使用人等への食事の支給の取扱い

2015年01月26日 | Weblog
皆様、おはようございます。

本日は、会社や個人事業主の方が、使用人等へ昼食等の食事を支給した場合の税務のお話させて頂きます。

普段、皆様が経営をされている中で、会社や個人事業主の方が、役員や従業員へ昼食等の食事を支給する場合があるかと思います。

役員や従業員への食事の支給については、それが給与として扱われるかどうかが税務では重要になってまいります。

具体的には、以下の①②のいずれの要件も満たす場合には、福利厚生の一環として、役員や従業員に対する給与としては課税されないことになっております。

要件

① 役員や従業員が食事の価額の半額以上を負担していること。
② 役員や従業員に支給した食事について、会社や個人事業主の方(使用者)が負担した金額が月額3,500円以下であること。

では、2つの例を用いて説明させて頂きます。

ケース1

  ・1ヶ月の食事の総額   5,000円
  ・会社の負担額     2,500円
  ・従業員の負担額    2,500円

ケース2

  ・1ヶ月の食事の総額   8,000円
  ・会社の負担額     4,000円
  ・従業員の負担額    4,000円

まず、ケース1では、①と②の両方の要件を満たしています。この場合は、会社側において、会社が負担した2,500円を福利厚生費として処理することになり、従業員に対する給与課税は行われません。

一方、ケース2では、従業員は食事の価額の半分(以上)を負担しているため、①の要件は満たしています。
しかし、このケースでは、会社の負担額が4,000円であり、3,500円を超えているため、②の要件は満たしていないことになります。
従いまして、この場合は、会社の負担額の全額である4,000円が、その従業員に対する給与所得として扱われ、従業員に対して所得税等が課税されることになります。

このように、食事代については、金額による要件が与えられており、その負担額によっては、従業員の方などの所得税等に影響が出ることがありますので、ご注意が必要です。

なお、本日お話をさせて頂いた内容の他に、残業をしてくれた従業員に支給する残業に対する食事については給与課税をされないなど、食事代については、様々なケースによって取扱いが異なってまいります。

ご不明な点がございましたら、ご相談頂ければと思います。

木山 浩晃

個人事業主の所得控除

2015年01月19日 | Weblog
今年もシーズンが近づいてきました>
本日は個人事業主の方へ....

個人事業主の所得控除をまとめました。
所得控除とは、納税者の生活状況や家庭環境などを勘案して、
納める税額を公平にするために設けられた制度です。

収入 − 必要経費 − 各種控除 = 課税所得金額
課税所得はこのように算出されるので、控除額が多いほど節税になります。


控除の種類

控除の概要と控除額

雑損控除 災害や盗難などによって損害を受けた場合の控除
損失額によって控除額が変わる
医療費控除 病院などで医療費を支払った場合の控除
支払った医療費 − 保険金など − 10万円 = 医療費控除額
(10万円の部分 → 年間所得200万円未満の場合は総所得の5%)
社会保険料控除 社会保険料(健康保険や国民年金)を支払った場合の控除
その年に支払った金額を全額控除
小規模企業共済等掛金控除 指定された共済や個人型年金などを支払った場合の控除
その年に支払った掛金を全額控除
生命保険料控除 生命保険料を支払った場合の控除
年間の生命保険料によって金額が変わる(最高12万円)
地震保険料控除 地震保険料を支払った場合の控除
年間の地震保険料によって金額が変わる(最高5万円)
寄付金控除 寄付をした場合の控除
特定寄附金 − 2000円 = 寄附金控除額
ただし、上限あり(年間所得の40%まで)
寡婦・寡夫控除 夫または妻と離婚や死別した場合などに受けられる控除
基本的には27万円(35万円の場合もあり)
勤労学生控除 納税者が勤労学生の場合に受けられる控除
27万円
障害者控除 納税者、あるいは控除対象の配偶者や扶養親族が所得税法上の障害者に当てはまる場合に受けられる控除
基本的には一人につき27万円(40万円もしくは75万円の場合もあり)
配偶者控除 控除対象になる配偶者がいる場合の控除
基本的には38万円(配偶者が70歳以上の場合は48万円)
配偶者特別控除 配偶者に38万円を超える所得があり配偶者控除を受けられない場合でも、
配偶者の所得金額に応じて受けられる控除
配偶者の所得に応じて控除額が変わる
扶養控除 控除対象になる扶養家族(息子など)がいる場合の控除
基本的には38万円(扶養親族の年齢により異なる)
基礎控除 全員一律で適用される控除
みんな一律で38万円
青色申告特別控除 青色申告者に適用される控除
10万円 or 65万円

医療費控除、社会保険料控除は納税者本人のための支払い額に加えて、
生計を一緒にしている配偶者や親族のための支払い額も控除の対象になります。

白色専従者、もしくは青色専従者で給与を受けると、
扶養控除と配偶者控除(配偶者特別控除)は受けられなくなるので注意して下さい。
>> 専従者控除・専従者給与と配偶者控除・扶養控除

基礎控除以外の控除を受けるには、確定申告で提出する書類に控除額等を記入します。
また、必要に応じて控除の証明となる書類を確定申告時に提出します。


すでにご存じの方へは当たり前のことでしたが、今回は 確認の意味で


                             マネージャー

新年の目標は『健康』?

