の取組を推進するため、中小企業者が健康サポート薬局の用に供する不動産を取得した場合における、不動産取得税を減免する特例措置について、その適用期限を2年延長する等の措置を講ずる。

  1. 認可外保育施設の利用料に係る消費税の非課税措置の拡充 〔消費税、地方消費税〕

消費税が非課税とされている認可外保育施設の利用料について、非課税対象を拡大し、指導監督基準を満たした認可外の居宅訪問型保育事業等の利用料についても非課税とする。

  1. 認可外保育施設の利用料に係る消費税の非課税措置の拡充 〔消費税、地方消費税〕

消費税が非課税とされている認可外保育施設の利用料について、非課税対象を拡大し、指導監督基準を満たした認可外の居宅訪問型保育事業等の利用料についても非課税とする。

  1. 障害者を多数雇用する場合の機械等の割増償却制度の適用期限の延長 〔所得税、法人税〕

障害者の雇用の機会を拡大し、その雇用を維持する観点から、障害者を多数雇用する事業主が取得した機械、設備等に係る割増償却制度について、その適用期限を2年延長する。

  1. 障害者を多数雇用する場合の機械等の割増償却制度の適用期限の延長 〔所得税、法人税〕

障害者の雇用の機会を拡大し、その雇用を維持する観点から、障害者を多数雇用する事業主が取得した機械、設備等に係る割増償却制度について、その適用期限を2年延長する。

  1. 企業年金・個人年金制度等の見直しに伴う税制上の所要の措置 〔所得税、法人税、個人住民税、法人住民税、事業税〕

企業年金・個人年金制度等については、現在、社会保障審議会において議論を行っており、その結果等を踏まえて税制上の所要の措置を講ずる。

⑰企業年金等の積立金に対する特別法人税の撤廃又は課税停止措置の延長 〔法人税、法人住民税〕

※平成11年度より課税凍結中

企業年金等の積立金に対する特別法人税について、これらの普及を図るため及び健全な運営を確保するため、これらの積立金に対する特別法人税を撤廃する。(撤廃に至らない場合、課税停止措置の延長を行う。)

  1. 交際費課税の特例措置の延長 〔法人税、法人住民税、事業税〕

飲食費の50%を損金算入できる特例措置(中小企業・大企業)及び交際費(飲食費や贈答品の費用等)を800万円までは全額損金算入できる特例措置(中小企業のみ)について、その適用期限を2年延長する。

 

※ この他、子どもの貧困に対応するため、婚姻によらないで生まれた子を持つひとり親に対する更なる税制上の対応の要否等に

ついて検討し、結論を得る。

 

その他の省庁からも要望が多数出されております。今後も税制の改正内容の動向には

目が離せません。

 

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                              寺﨑 幸治


「年末調整について」

2019年12月09日 | 補助金

年末調整の時期が近づいてきました。会社員やアルバイトなど、多くの給与所得者の方にとっては、年末時点での各種状況を勤務先へ申告することで、給与から1年間源泉徴収された所得税が調整されることになります。

本日は、関与先様からご質問を受ける事が多い、年末調整が出来る人、出来ない人について書きたいと思います。

個人の所得には、会社員やアルバイトなどの給与所得、アパート経営などの不動産所得、個人で商売をしている事業所得、不動産を売却した場合の譲渡所得など、10種類の所得があります。この内、給与所得の所得税を精算する手続が年末調整で、年末調整では処理できない場合や他の所得と合算して所得税を精算するのが確定申告です。

また、給与所得者の中でも年末調整が出来ない人は以下の通りです。

□医療費控除(セルフメディケーション含む)を受ける人

□寄附金控除(ふるさと納税の場合、5自治体まではワンストップ特例制度の手続きをすれば、確定申告は不要)を受ける人

□雑損控除(災害盗難による控除)を受ける人

□住宅取得等の減税控除の適用初年度(2年目からは年末調整で処理できる)

□1年間に支払うべきことが確定した給与の総額が2,000万円を超える人

□配当控除や外国税額控除等の税額控除を受ける人

また、給与所得者であっても、2カ所以上の勤務先から給与収入がある場合は、主たる勤務先の給与収入で年末調整を受けていても、従たる勤務先の給与収入と合算して確定申告が必要になります。言い方を変えると、確定申告でしかできない控除(医療費控除や住宅ローン控除、寄附金控除、雑損控除等)がなくて、ひとつの勤務先からだけ給与を受け取っている場合には、給与収入が2,000万円を超えない限りは年末調整だけで所得税の精算が完了します。

その他、12月の最後の給与をもらう前に退職して、その年に再就職しなかった人は、勤務先から年末調整を受けることはできませんので、確定申告により所得税の精算をすることになります。

上記のような年末調整で精算出来ない控除があったがしていなかった人は確定申告をすると、所得税の還付を受けることができます。確定申告は翌年の2月16日から3月15日までにするものと思っている人が多いですが、このような還付の申告は対象期間の翌年1月1日から5年間が有効となります。つまり、2019年の所得税の還付申告であれば、2024年12月31日までが有効となります。

税理士事務所に委託しない年末調整事務をされる企業の給与担当者様は、繁忙期となると思いますが、従業員様から質問があった際には上記の内容を参考にしていただけると幸いです。

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 監査部  梅北聖人


会計法規集を購入して思った独り言。

2019年12月02日 | 日々のできごと
皆さん、こんにちは。
あっという間に師走に突入です。令和元年もあと数週間です。やり残しはありませんか?
私もあと数週間の間に少しでも知識と言う武器を身に付けたいと思っています。
 
我々の武器の一つに簿記(会計)があります。
その簿記は、福沢諭吉がアメリカの商業学校の教材から翻訳し、明治6年(1873年)6月「帳合之法」で初めて複式簿記が紹介され、現代の日本の簿記とつながります。
その福沢諭吉も令和5年(予定)では1万円札から姿を消します。変わって1万円札は渋沢栄一となる予定です。日本の教育の礎を築いた学者から日本を資本主義へ改革した経営者に変わります。同じ明治時代を駆け抜けた偉人です。感慨深いですね。
 
さて、凡人の話しに戻しますと、先日十数年ぶりに会計法規集を購入しました。
簿記のルールなどの会計基準が集まったものが会計法規集です。
久しぶりに手に取ると、あれっ薄くなったかな?中を広げると字のフォントが小さい。年のせいかな?でも内容は明らかに多くなっている・・・。タグを付けるのに30分かかりました。
 
そして、会計法規集を開いて有形固定資産のことを調べると、補足資料を見て、概念フレームワークを見て、財務諸表規則を見なくてはならないなど、会計法規集を右往左往開かなければいけません。
なんじゃこりゃ、登録マスターがあちこちにあるツギハギだらけのポンコツシステムと一緒じゃないか・・・というのが第一印象でした。
私は企業に勤めていた時にマニュアル整備、規程作成、システム構築などの作業を行う際に、誰でも分かりやすくする、他人に聞く事を少なくする等をテーマとして業務効率化に取り組んできました。
税法や商法は目次で調べ物が分かります。専門学校の会計教材も目次で調べ物が見つかりますし、流れがスムーズで会計法規集よりわかりやすいです。
会計法規集を発刊している中央経済社が悪いのではなく、こんな形になっている会計基準が残念でなりません(会計の学問にも諸事情があるのでしょう)。
 
会計基準の大原則ともいえる企業会計原則の前文にこう記されています。
「企業会計原則は、企業会計の実務の中に慣習として発達したものの中から、一般に公正妥当と認められたところを要約した基準である。」
今の会計法規集は実務家が見やすいですかね。要約されていますかね。各種の会計基準は詳細を羅列され、枝葉となって学者が見る物になってしまったようです。
私が思うに、世界から日本の会計基準がガラパゴス基準と言われているのは、誰でも分かりやすくする整備をしていないからだと思います。
日本の企業では、大企業は「IFRS、J-IFRS、US-GAAP、J-GAAP」、中小企業は「中小会計指針、中小会計要領」と6つもの会計基準が採用できます。異常と言えるでしょう。
会計学者から渋沢栄一のような改革者が出て欲しいと切に願います。
 
最後に明るい話をすると原価計算基準はS37年発行から50年以上改正がありません。
ある学者の話しによると日本が世界に誇れる会計基準の一つだそうです。
 
 
 
簿記を愛する末端の実務家 吉野伸明