2015年01月13日 | 労務情報
2015年もスタートし2週間が経ちました
今年の目標に『健康』と決められた方も多いかと思います。

いつまでも健康でいたいと願うばかりですね。

老後の年金はいろんな方面で話題になりますが、今日は年齢を軸に話を進めてみます。


まずご自身は何歳から老齢年金(以下「年金」と表記します)をもらえるかご存知ですか?

昭和36年4月2日以降に生まれた方は『65歳』が給付開始年齢です。
(「昔は60歳から年金もらえたんだよ」とよく言われますが、
次第に給付開始年齢が引き上げられているんです。)


そこで年齢の話です
長寿国と言われて久しい日本ですが、いつ頃から長寿になったかご存知ですか?

厚生労働省から出ている面白いデータがあります
以下は【時代とその平均寿命(男性)の相関図】です

昭和20年 ⇒ 50歳
昭和30年 ⇒ 60歳
昭和50年 ⇒ 70歳
昭和90年 ⇒ 80歳

分かりやすくするためにデータの数字を概略として記載しましたが、
昭和20年にはまだ平均寿命が50歳だったことに驚きました。

そしてこの図からはもう1つ面白い事がわかります

【平均寿命が10歳延びるのにかかった年数!】です

それは平均寿命が…

50歳から60歳になるまでに ⇒ 10年かかった!
60歳から70歳になるまでに ⇒ 20年かかった!
70歳から80歳になるまでに ⇒ 40年かかった!

ということ

では、この倍率計算でいくと
平均寿命が、80歳から90歳まで延びるのには ⇒ 80年かかる???

これはさすがに早計だと思いますが、いずれにしても
医学の進歩により確実に寿命は延びていきます。


話は戻って、「年金いつからもらえるの?」です。
以前60歳から給付されていた年金ですが、
前述のように今は、65歳スタートが決まっています。

飛躍した話ですが
「そのうち70歳からしか年金もらえなくなるんじゃない?」
という意見も耳にします。

そこで、また面白い数字を1つ。

60歳から年金をもらえていた時代の平均寿命は70歳!
65歳から年金をもらう今の時代の平均寿命は80歳!

では
70歳から年金をもらう様になる時代の平均寿命は…90歳???
(反対に平均寿命がが90歳になれば、国は年金を70歳からしか支給しなくなるかも???)

みなさんは年金をどうお考えですか?
「きっと、もらえないからあてにしないよ」でしょうか?
「長生きして沢山年金もらうぞ!」でしょうか?

いずれにしても
年齢と年金の開始時期は今後も時代や国民の稼ぐ力によって変わるんでしょうね

そしてまずは『健康』でいることが何よりの幸せなんだと、
あらためて感じた年始でした。

みなさん今年もよい1年を


労務部門 福田恒久







紹介状の医療費控除について

2015年01月05日 | Weblog
新年あけましておめでとうございます。
年が明けると、いよいよ確定申告の時期が迫って来ますね。
医療費控除の為に確定申告をなさる方もいらっしゃると思います。
そんな、医療費控除について、年末に国税局からある文書が回答事例として公表されました。

それは「診療情報提供書に係る診療情報提供料の自己負担額の医療費控除の取扱いについて」です。
これは、紹介状が診断書とは異なり治療に必要なので、医療費控除の対象と認めらるというものです。

(事実関係)
・照会者は、指に切創を負ったため、A病院で応急処置を受けたものの、今後、障害の可能性があった。
・その後の治療をB医院で受ける事にした。
・その際、A病院から診療状況を示した紹介状の交付を受け、手数料としてA病院に文書料を支払った。
なお、この文書料は、診療情報提供料として健康保険の適用の対象とされるもである。

(理由)
(1)本件紹介状は、その後の診療をB医療機関で継続して適切に受けることができるよう作成されたものであり、B医療機関による診療を受けるために直接必要な費用と考えられること。

(2)本件紹介状のような診療情報提供書による医療機関同士の連携は、医療機関間で通常行われる行為であり、その作成費用は、B医療機関での診療にあたって通常必要なものと考えられること。

(3)本件文書料は、診療情報提供料(Ⅰ)に該当するものであり、「保険医療機関が、診療に基づき、別の保険機関での診療の必要を認めた上で、紹介先保険医療機関ごとに患者1人につき月1回に限り算定」されるものであることから、医師等による診療等の対価として通常必要なものであり、一般に支出される水準を著しく超えない部分の金額と考えられること。

診断書の作成に係る文書料は、生命保険会社等へ給付金等を請求する際の提出書類等として使用されるため、医師等の診療等の対価には該当せず医療費控除の対象にはなりません。

                                                                  寺崎